メディア・諸団体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 19:29 UTC 版)
「気候研究ユニット・メール流出事件」の記事における「メディア・諸団体」の解説
多くのメディア(タイム, エコノミスト, ワシントンポスト, BBC等)や科学誌は、メールには不正の証拠は見られないとしている。「社会主義者の邪悪な陰謀(evil socialist plot)を信じる人が多いようだ」(ネイチャー誌社説)などの揶揄が見られる。タイムはCRUのデータと他の機関のデータを並べて表示し一致することを示し、事件は科学的なものでなく政治的なものであるとした。Scientific American(日経サイエンス)は、トリックの語は工夫の意に解釈でき、メールにデータ改竄を示すものはなく、またたとえCRUのデータを除外しても結果が変わらないのであり、事件は温暖化の科学的議論には影響を与え得ないとした。その一方、信頼性や不確実性が確認しやすいよう、研究者がデータをより積極的に開示するべきとも指摘されている。 科学ライターのジョージ・モンビオ(George Monbiot)は、3~4人の研究者の問題行為が明らかになったとしたが、それが温暖化を否定する証拠かについては「Not at all(全く違う)」と強く否定している。 AP通信は複数の科学者や研究倫理の専門家に意見を求める本格的調査を行った。科学者の見解としては、人為温暖化の事実は全く揺らがず、データ捏造を示すものはないことが示された。また、渦中の科学者の態度は排他的であると言えるが、異常とまではいかない("This is normal science politics, but on the extreme end, though still within bounds")という見解を示した。 消費者のために噂の真偽等を判定する非営利ウェブサイトとして知名度の高いFactCheck.org(英語版)はこの事件について、メールから明らかになったのは研究者の失礼な態度くらいであり、懐疑派は主張に合うよう事件を歪曲して伝えている、またCRUのデータはIPCCが利用するデータのほんの一部でしかないので温暖化の科学的事実には関係ない、と判定した。 『憂慮する科学者同盟』 (The Union of Concerned Scientists)は2009年2月に声明を発表し、本件で取り上げられた中国の気温のデータは信頼性があり、地球温暖化の事実とも整合すると指摘している。また一部の学者達による一連の攻撃はでっち上げ(manufactured)であり、IPCCの結論には疑問の余地が無い(indisputable)と指摘している。
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