ジシランとは? わかりやすく解説

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ジシラン【disilane】

読み方:じしらん

珪素(けいそ)の水素化物シラン一つ無色気体猛毒空気中で容易に自然発火する。半導体太陽電池など高純度珪素製造原料となる。シリコエタン化学式Si2H6


ジシラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 17:44 UTC 版)

ジシラン
識別情報
CAS登録番号 1590-87-0
日化辞番号 J43.086B
特性
分子式 H6Si2
モル質量 62.219 g/mol
外観 無色気体
密度 2.7 g/cm3
融点

−132 ℃

沸点

−14 ℃

への溶解度 不溶性、ゆっくり分解
構造
双極子モーメント 0 D
危険性
主な危険性 空気中では室温で発火
発火点 15 °C
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジシラン: disilane)はケイ素水素からなる化合物で、常温・常圧では気体である。エタンのケイ素類縁体であり、反応性ははるかにジシランのほうが高い。一般式 Si2X6 の形で表される化合物群(Xは水素原子、ハロゲン、アルキル基、アリール基など)はジシランを母化合物とする誘導体であるが、それらを単にジシランと呼ぶ場合もある。刺激臭、不快臭を有する。

合成

ケイ化マグネシウムの加水分解によって調製できる。この反応ではシラン、ジシラン、さらにトリシランが生成する。シランの合成法としては使われなくなったが、ジシランの発生法としては利用される[1]。この方法でシランを製造すると、痕跡量のジシランが混在することになり、生成物が自然発火する原因となりうる。

有機ケイ素化合物の工業的製造法であるミュラー・ロショー法 (Müller-Rochow process) では、主に からなる不揮発性のジシラン誘導体が副生物として生成する。

用途と反応

ジシランやシランはおよそ640°Cで分解し、アモルファスシリコンを与える。この反応は化学気相成長法として太陽電池の材料[1]、特にシリコンウエハーの製造などに応用されている。

一般的に、有機ジシランはクロロシランの還元的ホモカップリングによって合成される。

脚注

  1. ^ a b Arkles, B. (1997). Silicon Compounds, Silanes. Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology. New York: John Wiley & Sons. doi:10.1002/0471238961.1909120101181112.a01 


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