イミダゾール系抗真菌薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:57 UTC 版)
脂溶性のイミダゾール環を持つ。イミダゾール系抗真菌薬は水に難溶であるため、ミコナゾール以外は全て外用で使用する。表在性真菌(白癬)や、口腔、咽頭、膣カンジタ症のクリーム、トローチ、膣錠などの剤形が有る。ミコナゾールはトリコスポロン症の第1選択薬で、イミダゾール系抗真菌薬で唯一の内用剤(注射剤)が存在する。 細胞膜のエルゴステロールの合成過程を阻害する。具体的にはラノステロールを14α位の脱メチル反応に関与するチトクロムP450と結合し、本酵素の作用を阻害しエルゴステロール合成を阻害することで抗真菌作用を示す。一般にポリエン系よりも副作用は少ないものの、典型的な副作用として肝障害や胃腸障害が知られている。 イミダゾール系抗真菌薬としては、 イソコナゾール(isoconazole)- 紛らわしい名称だが、これはイミダゾール系抗真菌薬。 ビホナゾール(bifonazole)- エルゴステロールの合成過程の2箇所を阻害する点で、アゾール系抗真菌薬の中でも例外的。 ミコナゾール(miconazole)- 外用薬で充分に治療可能な場合は、外用薬のミコナゾールを用いる。 エニルコナゾール(enilconazole)- ヒトではなく、獣医学の分野で抗真菌薬として使用される場合がある。 などが挙げられる。
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