《おかげさまで》の目上の人への言い換え
「おかげさまで」の目上への表現
「おかげさまで」は、一般的に感謝を伝えるために用いる言葉で、そのまま目上に対する表現として使うことが可能です。「おかげさま」の「おかげ」は神仏の加護を意味する「お陰」が元になっています。「おかげさまで」では、相手自身を神仏に近い存在として讃えたり、相手の助けを神仏の加護のように表す形です。その上、「さま」を付け加えるため、「おかげさまで」を使用すると、相手に対して強い敬意を示すことができます。その「おかげさまで」をどうしても言い換えなければならない場合は、「お力添えがあってこそ」や「ご支援のおかげで」といった表現を使用すると良いでしょう。「おかげさまで」という表現は、相手の手助けや指導によって、目的を果たせたり、問題を解決できたりしたという意味を持ちます。その、相手の手助けや指導は、「力添え」や「支援」といった言葉で表すことができます。そして、目上の人に対する表現なので、「お力添え」や「ご支援」という風に丁寧な形にします。
「お力添え」は「お力添えのおかげで」のような他の表現をすることも可能ですが、「お力添えがあってこそ」という慣用表現があるため、他の言い回しをする必要はありません。また、「おかげさまで」に近い言い換えとしては、「おかげをもちまして」という表現があります。
「おかげさまで」の目上への最上級の表現
「おかげさまで」の言い換え表現である「お力添えがあってこそ」や「ご支援のおかげで」、「おかげをもちまして」などは、いずれもかしこまった表現です。そして、相手に対する尊敬の度合いに特に差はありません。したがって、どれを選択したとしても、目上に対する最上級の表現となります。「おかげさまで」の目上へのビジネスメール・手紙での例文
「おかげさまで」は基本的に、ビジネスメールや手紙の文頭に置きます。そのため、「おかげさまで」に近い言い換え表現である「おかげをもちまして」も、同様に文頭に置いて使用します。その際の例文は、「おかげをもちまして、無事プロジェクトを成功させることができました」「おかげをもちまして、長年の問題の解決に至りました」となります。「お力添えがあってこそ」や「ご支援のおかげで」も、同様に文頭に置く点は同じですが、誰の力添えや支援なのかを明確に示す必要があります。したがって、例文は「皆様のお力添えがあってこそ、弊社の業績は回復しました」「お客様のご支援のおかげで、ようやく商品開発に着手できることとなりました」といった形になります。また、「皆様のお力添えがなければ、計画は成功しませんでした」というような表現をすることも可能で、基本的な意味合いは変わりません。
「おかげさまで」を目上の上司に伝える際の言い換え表現
目上かつ立場が離れている上司に対して、「おかげさまで」の言い換え表現を使用する場合、「お力添えがあってこそ」「ご支援のおかげで」「おかげをもちまして」のどれを選択しても問題はありません。いずれも最上級の表現なので、立場が離れている上司に対して使用しても、失礼な対応にはならないです。そして、「お力添えがあってこそ」あるいは「ご支援のおかげで」を使用するのであれば、「課長のお力添えがあってこそ」「部長のご支援のおかげで」という風に、相手の役職や名前を前に置くことを忘れないようにしましょう。身近な上司に対して使用する際に最適なのは、「おかげさまで」です。「おかげさまで」という表現は、一般的な日常会話でも使用されることが多い上に、かしこまりすぎていません。「お力添えがあってこそ」「ご支援のおかげで」「おかげをもちまして」などの表現では、堅苦しい印象を与える恐れがあります。したがって、わざわざ言い換えをすることなく、「おかげさまで」を使用した方が良いです。
「おかげさまで」の言い換えを目上に対して使用する際の誤用表現・注意事項
「おかげさまで」は原則として、目標達成や問題解決など、良いことがあった際に使用する表現です。その点は言い換え表現であっても変わらず、悪いことがあった際には使用しません。悪い意味で使用した場合、文法的にも間違った形になることがほとんどです。「力添え」や「支援」を使うのであれば、悪い意味の表現をする場合は、「力添えが足りなかったから」「支援不足で」といった表現になるため、間違えることはないでしょう。しかし、「おかげをもちまして」は、悪い意味で使用しても、違和感が生まれにくいので要注意です。「おかげをもちまして、失敗しました」「おかげをもちまして、業績が悪化しました」のような表現をしないようにしましょう。「おかげさまで」の目上への他の言い換え表現
