シンガポールのZ部隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 05:27 UTC 版)
「エクスプレス (駆逐艦)」の記事における「シンガポールのZ部隊」の解説
シンガポール時間での12月8日早朝、この基地は日本の航空機からの攻撃を受けた。「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」は対空砲火で反撃した。航空機は撃墜されず、また艦も損害を受けなかった。日本軍による真珠湾攻撃とタイへの侵攻の報告を受け取った後、17時30分、Z部隊は海に出た。この時のZ部隊は「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」、これらを護衛する駆逐艦「エレクトラ」、「エクスプレス」、「ヴァンパイア」、「テネドス」によって構成されていた。12月9日の18時30分頃、テネドスは自らの限定的な燃料積載量のため、シンガポールに戻るべく艦隊から分かれた。この夜、エレクトラは北方に照明弾を視認し報告している。 これはイギリスの艦隊が南東方向に動く原因となった。この照明弾は、日本側の航空機により自らの艦隊の上に誤って投下されたもので、日本の兵力が北東に動く原因となった。この地点における両軍は、わずか約8kmを隔てていた。 20時55分、フィリップス提督は作戦行動を取りやめ、艦隊にシンガポールへの帰投を命令した。帰途、彼らは日本軍の潜水艦「伊58」によって視認され、報告された。翌朝12月10日、Z艦隊は日本軍がクアンタンに上陸したという報告を受け取り、「エクスプレス」はこのエリアを索敵するために派遣されたが何も発見しなかった。午後、「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」はクアンタン沿岸で日本軍航空機85機によって攻撃され、沈没した。レパルスが20分間に魚雷5発を受けて沈んだ後、日本軍機はイギリス駆逐艦に以下のように打電した。「ワレの任務は完了せり。救助活動を続行されたし!」日本軍機は攻撃を止めて、その救助活動を妨害しなかった。「エクスプレス」が「プリンス・オブ・ウェールズ」の生存者を救う一方、「エレクトラ」と「ヴァンパイア」は「レパルス」の生存者を救い出すために動いた。3隻の駆逐艦は総計1,000名以上の生存者を「プリンス・オブ・ウェールズ」と「レパルス」から救い出した。 修理のため母国へ帰還するまで、「エクスプレス」はイギリス東洋艦隊の一隻として1942年をインド洋にて費やした。
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