マデイラ島への配流、崩御とは? わかりやすく解説

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マデイラ島への配流、崩御

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 04:29 UTC 版)

カール1世 (オーストリア皇帝)」の記事における「マデイラ島への配流、崩御」の解説

11月19日午後3時カール夫妻乗せた英国軍艦は、大西洋に浮かぶポルトガル領マデイラ島到着したカール夫妻島民温かく迎えられ中心都市フンシャルに「ヴィラ・ヴィクトリア」という比較快適な住居与えられた。しかし皇帝一家財産尽きかけており、翌1922年2月中旬には劣悪な環境山荘転居せねばならなかった。ツィタ日記によればマデイラ島上陸数日後英国領事から「もしカール正式に退位するならば、旧ハプスブルク諸国没収されている皇室財産返還するだけでなく、英国経済的援助惜しまない」といった内容の手紙が届いた。しかしカールは「私の帝冠換金できるものではないと、皆さんお伝えください」と返事送ったという。 やがてバター買えず、ベビーシッター給料も3ヶ月未払いになるほど皇帝一家困窮した当時随員のひとりは、皇帝一家困窮した生活を次のように回想している。 電気もなく、トイレも一ケ所で住居は非常に手狭だった。暖房用に生木使われたため、煙がいつも立ち込めていたが、それでも暖房不可欠だった。太陽もあまり当たらないので、フンシャルの生活が懐かしく思われた。ここでは部屋中がいつもカビだらけだった。(中略皇帝夕食にも肉料理食べることができず、野菜クヌーデルだけの粗末な食事だった。また皇妃出産には助産婦医師もおらず、やってきたのは未経験保母ひとりだった。 3月9日、四男カール・ルートヴィヒ4歳誕生日プレゼント買いたいという子供たち連れてフンシャルに出かけた。このときカール風邪をひいてしまったが、医療費が心配で、医者診察を受けなかった。風邪はしだい悪化していき、そのうちカール呼吸困難に陥ってしまった。ツィタ慌てて医者呼んだが、すでに片肺侵されているとの診断下された治療の甲斐なく、やがてカールは両肺を侵されてしまった。カール病床で「自分は、わたしの人民たちがもう一度一緒になれるように、苦しまなけれならない」とツィタ語ったといわれるカールツィタに「これからスペイン国王アルフォンソ13世頼みとしなさい、彼は私の家族助けてくれると約束してくれた」「私がハンガリー王でないという宣言無効だ」と遺言し1922年4月1日12時23分に崩御した。享年34。なお、アルフォンソ13世は、カール死去した晩にどういうわけかツィタ子供たち面倒を見なくてはという義務感突如取りつかれたと後に述べている。葬儀には3万人参列したという。 カールの死から60年以上が経った1989年3月14日ツィタ96歳で死去した4月1日シュテファン大聖堂葬儀営まれたが、この日程マデイラ島カール死去した1922年4月1日合わせてのものだったツィタ心臓とともにカール心臓も壺に入れられムーリ修道院安置されている。心臓以外のカール遺骸は、いまだマデイラ島フンシャルにある。皇帝カプツィーナー納骨堂地下室には、代わりとしてカール胸像安置されている。

※この「マデイラ島への配流、崩御」の解説は、「カール1世 (オーストリア皇帝)」の解説の一部です。
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