下請法
別名:下請代金支払遅延等防止法
事業の下請け(製造委託)において、委託者側(親事業者)が下請け業者に対する優越的地位を濫用することのないように制定された法律。下請け取引きを公正化し、また下請け事業者の利益を保護することを目的とする。
下請法では、発注後に下請代金を不当に減額したり、値下げを図ろうとしたり、あるいは、親事業者の社内事務手続の遅れなどを理由として代金支払いを遅らせることなどが、禁止されている。
2012年3月には、大手100円ショップ「ダイソー」が下請け製造業者に対して本来の支払い額に満たない額しか支払っていなかったとして、「下請法違反」により公正取引委員会からの勧告をうけた。
関連サイト:
下請代金支払遅延等防止法 - e-Gov
下請法ポイント解説 - 中小企業庁
したうけ‐ほう〔‐ハフ〕【下請法】
下請代金支払遅延等防止法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/08 14:53 UTC 版)
下請代金支払遅延等防止法(したうけだいきんしはらいちえんとうぼうしほう)は、親事業者の下請事業者に対する優越的地位の濫用行為を規制する日本の法律である。本法による規制は日本における競争法の1分野を構成する。法令番号は昭和31年法律第120号、1956年(昭和31年)6月1日に公布された。通称下請法。
- ^ 金井・川濵・泉水(2006)321頁
- ^ a b 下請代金支払遅延等防止法施行令(平成13年1月4日政令第5号)において、情報成果物として「プログラム」が、役務として「運送」「物品の倉庫における保管」「情報処理」が定められている。
- ^ a b c 公正取引委員会「よくある質問コーナー」
- ^ 例えば、製造委託をする場合であれば、資本金が3億円以下の子会社
- ^ 『ポイント解説下請法』7頁
- ^ a b 『知るほどなるほど下請法』4頁
- ^ 『知るほどなるほど下請法』11頁
- ^ 下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準(平成15年12月11日事務総長通達第18号)
- ^ 『ポイント解説下請法』12頁
- ^ 『ポイント解説下請法』8頁
- ^ 『ポイント解説下請法』15頁
- ^ 金井・川濵・泉水(2006)325頁
- ^ 下請法勧告一覧(平成21年度以降)公正取引委員会
- ^ 勧告件数は以下の通り。2009年度はダイゾー・マルハニチロ食品・とりせんなど15件、2010年度は日産サービスセンター・トステムビバ・ドギーマンハヤシ・いすゞ自動車中国四国・西鉄ストアなど15件、2011年度は生活協同組合連合会コープ中国四国事業連合・タカキュー・はるやま商事・たち吉・大創産業など18件、2012年度はコナカ・生活協同組合コープさっぽろ・アイリスオーヤマ・ライトオン・ニッセン・日本生活協同組合連合会・サンゲツなど16件、2013年度は日本旅行・三共理化学・ヨークベニマルなど10件、2014年度はヒマラヤ・大創産業(2回目)・北雄ラッキー・マルショクなど7件。2015年度はゼビオ・大地を守る会など4件。2016年度はファミリーマート・農協観光・ニッド・プレナス・あらたなど11件。2017年度は久世・山崎製パン・タカタ・セブン-イレブン・ジャパン・伊藤園など9件。2018年度は小野建・全日本食品・サンリオ・柿安本店など7件。2019年度は森永製菓・LIXILビバ・東洋電装・サンクゼールなど7件。2020年度はリーガルコーポレーション・コモディイイダ・フジデン(本社:大阪府枚方市)・マツダの4件。2021年度はティーガイア・東京吉岡の2件。
- ^ ダイソー、下請け代金を不当減額…公取委勧告2012年3月27日 読売新聞
- ^ 株式会社ニッセンに対する勧告について (PDF) 平成24年9月20日 公正取引委員会
- ^ 通販大手ニッセン、下請法違反で勧告 支払い不当に減額2012年9月21日 朝日新聞
- ^ 日本生活協同組合連合会に対する勧告等について(PDFファイル)平成24年9月25日 公正取引委員会
- ^ ヒマラヤが下請法違反=不当返品など1億円-公取委2014年6月27日 時事通信
- ^ 売れ残り、下請けに不当返品…ダイソーに勧告2014年7月14日 読売新聞
- ^ 「ダイソー」が下請法違反=不当に返品、勧告2回目-公取委2014年7月14日 時事通信
- ^ 下請法の指導件数 7年連続で最多 公取委、16年度2017年5月24日 日本経済新聞 公取委によると、近年は下請け業者が書面調査に積極的に回答するようになっているほか、親事業者からの自発的な申告も増えているという。公取委は政府の中小企業対策が浸透し、これまで明らかにならなかった違反が表面化するようになっており、親事業者が不当に得た利益(不当利得)が公取委の指導や勧告によって下請け業者に返還されるなど、一定の効果を上げていると見ている。
- ^ ファミマ、下請けへの支払代金を不当に減額2016年8月25日 読売新聞
- ^ 下請法違反で「久世」に勧告=5000万円不当減額-公取委2017年4月27日 時事通信
- ^ 下請法違反、山崎製パンに勧告=コンビニ事業で不当減額-公取委2017年5月10日 時事通信
- ^ (平成29年7月21日)株式会社セブン-イレブン・ジャパンに対する勧告について平成29年7月21日 公正取引委員会
- ^ (令和元年9月27日)株式会社LIXILビバに対する勧告について令和元年9月27日 公正取引委員会
- ^ (平成30年5月7日)平成30年度「下請取引適正化推進月間」キャンペーン標語の一般公募について平成30年5月7日 公正取引委員会
- ^ 各種パンフレット下請法関係 公正取引委員会
- 1 下請代金支払遅延等防止法とは
- 2 下請代金支払遅延等防止法の概要
- 3 概要
- 4 禁止行為
- 5 取り締まり
- 6 脚注
固有名詞の分類
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