マルサスモデル
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マルサスモデル(英語: Malthusian model[1])とは、ある生物の個体数ないしは個体群サイズの指数関数的な増加あるいは減少を記述する数理モデル。1798年にトマス・ロバート・マルサスが発表した『人口論』でこの考えが示されたことにその名を由来する[2]。広義には、『人口論』でマルサスが主張した人口原理に基づく、人口と経済の相互関係モデルも含める[2]。
- ^ 人口研究会 2010, p. 281.
- ^ a b c 人口研究会 2010, p. 282.
- ^ 巌佐 1990, p. 3.
- ^ 巌佐 1990, pp. 3–4.
- ^ 日本数理生物学会 2008, p. 61.
- ^ 寺本 1997, p. 5.
- ^ a b 日本数理生物学会 2008, p. 62.
- ^ マレー 2014, p. 1.
- ^ 寺本 1997, p. 6.
- ^ 伊藤嘉昭『生態学と社会―経済・社会系学生のための生態学入門』(初版)東海大学出版会、1994年、43頁。ISBN 4-486-01272-0。
- ^ 寺本 1997, pp. 4–5.
- ^ マレー 2014, p. 37.
- ^ 寺本 1997, p. 11.
- ^ マレー 2014, p. 38.
- ^ マレー 2014, pp. 2–3.
- ^ 寺本 1997, p. 9.
- 1 マルサスモデルとは
- 2 マルサスモデルの概要
- 3 参考文献
マルサスモデル
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「ロジスティック方程式」の記事における「マルサスモデル」の解説
「マルサスモデル」も参照 多くの生物では、親は多くの子孫を作るので、それがそのまま生き残ると仮定すれば、あっという間に莫大な個体数となる。ねずみ算など、数学的小話の種である。まずはこのような単純なものが、生物個体数の増加モデルとして考えられる。 ある個体群において、時刻 t に個体数が N 体が存在しているとする。実際の生物個体数は不連続な値(整数)をとるものであるが、数学的扱いを簡便にするために、個体数は連続な値(実数)をとるものとする(1.5体といったような値も含める)ことがしばしば行われる。実際の生物でいえば、個体数が多かったり各個体の世代が重なったりしていれば、このような近似も妥当性を帯びてくる。個体数を連続な値とすれば、個体数の増加率は N の時間微分 dN/dt で表すことができる。 さらに話を単純化するために、個体は環境を出入りしないという状況を想定する。この場合、個体の出生と死亡という2つの要因のみによって個体数は増減する。個体群の出生率が死亡率を上回っていれば、個体数は増え続けるということになる。さらに簡略化するために出生率と死亡率を常に一定であるとする。個体数当たりの出生率を b、個体数当たりの死亡率を d とすれば、個体数の増加率は差し引きした b − d に個体数 N を掛け合わせた値となる。よって個体数増加率 dN/dt は d N d t = m N {\displaystyle {\frac {dN}{dt}}\ =mN} という微分方程式で表される。ここで m は比例定数であり、m = b − d である。 このような式で表される個体数増加は t の指数関数となり、人間でいえば、あっという間に人口爆発を引き起こすことになる。このような個体群成長のモデルは、生物個体(人口)の増加が幾何級数的であることを最初に指摘したトマス・ロバート・マルサスに因んでマルサスモデルと呼ばれる。比例定数 m もマルサスの名からマルサス係数と呼ばれ、単位は一個体当たりの増加率となる。 しかし、このモデルは現実と違いすぎる。現実の生物は、限られた環境下で生息しており、個体数が多くなると、各個体にとって必要な資源が得にくくなる。そこに生息できる個体数には上限があると見るのが自然である。つまり、個体数が多くなると、その増加にブレーキがかかるものと想像される。このような一種内での資源の取り合いは種内競争と呼ばれ、生物における競争関係の一種である。
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