コレステロールの低減
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 15:25 UTC 版)
「フィトステロール」の記事における「コレステロールの低減」の解説
コレステロールが摂取量の40%以上が小腸から吸収されるのに対し、植物ステロールは吸収率が5%以下でありコレステロール吸収を阻害する。食品の成分や添加物として、フィトステロールはコレステロールを減少させる(腸でのコレステロール吸収を抑える)作用を持つとされ、また、がんの予防に効果がある可能性があるとされる。フィトステロールは天然には植物油中、特にシーバックソーン油 (1640mg/100g) や大豆油 (327mg/100g) に存在する。植物油から取り出されるフィトステロール混合物としてコレスタチン (cholestatin) が知られる。これはβ-シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール(英語版)、ブラシカステロールからなり、サプリメントとして販売されている。ステロールはヒトのコレステロールを最大15%減少させるとされている。 フィトステロールがコレステロールを減少させる作用は、消化器中のミセルにコレステロールが取り込まれるのを防ぎ、その吸収量を減らすことによっておこる。これにより血中のコレステロール濃度やLDL濃度の低下を助ける。こんにち、コレステロールを減らしたい人向けに、マーガリン、バターなどのスプレッドやシリアル食品にフィトステロールを添加したものが販売されている。 ただしシトステロール血症と呼ばれる極めて稀な遺伝性代謝疾患のあるヒトは植物ステロールを添加した食品を避けたほうが良い。なぜならばこの疾患をもつヒトは植物ステロールの吸収率が高く、早期のアテローム性動脈硬化症と心臓病を引き起こす可能性があるためである。もっとも2011年現在、世界中で報告されているシトステロール血症例はわずか45例で、その全ては厳密な医療監視下にある。
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