ブラッター会長の動き
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「2015年FIFA汚職事件」の記事における「ブラッター会長の動き」の解説
2015年6月2日、アメリカの司法当局がFIFAのブラッター会長を捜査の対象に加えている事がわかり、その同じ日である、2015年6月2日に、5月28日にFIFA会長選で5回目の当選を果たしたばかりだった、FIFAのブラッター会長が辞意を表明した。ブラッター会長は声明の中で「FIFAとサッカーに最善のことだけをしたい」と述べ、「FIFAのメンバーに(会長の)任務を与えられたが、ファンや選手らを含むすべてのサッカー界から与えられた任務ではないと感じた」として、今回の汚職事件の責任をとるべきという外部の意見に配慮した形となった。 しかし、12月のFIFA会長選までブラッターが会長職を務めることについては2015年6月5日にFIFAのヨハンソン元副会長が「彼はすぐに去るべきだ。われわれはクリーンであることを求められている」と述べたり、汚職を監視しているNGO法人のトランスペアレンシー・インターナショナルも「ブラッター会長は新しいFIFAを監督することはできない。今退陣すべきだ」との声明を発表したりと、早期退陣を求める意見がある。しかも、ブラッター会長が受け取る退職金が1020万ポンド(日本円でおよそ19億4820万円)、年金の方も40万ポンド(日本円でおよそ7640万円)となっていて、これを報じた2015年6月5日付のイギリスの新聞であるザ・サンは「汚職疑惑の責任を取らされる形で辞任するにもかかわらず、超破格の退職金などを受け取れば、サッカー・ファンのさらなる怒りを買うだろう」と指摘している。 これについては、2015年5月29日に行われたFIFA総会にてFIFA副会長の就任を承認されたものの、「ブラッター会長の指導力を信頼できない」という理由で2015年5月30日に辞意を示していた、フットボール・アソシエーションのギルがFIFA副会長の復帰を考えることをイングランドサッカー協会の公式サイトにて明らかにし、「私の辞任は公式に承認されておらず、FIFAに明るい未来をもたらす手助けを喜んでしたい」としていた。 2015年6月7日付のドイツの新聞・ビルトが伝えているところによれば、FIFAが加盟している209のサッカー協会に対し、今回のブラッター会長の再選について、「感謝の意」を述べると同時に「総会後も依然としてFIFAは強い圧力の下にあり、私はFIFAへの圧力を取り除くために会長職からの退任を決めた。FIFAという機関とサッカーそのものを保護するのが、私には大事だ」という趣旨の手紙をブラッター会長自身が送ったことを明らかにした。 2015年6月13日付のスイスの日曜紙であるシュバイツ・アム・ゾンターク(ドイツ語版)の電子版が、FIFAのブラッター会長に最も近い関係者の話として、ブラッター会長が辞意を撤回するのではないかと伝えている。また、この関係者は、FIFAに加盟しているアジアとアフリカの中にあるサッカー協会の中に、ブラッター会長を支援して、早く辞任することを阻もうとする動きがあって、ブラッター会長も続投を否定していないという。しかも、2015年6月15日付のイギリスのSky Sportsが、ブラッター会長に、最も近いアドバイザーで、この度の会長選挙で活躍をしていた側近の話として伝えたところによれば、FIFAのブラッター会長が、一転して、辞意を撤回した上で、会長にとどまる可能性があると語っていて、その根拠として、ブラッター自身が納得できる後任候補がいない場合、続投を検討するという。その理由として、このアドバイザーは「アジアとアフリカから支援のメッセージを受けた。現時点で語学力やサッカー界の知識においてブラッター会長と同レベルの候補者は出ていない」としている。 これについて2015年6月14日、FIFAの監査委員会のスカラ委員長が「ブラッター会長は辞任の約束を破るべきではない」と話している。 2015年6月17日にブラッター会長がアメリカの弁護士で、かつての連邦検事だったリチャード・カレンと契約を締結した。 2015年6月26日に、ブラッター会長はスイスの新聞・ブリックでのインタビューで会長職について「辞任したわけではない」とした上で、「私自身のことも、事務所の処遇も、FIFA総会の判断にゆだねる」としていたが、6月27日のスイスの新聞である「Walliser Bote」のインタビューでは「私は候補者ではないが、選出された会長だ」とした上で、「会長職から身を引いた際にはどうするのか」については「現在のところはそれについて考えていない」とし「私の退任の決断は、FIFA、そして私自身を解放するものだ」とした。
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