利用者確保に向けた対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 23:11 UTC 版)
「南紀白浜空港」の記事における「利用者確保に向けた対策」の解説
2010年度の南紀白浜空港の年間利用客数は11万1203人で、前年度比で3万6551人・24.7%の減少だった。しかし、日本航空によるマクドネル・ダグラスMD-87の運行から、子会社のジェイエアによるエンブラエル170での運行への変更により、搭乗率は16.1%増の67.0%へ改善された。また、2007年度の年間貨物輸送量は149tで、うち南紀白浜空港から羽田空港に向けての輸送量が136tで、全体の91.4%を占める。 2011年度は、2010年度末に当たる3月11日に発生した東日本大震災後の国内旅行の自粛ムードなどから利用客が減少していたが、2012年度下半期以降に回復基調になったとされ、2012年度の年間利用者数は10万8441人となって前年比1万7421人・19.1%の増加となった。また、2013年の上半期に限ると搭乗客は過去3年間で最も多かった。この要因について地元紙は、地元関係者による増客の取り組みが功を奏したほか、乗り継ぎ利用に対し利便を図る運賃制度などが要因であったとしている。 南紀白浜空港は和歌山県内唯一の空港だが、県南部の白浜町の海岸部に位置し、現在は羽田便のみの就航である。このため、同県北西部に位置し、行政や商工業の中心地である和歌山市からのアクセス時間や利便性では大阪府にある関西国際空港に劣り、羽田線の通常運賃でも南紀白浜空港の方が高い。その結果、南紀白浜空港利用客の過半数は観光目的であり、その行き先としては南紀白浜温泉・アドベンチャーワールドなどの白浜町内、及び熊野古道・那智勝浦温泉・潮岬などの県南部の観光地が上位に並ぶ反面、県北東部の高野山は相対的に低いとしている。 このような実情を反映してか、和歌山県はその長期総合計画の中で関西国際空港を南紀白浜空港に優先して記述し、その至近距離が「本県経済の発展にとって大きなメリットをもたらす」「観光客や企業の誘致、農産物などの輸出(に有効)」とし、大阪府や近畿の経済界と連携して同空港の2期工事を推進する一方、南紀白浜空港は「首都圏に直結する立地条件を持つ本県南部の玄関口」と現状認識を示した上で「(観光客などの)誘客を行う際には、南紀白浜空港を拠点に紀南地域への動線を描いていく」という将来像を示し、両空港の並立と南紀白浜空港の維持・増便を目指している。 和歌山県は、利用者の増加とイメージアップを図るため、当空港の愛称を「南紀白浜パンダ空港」とする案を検討している。また、白浜町民は航空機利用について、白浜町から補助金を受けることができる利用促進制度がある。
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