ケーブルで音が変わるという説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 02:59 UTC 版)
「江川三郎」の記事における「ケーブルで音が変わるという説」の解説
ケーブルとは、スピーカーケーブル、電源ケーブル、オーディオ機器を接続するケーブルなど、全てを指す。 「ケーブルで音が変わる」という説は未だに科学的に立証されていない。ケーブルによって信号波形が変化する事は、理論的には自明である。まず電気抵抗は小さいほうが、波形への影響も小さいとされるため、ケーブルには銅、稀に高級なものには銀が使われるのが常識であり、鉄やアルミニウムのような電気抵抗が大きなものは素材として使われない。高周波は電線の表面を流れるため、単線よりも細い線を縒りあわせたもののほうが伝導性が高いというのは、理論的には正しい。また、電線はそれ自体が一種の電磁石であり、交流を流した場合は振動するので、ケーブルの皮膜は振動をできるだけ抑える素材を用いれば、信号波形への影響は小さくなる。 しかし、それを測定器で実測する場合においては、MHz単位の高周波においては明確に観測できるが、より低い周波数帯域(つまりオーディオ機器で使われる帯域/人間の耳で聞こえる音波として変換される電気信号の帯域)においては、機器の測定誤差範囲以下に過ぎない。このような微小な信号変化を人間の耳で聴き分ける事ができるかどうかについては、さまざまな意見がある。少なくとも、聴き分けが可能か否か客観的な証明(ブラインドテストなど)はされていない。むしろスピーカーやアンプによる歪みの方が遥かに大きい。 しかしながら、現行のオーディオ用ケーブルは、単線ではなく細い線を縒りあわせたものとなっており、これは江川の主張に沿った傾向である。また、オーディオメーカー各社はこぞって「高音質用ケーブル」を販売しており、オーディオ雑誌・書籍などでは評論家が音の優劣についてコメントしている。現在ではその傾向がエスカレートして、一本100万円を越えるようなケーブルすら市販されている。晩年の江川三郎はオーディオアクセサリー誌にて、「今の高級ケーブルの価格は行き過ぎている」と語り、自作ケーブルであっても細い物を作成し販売していた。
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