カルボニル化合物との反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 04:29 UTC 版)
「グリニャール試薬」の記事における「カルボニル化合物との反応」の解説
ホルムアルデヒド (HCHO) と反応させ酸で処理すると第一級アルコール (R−CH2OH) が生成する。 アルデヒド (R'−CHO) と反応させ酸で処理すると第二級アルコール (R−CR'(OH)H) が生成する。 ケトン (R'−C(=O)−R'') と反応させ酸で処理すると第三級アルコール (R−CR'(R'')OH) が生成する。 エステル (R'−C(=O)O−R'') とグリニャール試薬2当量を反応させ酸で処理すると第三級アルコール (R'−CR2OH) が生成する。この時アルコール (R''−OH) も得られる。 ハロゲン化アシル (R'−C(=O)−X)、カルボン酸無水物、カルボン酸チオエステルと −78 ℃でグリニャール試薬を反応させるとケトン (R−C(=O)−R') が生成する。温度が高い場合にはさらに生成したケトンへの付加が進む。 一般的な第三級カルボン酸アミドとの反応は反応性が低いためあまり用いられないが、ホルムアミドとの反応はアルデヒドの合成法として知られる。また、ワインレブアミドとの反応はケトンを合成する良い方法として知られている。 二酸化炭素と反応させ、酸で処理するとカルボン酸 (R−C(=O)OH) を生成する。 α,β-不飽和カルボニル化合物との反応では、通常 1,2-付加が優先するが、カルボニル基が立体的に障害されている場合には 1,4-付加も起こる。1,2-付加を選択的に行いたい場合にはセリウム塩の添加が、1,4-付加を選択的に行ないたい場合には銅塩の添加が有効である。
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