ガスの噴出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:36 UTC 版)
他のホソクビゴミムシ科のゴミムシ類と同様、外敵からの攻撃を受けると、過酸化水素とヒドロキノンの反応によって生成した、主として水蒸気とベンゾキノンから成る100℃以上の気体を爆発的に噴射する。この高温の気体は尾端の方向を変えることで様々な方向に噴射でき、攻撃を受けた方向に自在に吹きかけることができる。このガスは高温で外敵の、例えばカエルの口の内部に火傷を負わせるのみならず、キノン類はタンパク質と化学反応を起こし、これと結合する性質があるため、外敵の粘膜や皮膚の組織を化学的にも侵す。 ミイデラゴミムシが腹部から噴射する分泌物に触れると痛みや炎症を伴い皮膚炎を引き起こすことがある。人体に深刻な影響はないが目に入ると危険で、皮膚の角質のタンパク質とベンゾキノンが反応して褐色の染みができると落としにくく、悪臭が染み付く。ミイデラゴミムシはこの様に、敵に対して悪臭のあるガスなどを吹きつけることと、ガスの噴出のときに鳴る「ぷっ」という音とから、ヘッピリムシ(屁放り虫)と呼ばれる。他のゴミムシ類、オサムシ類も多くのものが悪臭物質を尾端から出して外敵を撃退しているのでヘッピリムシ的なものは多く存在するが、ミイデラゴミムシのようなホソクビゴミムシ科のそれは、音を発し、激しく吹き出すことで特に目を引く。
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