リンパ管の一般構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 03:17 UTC 版)
リンパ管の一般構造は血管の構造をベースとしている。内壁面は上皮組織型の平坦な細胞1層からなる上皮が覆い、その細胞は内皮細胞と呼ばれる。この細胞層は液を機械的に運搬する役割をもつ。その下には基底膜があるが不連続なつながり方なので液漏れが多い。内皮細胞のまわりをぐるっと取り巻いて平滑筋の層があり、縮まったり(収縮したり)緩んだりして内腔の口径を変化させる。最も外側の層は繊維性の組織からなる外膜である。ここに説明した一般構造は大きなリンパ管にのみ見られるものである。小さなリンパ管には数少ない層しかない。最も小さな管(毛細リンパ管)には筋層と外側の外膜がない。これらは先に伸びて行くと他の毛細管と合し、そうするうちに成長して太くなる。そしてまず外膜をまとい、次に平滑筋をまとう。 リンパ液の導管系は大まかに言って2種類の管からなる。起始部リンパ管として専ら組織液からリンパ液を集める機能をもった前リンパ管あるいは毛細リンパ管が一つ。もう一つはリンパ液(管内リンパ)を流れさせる大リンパ管である。 心臓血管系と違ってリンパ系は閉鎖系ではなく、中枢ポンプももたない。リンパ液の流れは蠕動、弁、近くの骨格筋が収縮する際の圧縮作用、動脈の拍動による。これらによる圧力は弱いにも拘わらず流れは起きる。
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