フォード・GT用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 15:16 UTC 版)
「フォード・チャレンジャーV8」の記事における「フォード・GT用」の解説
コブラ用のウェーバー・2バレルキャブレター4基型を欧州の燃料で稼働できるように調整してGTへ転用したものであり、最低限の必要機数のみ特別製造され、そのうちの1機は排気量増加型 (5.35リットル型、後述) である。 GT運用開始時からの動力であったプッシュロッド「インディアナポリス」GT (以下、「インディアナポリス」) は1964年前半の競技運用の結果、高性能 (軽量、高出力) ではあるもののメインベアリング基部を構成する隔壁の耐久性に不安要素が確認されたため、これに代替する動力として、7月のランス国際12時間から参加3車両のうち1車両で試用が始まり、これ以降完全代替して1965年6月のル・マン24時間まで運用された。後にFIA公認を取得するエンジン (GT40用、後述) の技術試験台としての役割を果たした。 軽合金で構成されている「インディアナポリス」に比べ50 kg以上重くなるが、出力で35英馬力 (26 kW) 上回る公称385英馬力 (287 kW) を600 rpm前後低い回転数で発生するため、扱いやすさと耐久性で利点があった。トランスミッションは「インディアナポリス」と同じコロッティ・4速トランスアクスルで運用を始めるが、故障が多かったため1965年4月のル・マン24時間サーキット試走会から1機にZF・5速フルシンクロトランスアクスルの試用が始まり、5月のADAC1000キロメートルレースから全機がこれに換装した。またコブラではウェットサンプであった潤滑方式はドライサンプに変更されたが、1965年から再びウェットサンプに戻すことで「インディアナポリス」との重量差を18 kgまで償還できた。
※この「フォード・GT用」の解説は、「フォード・チャレンジャーV8」の解説の一部です。
「フォード・GT用」を含む「フォード・チャレンジャーV8」の記事については、「フォード・チャレンジャーV8」の概要を参照ください。
- フォード・GT用のページへのリンク