下痢型食中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/20 19:52 UTC 版)
下痢型は感染型食中毒(生体内毒素産出型)でウエルシュ菌食中毒に似た症状を呈する。本菌が芽胞形成などにより不活化することなく腸管に達すると、小腸内でHbI(heamolytic enterotoxin)、Nhe(non-heamolytic enterotoxin)、CytK(サイトトキシンK)などの2種類のエンテロトキシン型下痢毒を産生し食中毒症状が引き起こされる。菌の摂取後約8〜16時間で症状が現れ、約24時間続く。乳製品や野菜、肉類が原因となりやすい。2000年の雪印集団食中毒事件では、黄色ブドウ球菌が検出された製造工程のバルブなど2か所からセレウス菌も検出されている。この下痢型毒素本体はたんぱく質で出来ており、消化酵素・60℃以上加熱・強酸で容易に不活性化させることが可能なため、感染者に関わっても適切な毒素除去を行えば食中毒が拡散することはない。セレウス菌の生産するエンテロトキシンはブドウ球菌、病原大腸菌、ウェルシュ菌の毒素のエンテロトキシンと同じ名称であるが、異なった物質なので要注意である。
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