コンピュータの時刻処理に関わる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 21:26 UTC 版)
「年問題」の記事における「コンピュータの時刻処理に関わる問題」の解説
「en:Time formatting and storage bugs」も参照 コンピュータは記憶装置の容量や処理能力がいくら大きくとも原理的に有限の数字しか扱えず、想定していない日付を扱おうとした場合や、特定の年月日や時刻になった場合に誤作動を起こす(オーバーフロー、桁あふれ)。このシステム時刻処理に関する問題は、現代のように生活のあらゆる部分にITが行き渡っている時代には、思わぬところで思わぬ問題を起こしかねない。 日本で初めてコンピュータ内部の「年」に関する問題が起こったのは、1989年1月7日に昭和天皇の崩御によって元号が「昭和64年」から「平成元年」に変更された時である。特に公文書などで元号の変更を想定していなかったシステムが多数あったことから、問題が顕在化した。この他、年数を下2桁だけで処理していたシステムの中には、「昭和Y年」または「平成Y年」とみなして処理するものがあり、これにより誤動作が起きる場合もあった。 2000年問題(後述)では、事前に各企業が大量の経費を投入してシステムのチェックを行った上で、2000年が到来した瞬間には多数のソフトウェア技術者が何かあった時のために待機するなどの体制が取られ、世界的な社会現象となった。 なお年問題は、未来の日付を取り扱う必要が出てくると、その年に先んじて問題が顕在化することもある。例えば、10年更新の保険契約を扱う場合は10年前に誤動作が起こりうる。また、未来の日付を取り扱わない場合でも、計算の都合などで時間を数倍することがあり、それにより誤動作が起こりうる場合も存在する。
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