「おかげさまで」の言い換えには、「ご助力のおかげで」や「ご協力があって」、「ご後援があったからこそ」といった表現があります。「助力」「協力」「後援」のいずれも、相手の手助けや指導を意味する言葉です。具体的な意味はそれぞれ異なるため、相手の手助けや指導の頻度と規模に合わせて使い分けると良いでしょう。そして、使い方のルールは厳密には定まっていないため、「ご助力があって」「ご協力があったからこそ」「ご後援のおかげで」という風に、細かな表現は変えても問題はありません。また、「ありがたいことに」という言い換え表現もあります。相手の手助けや指導をありがたいものだとする表現で、「おかげさまで」とそのまま置き換えても、特に問題なく意味は成立します。ただ、「おかげさまで」は相手に感謝する意味であるのに対して、「ありがたいことに」は良い結果になった状況に感謝するという意味合いがあります。したがって、相手に明確な感謝の意思を伝えるつもりであれば、「ありがたいことに」ではなく「おかげさまで」を使用した方が良いです。
《おかげさまで》の目上の人への言い換え
「おかげさまで」の敬語表現
「おかげさま」という言葉は、漢字で「お蔭様で」と書き、第三者から受ける恩恵や恵みである「お蔭」に、「様」という敬称を付けたもので、現代ではお世話になった方に対して使用する言葉ですが、もともとは神仏の加護に対して使用されていた言葉でした。つまり、「おかげさまで」という言葉は、相手への尊敬の念が含まれる敬語表現であり、目上の方に使用してよい言葉だということです。ですが、使い方を誤れば、せっかく相手方に感謝を伝えようとしたのに、社会人として常識がないと思われてしまうこともあります。また、「おかげさまで」という言葉はよく使われる言葉ですが、これ以外にもより丁寧な言い換えをすることもできますので、そうした言葉も覚えておくと、様々な場面で役に立つことでしょう。「おかげさまで」の敬語での誤用表現・注意事項
「おかげさまで」という言葉を使う場合には、いくつかの注意点があります。まず、「おかげさまで」というのは相手の行為にかかる言葉で、自分の行為について使用するのは適切ではないという点です。もし、目的の達成に貢献したという自負があったとしても、「私のおかげで成功したと思います」という表現をしてしまうと、非常に尊大な印象を与えてしまいます。親しい間柄での冗談でもない限り、必ず相手や第三者に用いる表現だということを覚えておきましょう。また、「おかげさまで」という言葉は、「おかげさまで~できました」というように、文頭に用いる表現です。「さま」を付けない「おかげで」という表現の場合は、「皆様のおかげです」とか「部長のおかげで~」というように、文末や文中に使うこともできますが、「おかげさまで」については、必ず文頭に使用する語です。「皆様のおかげさまです」という表現は、適切ではないので、注意しましょう。「おかげさまで」の敬語での言い換え表現
「おかげさまで」は、敬語表現ですが、目上の方に気持ちを伝える場合に、より丁寧な表現や、異なる表現で言い換えをすることもできます。例えば、式典など改まった場面で、列席の方々へお礼を述べるあいさつの中では、「おかげさまで」という言葉でももちろん良いですが、「おかげをもちまして」や「おかげさまをもちまして」という表現を使うと、より丁寧でTPOにあった印象になります。具体的には、「おかげさまをもちまして、当社は創業100周年を迎えることができました」というように使用します。「おかげさま」は文頭に用いる語ですから、「皆様の」などの修飾を付ける場合は、「皆様のおかげをもちまして」というように、「さま」をつけないのが適当です。また、「お力添えがあってこそ」という表現は、相手の尽力に対する感謝が強く表れており、「おかげさまで」の言い換えとして用いることができる言葉です。「山田課長のお力添え」や「田中先輩のお力添え」など、相手の人名を付けて使用すると、「ほかでもないあなたの具体的な行動に感謝している」という気持ちがより強調された表現になります。「お力添えをいただきまして」というように使用することもできます。- 《おかげさまで》の目上の人への言い換えのページへのリンク