ロッキーズのチケット販売トラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 06:24 UTC 版)
「2007年のワールドシリーズ」の記事における「ロッキーズのチケット販売トラブル」の解説
ロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドでは第3〜5戦が開催されることになった。3試合合計で約6万枚のチケットが22日からインターネット販売にかけられたが、販売開始から90分で850万アクセスが集中したためシステム障害が発生し、チケットが数百枚売れたところで停止に追い込まれるトラブルが発生した。MLBアドバンストメディアの最高経営責任者(CEO)ボブ・ボウマンによると、ボットによる買い占めを阻止するためCAPTCHAを導入したところ、購入こそ防げたものの認証試行そのものを弾くようには設定されていなかったため、過度のアクセス集中が発生したという。販売システムの運用を球団から請け負っていたのは、カリフォルニア州アーバインに本拠を置くPaciolan社である。同社はロッキーズ以外にも複数のMLB球団を顧客としており、前年のナショナルリーグ地区シリーズでは最高で1分あたり817枚のチケット販売に同社のシステムが耐えた、とプレスリリースで発表している。同社CEOデーブ・バトラーは、今回のトラブルについて「ロッキーズ側の過失ではありません。我々は全力を挙げて解決に取り組んでいます」と述べた。 翌23日にインターネット販売が再開されると、5万枚以上のチケットが2時間半ほどで売れていき、今度は大きなトラブルもなく完売した。クアーズ・フィールドの収容人数は約5万人のため、今シリーズ3試合で約15万人の動員が見込まれる。そのうち1試合あたり約3万枚、3試合合計で約9万枚のチケットは、シーズンシート保有者や両球団およびMLB機構の関係者などに割り当てられていた。残り約6万枚の販売方法をインターネットに限定したことについて、ロッキーズのファンからは「入手の機会を他都市や海外の人間と平等にするなんて、地元のファンを蔑ろにしている」と不満の声も挙がった。実際にレッドソックスの地元ニューイングランド地方では、本拠地フェンウェイ・パークのチケットを買うよりも、コロラド州デンバーへの交通費と現地宿泊料金、そしてクアーズ・フィールドのチケット代を合わせたほうが安上がりになるため、一部のファンが敵地チケットの購入に乗り出していた。クアーズ・フィールドのチケット売り場ではこの日、球団が方針を転換して窓口販売を始める可能性に備え、待機するファンの姿があった。 ロッキーズ球団社長ケリー・マクレガーは「我々のウェブサイト、もっと言えば我々のファンも我々自体も、外部からの悪意ある攻撃の被害者だ」と話した。この件について27日、連邦捜査局(FBI)が捜査を開始した。FBI長官ロバート・モラーは11月、ペンシルベニア州立大学での講演で「コンピューターテクノロジーへの我々の依存ぶりと、サイバー攻撃の深刻さを際立たせた一件」としてこのトラブルに言及した。ただ、マカフィーの研究者デーブ・マーカスは「私ならこれを『悪意ある』とは表現しません。ひとりあたりの購入制限枚数を超えてチケットを手に入れようとした誰かが、その手続きを自動化させただけのことです」と、Paciolanのコンフィギュレーションに問題があると指摘した。
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