ニューヨーク定住以後とは? わかりやすく解説

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ニューヨーク定住以後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 02:59 UTC 版)

河原温」の記事における「ニューヨーク定住以後」の解説

1962年末にメキシコを後にした河原は、アメリカに8か月ほど滞在した後、パリにしばらく滞在し1965年からはニューヨーク拠点活動するうになる。この時期には、文字記号による作品取り組んでいる。この時期作品としては、1964年パリニューヨークで制作したドローイング196現存)、1965年作の"Title"、同年作の"Location"などがある。"Title"と"Location"は、いずれもキャンバス上に白抜き文字活字体で「描いた作品で、翌1966年から開始する日付絵画」との関連注目される作品である。"Title"は、1965年東京国立近代美術館開催された「在外日本作家展」に河原出品したもので、マゼンタ色に塗られ3枚キャンバスからなり中央のキャンバスには"1964"、左と右のキャンバスにはそれぞれ"ONE THING"、"VIET - NAM"の文字が白の絵具で「描かれ」ている。"Location"は、黒地キャンバスに白の文字で"LAT. 31°25' N LONG84°1'E"(北緯3125分、東経84度1分)とある。これはサハラ砂漠上のある1地点緯度経度表したものだが、この1点制作されたのみでシリーズ化しなかった。 1965年東京国立近代美術館開催された「在外日本作家展」に、河原文章による「作品」を発表している。『あるカタログのための意味配列』と題されたこの「作品」は、テレビの時代における美術とは何かという河原美術論を、縦33字×横33字の正方形文字列として表したのである。同展のカタログには、この文章活字による印刷ではなく、他の美術作品同様に写真図版として掲載されていた。河原美術に関する自分の考え日本語文章として発表したのはこれが最後となった1966年以降河原活動は、「日付絵画」を中心とした、時間空間テーマとした作品収斂していく。 美術評論家本間正義は、1965年6月ある日河原ニューヨークアトリエ訪問した本間その時模様を『美術手帖』誌に寄稿している(本間正義その後河原温」『美術手帖260号)。この記事には当時河原肖像写真載っているが、この時が河原インタビューおよび写真撮影応じた最後機会思われる1966年(「日付絵画制作開始した年)以降河原は、作者自身存在や生を制作主要テーマしながら作者自身が表に出てくることは全くなくなった。河原自分展覧会オープニング等にも出席することはなく、1966年以降インタビュー肖像写真等は存在しない展覧会カタログ載せる作者経歴」は、河原誕生から展覧会開催当日まで生きた日数を記すのみで、その他の経歴一切省かれている。たとえば、1998年東京開催され回顧展河原温 全体部分1964 - 1995」のカタログには"23,772days(Jan. 24, 1998)"とあり、展覧会初日1998年1月24日までに河原生きた日数23,772日だという事実のみが記されている。この「作者本人が姿を見せない」という姿勢徹底しており、表現活動一環とも思われる多くの「コンセプチュアル・アート」の作家たちが1970年代以降作風視座転換する中、河原コンセプチュアル・アート共鳴した日から死まで作風変えなかった。

※この「ニューヨーク定住以後」の解説は、「河原温」の解説の一部です。
「ニューヨーク定住以後」を含む「河原温」の記事については、「河原温」の概要を参照ください。

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Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの河原温 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

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