T-4 (練習機) 派生型

T-4 (練習機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 00:58 UTC 版)

派生型

戦技研究仕様機
XT-4
試作機(飛行試験機4機[21]+地上強度試験機2機[21]・後に飛行試験機は量産化改修を経てT-4に編入)
T-4
量産型。航空自衛隊で練習機、連絡機として利用されている。
飛行開発実験団では精密計測用に標準ピトーを搭載した機体が配備されている。
下記の「戦技研究仕様機」とは別機種扱い[22]
戦技研究仕様機
第11飛行隊の使用機(3代目ブルーインパルス)。第11飛行隊創設時は新造機として取得され、現在はそれらの機体が寿命を迎えることに対応するために、既存のT-4を戦技研究仕様機に改修した機体が配備されている。一時期は新造機と改修機の2つのタイプの機体が混在していたが、2020年3月25日に最後の新造機(46-5731)が退役したことで現在は改修機のみの配備となっている。改修機は小牧基地でモスボールされていた9機と、小松基地に配備されていた1機(第303飛行隊所属)である。書類上は戦技研究仕様機となっているが、公式ウェブサイトでは『T-4 ブルーインパルス』と紹介されている[23]ため、俗にブルーインパルス仕様とも称される。またパイロットはドルフィン・ライダーと呼ばれている。
量産型からの改修点は、バードストライク対策としてウインドシールドの強化やHUD透明表示板の材質変更、ラダーリミッタの制限角を拡大方向に変更、低高度警報装置の追加、コックピット内の一部機器追加やレイアウト変更、スモーク発生装置の追加など、低空でのエアロバティックに必要な改修と塗装のみにとどまり、機体構造やエンジンは量産型と同等である。

注釈

  1. ^ この方式はイギリスで最初に実用化されたもので、ホーカー・シドレー ハリアーBAe ホークトーネード IDSで採用されていたが、従来採用されてきたイニシエーター方式のように脱出前のキャノピー投棄を必要としないことから、低空でのクリテイカルな状況下での安全マージンの増加をもたらしており、アメリカ空軍の統計では、イニシエーター方式での成功率は80パーセント台なのに対し、破砕脱出方式では100パーセント近くとされていた[3]
  2. ^ 機内燃料搭載量は、ホークでは450ガロン、アルファジェットでは502ガロンであった[3]
  3. ^ a b 離着陸(TOL)、航法(NAV)、整合(ALN)の3つ[19]

出典

  1. ^ a b c d e f g Jackson 2004, pp. 329–330.
  2. ^ a b c 久野 2006.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 宮本 1985.
  4. ^ a b c d e 技術研究本部 2002, pp. 132–135.
  5. ^ a b c 宮本 1989, p. 18.
  6. ^ 参考資料ー自衛隊の現状と課題ー”. 内閣官房. p. 28 (2004年7月13日). 2010年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月13日閲覧。
  7. ^ 宮本 1989, p. 23.
  8. ^ 日本航空宇宙工業会 2003, pp. 41–42.
  9. ^ a b 鷹尾, 磯崎 & 戸田 1990.
  10. ^ 神田 2018, pp. 58–61.
  11. ^ a b 石川 1985.
  12. ^ a b c 航空自衛隊向けT-4中等練習機の最終号機を納入 | プレスリリース”. 川崎重工業株式会社. 川崎重工業. 2020年9月20日閲覧。
  13. ^ 国のムダ遣いなど次々と 寸法違う大量無線機・稼働できぬ航空設備…:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年11月5日閲覧。
  14. ^ 航空自衛隊 (2010年). “パイロット育成レポート ウイングマークを目指せ!”. 2013年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月21日閲覧。
  15. ^ 救装機器”. サイト名. 2021年11月5日閲覧。
  16. ^ 航空幕僚監部 2006, pp. 502–505.
  17. ^ レッドドルフィン15周年記念塗装 - 航空自衛隊
  18. ^ 第13飛行教育団 - 芦屋基地
  19. ^ a b c d e f g 青木 1994.
  20. ^ モデルアート 2011, p. 23.
  21. ^ a b 世界航空機年鑑1988 酣燈社 1988年 P110-111
  22. ^ 主要装備 T-4航空自衛隊
  23. ^ T-4 ブルーインパルス - 航空自衛隊
  24. ^ 日米首脳共同声明の要旨”. 日本経済新聞 (2024年4月11日). 2024年4月11日閲覧。
  25. ^ 宮本 1989, p. 24.
  26. ^ 航空幕僚監部 2006, pp. 715–718.
  27. ^ 神野 2008.
  28. ^ 小野 2022.
  29. ^ 宮城県環境生活部原子力安全対策室. “原子力だより みやぎ Vol.75(平成12年10月号)”. 2003年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月13日閲覧。
  30. ^ 平成十二年十月十九日提出 松島基地所属の自衛隊機墜落事故等に関する質問主意書 松本善明
  31. ^ 平成十二年十一月十日 衆議院議員松本善明君提出松島基地所属の自衛隊機墜落事故等に関する質問に対する答弁書
  32. ^ 宮城県環境生活部原子力安全対策室. “原子力だより みやぎ Vol.77(平成13年4月号)”. 2005年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月13日閲覧。
  33. ^ ブルーインパルス、飛行再開へ 貴重?まずは2機で
  34. ^ 想定以上の振動、機体の経年が影響か
  35. ^ 航空自衛隊T-4中等練習機エンジンの不具合及び今後のT-4の飛行等について
  36. ^ “パイロット養成機、不足続く ブルーインパルスにも影響―航空自衛隊”. 時事ドットコム. (2020年6月8日). https://web.archive.org/web/20200608000912/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060700146&g=soc 





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