ロータンク式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 21:27 UTC 版)
便器のすぐ上、人間の腰元程度の高さにタンクを置き、直下の便器へ給水する方式。タンク上部を洗面器にしておき、給水される水を手洗いに使用することもできる。かつては便所の室内のコーナーに壁かけ、ハイタンク式同様給水管で便器と接続する隅付ロータンクが主流だったが、ハイタンク式が新たに作られなくなり互換性の必要がなくなったこと、ステンレスまたは真鍮のパイプが露出することに対する美観の問題、占有する面積が大きくなることなどから、便器の真上にタンクを載せた密結形が主流となった。その後、昭和60年代から近年まで戸建住宅水洗便所のほとんどを占めた。これらのロータンク式ではタンクの上部にはタンクの蓋の代わりに手洗い器を兼ねている水盆を置き、タンクの給水の一部の水が水盆上の手洗い部に出て来て、手を洗った水を便器の洗浄用に再利用するようにした仕組みである。この場合、節水効果が得られるだけではなく、トイレ内に個別に手洗い器を設けることを省略でき、しかも工事代も安く抑えることができるためにトイレを広く使用することができることから住宅や限られたスペースの狭い空間のトイレで広く採用されており、この形態は日本特有の方式である。便器の汚れ防止、除菌、便器〜配管の尿石防止付着のための薬剤を便器に供給するために薬剤をタンク内に投入したり、タンク上部手洗い用水盆部に薬剤を置いて薬剤を溶解させ便器洗浄水に薬剤を添加する場合が多い。これらは青色や緑色で着色されている薬剤も多く、洗浄をすると便器に青色や緑色の水が流れる。またこれらの洗浄薬剤は芳香剤も含んでいることも多く芳香剤代わりに薬剤を投入することも多い。
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