行政教区
行政教区(ぎょうせいきょうく)は、いくつかの国で採用されている行政区画である。
概要
キリスト教の教会の小教区(英: parish)に由来する区画で、パリッシュ(英: parish)と呼ばれる。
イギリス(ウェールズを除く[1])やアイルランドでは、教会の小教区と区別するためにシヴィル・パリッシュ(英: civil parish)とも呼ばれる。
位置づけは国や地域によって異なり、地方自治体であるものもあれば、自治体内の区画であるものもある。米国ルイジアナ州のパリッシュは複数の自治体を含み、日本語では「郡」と訳される。
一覧
国および地域 | 呼称(原綴は英語版にリンク) | 注釈 | |
---|---|---|---|
アンドラ | パロキア Parròquia | ||
アンティグア・バーブーダ | パリッシュ Parish | ||
オーストラリア | パリッシュ Parish | [2] | |
バルバドス | パリッシュ Parish | ||
バミューダ諸島 | パリッシュ Parish | ||
カナダ | ニューブランズウィック州 | パリッシュ Parish | |
プリンスエドワードアイランド州 | パリッシュ Parish | ||
ケベック州 | パリッシュ・ムニシパリティ Parish municipality | ||
カーボベルデ | フレギジーア Freguesia | ||
ドミニカ国 | パリッシュ Parish | ||
エクアドル | パロキア Parroquia | ||
エストニア | ヴァルド Vald | ||
グレナダ | パリッシュ Parish | ||
ガーンジー | パリッシュ Parish | ||
アイルランド | シヴィル・パリッシュ Civil parish | ||
ジャマイカ | パリッシュ Parish | ||
ジャージー | パリッシュ Parish | ||
ラトビア(過去) | 教区 Pagasts | ||
マカオ | 堂区 / フレギジーア 堂區 / Freguesia | ||
マン島 | パリッシュ Parish | ||
モントセラト | パリッシュ Parish | ||
ポルトガル | フレギジーア Freguesia パロキア・シヴィル Paróquia Civil | ||
ロシア | プリコド Приход | ||
セントクリストファー・ネイビス | パリッシュ Parish | ||
セントビンセント・グレナディーン | パリッシュ Parish | ||
スペイン | アストゥリアス州 | パロキア Parroquia | |
ガリシア州 | パロキア Parroquia | ||
イギリス | イングランド | シヴィル・パリッシュ Civil parish | [3] |
北アイルランド | シヴィル・パリッシュ Civil parish | ||
スコットランド | シヴィル・パリッシュ Civil parish | ||
ウェールズ(過去) | シヴィル・パリッシュ Civil parish | ||
アメリカ合衆国 | ルイジアナ州 | パリッシュ(郡) Parish | |
サウスカロライナ州(過去) | パリッシュ Parish |
脚注
- ^ ウェールズのシヴィル・パリッシュは、1974年の制度改革により「コミュニティ」Communityになった。
- ^ “Parish and historical maps”. Land & Property Information. Government of New South Wales (2012年). 2015年1月5日閲覧。
- ^ “In praise of ... civil parishes”. The Guardian. (2011年5月16日)
シビル・パリッシュ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 23:39 UTC 版)
「スコットランドの地方行政区画」の記事における「シビル・パリッシュ」の解説
シビル・パリッシュ(civil parish、行政教区) はスコットランド国教会の教区(パリッシュ)を起源とする区画であり、全スコットランドに871ある。スコットランドのシビル・パリッシュは、イングランドのシビル・パリッシュと異なり、自治体ではない。 1845年、救貧法実施との関係から、教区(パリッシュ)を単位として教区委員会(parochial boards)という行政機関が設置され、地域の出生・結婚・死亡などの記録を扱った。その後管轄範囲の統廃合や再編がすすめられた結果、行政区画としてのパリッシュ(シビル・パリッシュ)は教会の教区とは一致しなくなった。1891年、シビル・パリッシュの境界が郡(カウンティ)の境界と一致するよう再編が行われた。これにより、カウンティが複数のシビル・パリッシュを内包して管轄下に置くような形となった。1894年には教区委員会に代わり、公選制のパリッシュ・カウンシル(parish council)が置かれた。1930年にパリッシュ・カウンシルは廃止され、これ以後シビル・パリッシュを単位とする自治体は置かれていない。1975年に導入されたコミュニティ・カウンシル(community council)にはシビル・パリッシュをもとにつくられたものもあるが、必ずしも一致するわけではなく、またコミュニティ・カウンシルには自治権もない。 シビル・パリッシュと現在の行政区分の境界線は必ずしも一致しておらず、複数のカウンシル・エリアにまたがるシビル・パリッシュもある。シビル・パリッシュの境界は19世紀末に確定して以来変化していないため、現在も統計に使われる。このほか、EUの共通農業政策における産地表記などに使われている。 一覧は en:List of civil parishes in Scotland 参照。
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