《把握お願いします》の敬語
「把握お願いします」の敬語表現
「把握お願いします」を敬語表現にする場合は、「把握」という言葉を使って要請すること自体が上の立場から伝えていることになるため、別の表現に言い換える必要があります。例えば、「ご理解の程よろしくお願い致します」という表現で、事情を汲み取ってほしいというへりくだったニュアンスで相手に状況を把握してほしい旨を伝えることが可能です。また、心に留めておいて欲しいというニュアンスで「お含みおきください」「ご認識ください」といった表現も「把握お願いします」の敬語表現として適していると言えるでしょう。単に現状を把握してほしいという場合には、「ご確認ください」「ご確認をお願い致します」などの表現が適しています。同僚など、立場がそれほど変わらない人に対しては「ご確認ください」、上司など目上の人に対しては「ご確認をお願い致します」といった形で使い分けるようにすると良いでしょう。
「把握お願いします」の敬語の最上級の表現
取引先や顧客など、最上級の敬語表現を用いる必要がある場合には、「把握お願いします」に近い表現で、より丁寧かつへりくだったニュアンスの言葉を選ぶ必要があります。例えば、「ご理解賜りますようお願いいたします」で、気持ちや立場を察して欲しいことを示しつつ、相手に対して何らかの物事を知っておいて欲しい旨を丁寧に、かつへりくだった形で伝えることが可能です。「賜る」は「意見をもらう」「物を受け取る」の意味を持つ謙譲語の表現で、「ご理解賜りますようお願いいたします」は、「相手の理解をもらう」即ち「把握してもらう」ことを「お願い」する、丁寧な表現となります。また、「ご容赦くださいますようお願いいたします」という表現を用いれば、先方にお願いごとがあること、予め頭に入れておいてほしいことを伝えることが可能です。その際に、クッション言葉として「大変恐れ入りますが」「ご不便をおかけいたしますが」といった表現を入れると、さらに丁寧に伝えることができるでしょう。「ご容赦」は「許す」という意味の尊敬語で、先に伝えた内容について相手に把握してもらった上で、どうか事情を汲み取ってお願いを聞いてください、という意味合いの敬語表現となります。
「把握お願いします」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
上司に対する社内メールを想定した内容で、「把握お願いします」を敬語に言い換えた表現の使用例を見てみましょう。営業部織田部長
お疲れ様です、営業部第2営業課の木下です。
本日の美濃工業との商談ではありがとうございました。
帰りの新幹線の中でお話した内容と重複しますが、本日の商談の中で持ち帰りとした件、
先方より提案のあった価格帯では実現は難しいと存じます。
製品企画部にも確認を取りましたが、素材の原価がここ最近高騰中で値下げを強行した場合原価割れを起こす可能性があります。
上記事情につき、提案内容について再考が必要と考えています。
以上ご理解の程、よろしくお願いいたします。
営業部第2営業課
木下
上記の例文では、提案内容について再考が必要なことを、事情も交えて説明した上で、「ご理解の程、よろしくお願いいたします」と結ぶことで説明した事情を汲み取った上で再考の検討をして欲しいという意思を伝えています。こうした表現を用いることで、上司に対して事情とそれを踏まえた要請を可能な限り丁寧な形で伝えているのです。
「把握お願いします」を上司に伝える際の敬語表現
チームリーダーや同じ部署の先輩などのように、地位がそれほど離れていない場合は「ご確認をお願いします」「ご容赦ください」などのように、あまりへりくだりすぎず、最低限の敬語を用いる方が好ましいでしょう。というのも、敬語表現はあまりへりくだりすぎるとかえってよそよそしさが出てしまったり、くどい印象を与えてしまうからです。一方で、役員や社長など、地位が離れている場合には「誠に恐縮ですが、ご容赦を賜りますようお願い申し上げます」「お手数おかけいたしますが、何卒ご了承いただきたく存じます」のような形で尊敬語・謙譲語を不自然にならない程度に増やすようにすると、丁寧な印象を与えることができます。「把握お願いします」の敬語での誤用表現・注意事項
先述した内容と一部重複しますが、「把握」自体が相手に対する要請であるため、「把握くださいますようお願い致します」「何卒把握いただけますようお願い申し上げます」といった形で敬語表現の中に「把握」を使ってしまうと、かえって不自然になります。丁寧語の接頭辞である「お」や「ご」をつけても不自然な表現になりますから、「把握」そのものを要請する目的での表現の中で使うのは避けるべきでしょう。「把握」を敬語表現の中で使用する場合は、「把握致しました」「把握させていただきました」などのように、動作の主体が自分となっている場合に限定することをおすすめします。「把握お願いします」の敬語での言い換え表現
先に挙げた表現以外で「把握お願いします」を敬語で言い換えた表現としては、「どうかご寛恕のほど、よろしくお願いいたします」が挙げられます。「ご容赦」と似た形で相手に事情を汲み取って貰った上で、どうかお願いを聞いてくださいという意味合いになりますが、「ご寛恕」を利用することで相手の広い心と思いやりへの期待感を込めている表現となるため、ご容赦よりも強く相手を持ち上げるニュアンスの表現となるでしょう。ただし、同時に仰々しい表現になってしまうため、特別な配慮が求められる場合のみに限定して使用することをおすすめします。- 《把握お願いします》の敬語のページへのリンク