不登校の契機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 10:08 UTC 版)
文部科学省による小・中学校を対象とした調査では、それぞれの生徒が「不登校になったきっかけと考えられる状況」が集計されている(複数回答可)。中学校で最も多いのは「無気力」で26.4%である。次がほぼ並んで「不安など情緒的混乱」の25.1%であり、以下、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が15.7%、「あそび・非行」が11.4%、「学業の不振」が9.5%などとなっている(以下省略)。小学校では、「不安など情緒的混乱」が最多で33.2%、次いで「無気力」が23.8%、「親子関係をめぐる問題」が20.2%、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が11.0%、「家庭の生活環境の急激な変化」が9.6%、「病気による欠席」が9.3%などであった(以下省略)。 「無気力」には、「怠学」から「うつ状態」までもが含まれ得る。「無気力」が必ずしも「なまけ」を意味するものではないことに注意しなければならない。うつ状態はもちろん、怠学についても、その背後に貧困や家庭環境の影響が無いとは言い切れないためである。また、「不安など情緒的混乱」は中学校で2位、小学校で1位となっており、メンタルヘルスの問題が不登校の契機として最も大きなものの一つとなっている。 前掲の「不登校になったきっかけと考えられる状況」のうち、「いじめ」は中学校で2.1%、小学校で1.9%に留まっている。いじめが不登校の主な契機の一つとなっている事実は確認されなかった。また、不登校を自ら選択する「意図的な拒否」も、中学校で4.7%、小学校で4.6%であり、上位には入っていない。 給食の完食指導を契機に不登校に陥る場合もある。支援団体には、小中学校で教員に給食の完食を指導されたせいで不登校や体調不良になったとの相談が延べ1000人以上から寄せられ、訴訟に至ったケースも出てきている。 その他、中学校では先輩・後輩といった厳しい上下関係(特に運動系部活動において)などといった人間関係の変化になじめず、それをきっかけに不登校に陥るケースもある。
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