リンパ球変異型好酸球増多症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:01 UTC 版)
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詳細は「リンパ球変異性好酸球増多症(英語版)」を参照 リンパ球変異型好酸球増多症(lymphocyte-variant hypereosinophilia)は、サイトカインを産生する特定のT細胞表現型の異常集団の拡大に起因する疾患である。この疾患は、表現型的には好酸球は正常に見えるが、異常T細胞リンパ球の産生に関してはクローン性である。表現型が異常なリンパ球は、骨髄の好酸球前駆細胞の増殖および成熟が刺激される事で異常な機能を示すが、研究例では、好酸球前駆細胞がインターロイキン-5、インターロイキン-3、またはインターロイキン-13(英語版)を過剰に産生する事に起因すると考えられている。この疾患は通常は緩徐進行型であるが、稀にT細胞リンパ腫(英語版)やセザリー症候群に進行する事がある。リンパ腫に進行する過程で、T細胞に6番染色体短腕や10番長腕の部分欠失、7番の過剰(トリソミー)といった異常が蓄積したり、CD3(英語版)陰性、CD41(英語版)陽性の免疫表現型を持つリンパ球が増殖する事がある。この疾患の治療に関する報告は稀である。異常なCD3陰性・CD41陽性の免疫表現型を持つ16人のリンパ球変異型酸球増多症患者の研究では、コルチコステロイドの良好な反応は良好であったが、16人は最終的にコルチコステロイド代替薬を必要とした。ヒドロキシカルバミドやイマチニブは、クローン性好酸球増多症や慢性好酸球性白血病の多くの症例に比べて、このタイプの好酸球増多症には効果が期待できない。
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