内積空間上の作用素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:15 UTC 版)
「計量ベクトル空間」の記事における「内積空間上の作用素」の解説
内積空間 V から内積空間 W への線型写像 A: V → W に対して、望ましい性質を持つクラスがいくつか挙げられる。 連続線型写像: A は上で述べた距離に関して連続。同じことだが、x が V の単位閉区間上を動くときの非負実数からなる集合 {ǁAxǁ} が有界。 対称線型作用素: V の任意の元 x, y に対して ⟨Ax, y⟩ = ⟨x, Ay⟩ を満たす。 等距作用素: V の任意の元 x, y に対して ⟨Ax, Ay⟩ = ⟨x, y⟩ を満たす。同じことだが、V の任意の元 x に対して ǁAxǁ = ǁxǁ が成り立つ。任意の等距作用素は単射であり、また等距作用素は内積空間の間の準同型、特に実内積空間の間の準同型は直交作用素である(直交行列と比較せよ)。 等距同型: A は等距作用素かつ全射(従って全単射)。等距同型はユニタリ作用素とも呼ばれる(ユニタリ行列と比較せよ)。 内積空間論の観点からは、互いに等距同型な二つの空間は区別を要しない。スペクトル定理は有限次元内積空間上の対称作用素、ユニタリ作用素、あるいは一般に正規作用素に対する標準形を与えるものである。スペクトル定理の一般化はヒルベルト空間上の連続正規作用素に対しても成り立つ。
※この「内積空間上の作用素」の解説は、「計量ベクトル空間」の解説の一部です。
「内積空間上の作用素」を含む「計量ベクトル空間」の記事については、「計量ベクトル空間」の概要を参照ください。
- 内積空間上の作用素のページへのリンク