両端が開いている
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 05:08 UTC 版)
両端が開いている円筒では、端の近くの空気分子は管の内外に自由に動く。この運動は定常波における変位波腹を作り出す。節は、端から離れた円筒の内部に形成される傾向がある。第1倍音では、開管は定常波の厳密に半分を含む(波腹-節-波腹)。したがって、開いた円筒の倍音は、両端が閉じた円筒の倍音と同じやり方で計算される。 開いた管をオーバーブローイング(英語版)することによって、基本周波数のオクターブ上の音を得ることができる。例えば、開いた管の基音がC1だとすると、オーバーブローイングによってC2(C1のオクターブ上)が得られる。 両端が開いている円筒管は、以下のおおよその周波数で共鳴する。 f = n v 2 L {\displaystyle f={nv \over 2L}} ここで、共鳴節を表わすnは正の整数(1、2、3...)、Lは管の長さ、vは空気中の音速(20 °C [68 °F]で約343メートル毎秒)である。 開口端補正を考慮したより正確な式は以下の通りである。 f = n v 2 ( L + 0.8 d ) {\displaystyle f={nv \over 2(L+0.8d)}} ここで、dは共鳴管の直径である。この式は、音波が開口端で反射されている厳密な点が管の端部に完全にあるのではなく、管の外側に少し離れたところにあるという事実を補正している。 反射率は1よりわずかに小さい。開口端は無限小の音響インピーダンス(障害、抵抗)のようには振る舞わない。むしろ、放射インピーダンスと呼ばれる有限値を持つ。この値は管の直径、波長、管の開口部の周りに存在する可能性のある反射板の種類に依存している。 したがって、nが1の時 f = v 2 ( L + 0.8 d ) {\displaystyle f={v \over 2(L+0.8d)}} f ( 2 ( L + 0.8 d ) ) = v {\displaystyle {f(2(L+0.8d))}=v} f λ = v {\displaystyle {f\lambda }=v} λ = 2 ( L + 0.8 d ) {\displaystyle \lambda ={2(L+0.8d)}} となる。ここで、vは音速、Lは共鳴管の長さ、dは管の直径、fは共鳴周波数、λは共鳴波長である。
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