イスラエルとの対立と和解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 19:03 UTC 版)
「レジェップ・タイイップ・エルドアン」の記事における「イスラエルとの対立と和解」の解説
エルドアンは当初は親イスラエル的な人物と評され、さらなる軍事的経済的関係の強化を求めて首相当時の2005年にイスラエルを訪問してヤド・ヴァシェムで献花し、反ユダヤ主義は人道に対する罪であるとしていた。また、イランの核開発問題に関するイスラエルの立場にも理解を示していた。 しかし、2009年1月29日に、ダボス会議でガザ侵攻の正当性を25分にわたって主張したイスラエル大統領シモン・ペレスに対し反論しようとしたところ、アメリカの保守派ジャーナリストで司会を務めていたデイヴィッド・イグネイシャスから時間切れだと制止され「人殺しをしているのはイスラエルだ」「(ダボス会議には)二度と来ない」と言い捨てその場を立ち去った。会議後にペレスは「誤解があったなら遺憾に思う」と電話したが、エルドアンは自身が激怒したのはペレスにではなく司会者のイグネイシャスに対してであるとコメントしている。帰国したエルドアンは空港で出迎えた数千人の市民から喝采を浴び、パレスチナ国を含むアラブ諸国からも「英雄」「現代のスルタン」だと熱狂的に支持された。 2010年6月2日、人道支援のためにトルコからガザ地区へ向かっていた各国の親パレスチナ支援団体の船団がイスラエル軍特殊部隊の急襲を受け、トルコ人を含む多数の死傷者が出た事件について、「イスラエルの犯罪は必ず罰せられなければならない」とイスラエルを強く非難した。同事件については、2013年にイスラエルのネタニヤフ首相が謝罪したことで幕引きとなったものの、2014年7月に発生したイスラエルとハマースとの交戦及びガザ地区侵攻を受け、支持者向けの演説で「ヒトラーを昼夜非難する者が、野蛮さでヒトラーを超えた」とまで発言。再び溝を深めた。 しかし、2015年にはイスラエルとの関係改善を重視する発言も行っており、両国は正常化で合意したとされ、2016年にトルコとイスラエルは関係正常化を発表した。また、イスラエルとトルコの貿易は政治的緊張にも関わらず、拡大傾向にある。
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