アメリカひじき
アメリカひじき
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/15 13:34 UTC 版)
『アメリカひじき』(あめりかひじき)は、野坂昭如の短編小説。野坂自身の戦後の焼跡闇市体験を題材にした作品である。少年時代に敗戦を経験した男が、妻がハワイ旅行中に知り合った初老のアメリカ人夫婦を自宅に招くことになり、敗戦直後の占領軍に対する一種のコンプレックスを呼び覚まされる物語。ひもじさで米軍捕虜の補給物資をくすねたブラックティー(紅茶の葉)を「アメリカのひじき」だと勘違いして食べた惨めで恥ずかしい思い出や、ポン引きまがいの闇市体験が、22年後の時点のアメリカ人への複雑な心理と重なる様を、独特の関西弁を生かした文体で描いている。『火垂るの墓』で死んでしまった清太の「戦後社会を生き抜いた場合のパラレルワールド」的その後にあたる。
- ^ a b c d e f g h i 尾崎秀樹「解説」(文庫版『アメリカひじき・火垂るの墓』)(新潮文庫、1972年。改版2003年)
- ^ a b c d 野坂昭如『アドリブ自叙伝』(筑摩書房、1980年。日本図書センター、1994年と2012年に復刊)
- ^ a b c d e 野坂昭如(三島由紀夫との対談)「剣か花か――七〇年乱世・男の生きる道」(宝石 1970年1月号に掲載)。三島由紀夫対談集『尚武のこころ』(日本教文社、1970年)に所収。
- ^ a b c d e f g h i j k 「第58回直木賞(昭和42年度下半期)選評」(オール讀物 1968年4月号に掲載)
- ^ a b c d 野坂昭如(三島由紀夫との対談)「エロチシズムと国家権力」(中央公論 1966年11月号に掲載)。三島由紀夫対談集『源泉の感情』(河出書房新社、1970年)に所収。
- ^ 喜劇 頑張れ!日本男児 ムービーウォーカープレス 2023年9月4日閲覧。
- 1 アメリカひじきとは
- 2 アメリカひじきの概要
- 3 登場人物
- 4 直木賞の選評
- 5 作品評価・解釈
- 6 脚注
- アメリカひじきのページへのリンク