前近代における財の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 19:19 UTC 版)
平安末期から用いられ続けた学問と道徳を説いた教科書『実語教』では、「富は、これ一生の財、身滅すれば、すなわち共に滅す。智は、これ万代の財」と位置付け、富=物質的な財は個人的な繋がりでしかなく、残ることはないが、知識・知恵といった財は社会や一族が持続する限り残り続けると定義している。すなわち、教養こそ財として重きを置くべき(精神的財を貴べ)とする教育がなされていた。 また、中世における財産目録の文書研究から、鎌は財に数えられなかったと考えられており、消耗と消費が激しいために、古くから多くの人に用いられ続けた道具にもかかわらず、家財としての価値が認知されず、除外されていた(当時は使い古された鉄器は鋳潰され、リサイクルされた)。このように、人間生活にとって、深く効用のあるものでも、時代によって、財とはならない例がある。
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