ウェーバー‐きかん〔‐キクワン〕【ウェーバー器官】
ウェーバー器官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/29 15:57 UTC 版)
骨鰾系の主要な特徴のひとつに、ウェーバー器官 (Weberian apparatus) をもつことが挙げられる。この構造以外に、今日の骨鰾系の繁栄を合理的に説明可能ないかなる特徴も存在しない。 ウェーバー器官とは、聴覚器と浮き袋をつなぐ「ウェーバー小骨」と呼ばれる一連の小骨片からなる骨格で、「骨鰾」の呼称の由来となっている(鰾=浮き袋)。ウェーバー小骨は、浮き袋の内壁と、左右の耳の球形嚢に繋がるリンパ管に隣接するY字形のリンパ腔を連結する。この構造により浮き袋の振動(音)が内耳に伝達されることで優れた聴覚を得ている。 前骨鰾系では、前から3番目までの椎骨が特殊化し、1個またはそれ以上の肋骨と連結される(原始的ウェーバー器官)。骨鰾系では、前から4番目ないし5番目までの椎骨に、ウェーバー小骨と同等の明らかな変形がみられる。 完全に作用するウェーバー器官は、浮き袋・ウェーバー小骨・前部脊柱・いくつかの筋肉と靭帯によって構成される。「ウェーバー器官」の名称は、ウェーバー小骨の作用を解明したドイツの解剖学者・生理学者エルンスト・ヴェーバーにちなむ。
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