SHORT PEACE
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武器よさらば
『武器よさらば』(ぶきよさらば)は、自律戦車と強化装甲服部隊の激戦を圧倒的ディテールとスピード感で描いた大友克洋原作の同題の短編漫画を、ガンダムシリーズなどのメカデザイナーとして知られるカトキハジメが初監督として映像化[3]。大友からの「短編は詩みたいなものだから」という言葉をヒントに、伝説的な戦闘アクション漫画をリアリティと革新性のある描写を目指して再構築し、エキサイティングなアクション作品でありながらも、無常観の漂うテイストに仕上げた[15]。カトキは、30年前の大友の革新的デザインや表現について、ファンの脳内で思い出補正された原作の記憶と30年の間に進化したミリタリー技術や映像との差分を調整することに集中し、「今の表現ならこれくらい」という風にアップデートしてその行間を埋めたという[15]。
カトキは、大友と初めて会った際に原作漫画への入れ込み具合を話したところ、大友に「そんなに好きなら君がやれば?」と言われたことで監督をすることになった[5][15]。その後、テーマが日本ということに決まり、企画をどうしようかということになったが、大友が「舞台を未来の東京にしてさ、富士山噴火して灰がいっぱい積もっちゃってさ…」というアイデアを口にしたことで映像化が決まった[5]。
あらすじ
近未来の東京。ミサイル兵器の回収のため、砂漠の中の廃墟と化した都市を訪れたプロテクションスーツで武装した5人組の小隊は、一台の戦車型無人兵器と遭遇戦となる。しかし、次第に歯車が狂い始め、小隊は窮地に陥っていく[15]。
キャスト
- マール
- 声 - 二又一成[16]
- 眼鏡をかけた人物。パワードスーツの番号は「4」。無人兵器戦では使い捨ての武装UAVの展開・管制を担当。探索開始時に地雷を踏み、パワードスーツを着ていたおかげで無傷であったがこれが原因で無人兵器に探知される。地下戦で仲間の犠牲と引き換えにミサイルの無力化に成功した後無人兵器に追い詰められるが、損傷したパワードスーツから脱出する際認識票を落としていた為民間人と見做され非攻撃対象となる。その後去っていく無人兵器をミサイルの子弾頭を手に追いかけて行く。
- ラム
- 声 - 檀臣幸[16]
- 釣り目の人物。パワードスーツの番号は「2」。無人兵器戦では対物ライフルによる狙撃を担当。地下駅での戦いで最初に攻撃を受け、損傷で動けなくなった所へ追撃を受け蒸発する。
- ギムレット
- 声 - 牛山茂[16]
- 初老の人物でリーダー的存在。パワードスーツの番号は「1」。無人兵器戦では前線指揮を担当。ミサイルの爆破後マールと共に唯一生き残ったかに見られたが、再度現れた無人兵器に頭を撃ち抜かれ即死、その後光線を浴び死体はパワードスーツごと蒸発。
- ジン
- 声 - 大塚明夫[16]
- ヒゲを生やした人物。パワードスーツの番号は「3」。無人兵器戦では遠隔操作型のロケットランチャーの設置・発射管制を担当。地下駅でマールを助けるため無人兵器と光線の撃ち合いになるが、相手の光線が勝り蒸発する。
- ジャンキー
- 声 - 置鮎龍太郎[16]
- 装甲車の運転手であり、唯一パワードスーツを着用しなかった人物。探索の際は装甲車に残り無人探査機の操作をしていたが、地下戦でギムレットの呼びかけに対し炎上する装甲車の外で倒れている映像が映し出され、死亡したとみられる。
- ゴンク(GONK)
- 作中でマール達と交戦する無人歩行戦車。四足歩行の胴体前方に背の高い円筒形の砲塔、後方に多連装ランチャーを搭載し、砲塔基部にはベルト状の多関節アームが収納されている。
- 砲塔とアーム先端から発射する光線を主な攻撃手段とし、砲塔の光線は鉄筋コンクリートの建物を軽々と抉り飛ばす強力な威力を有する。加えて地上での登場時は全身にスラットアーマーやAPSモジュールを装備している。
- 地上戦ではロケットランチャーの飽和攻撃と誘導爆弾により沈黙するも誘導爆弾はスラットアーマー部分を貫通し本体には命中しておらず、再起動後はジャンキーを襲撃し地下駅へ侵入。ジンの特攻で主砲を損傷した上TELの自爆に巻き込まれるも尚戦闘能力を失わず、マールのパワードスーツを破壊した事で敵を全滅させたと判断し去って行った。
スタッフ
- 脚本・監督:カトキハジメ
- 原作:大友克洋
- キャラクターデザイン:田中達之
- メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利
- CGI監督:若間真
- 作画監督:堀内博之
- 美術監督:小倉宏昌
- 演出:森田修平
- 絵コンテ:カトキハジメ、片山一良
- ストーリーアドバイジング:佐藤順一
- 色彩設計:山浦晶代
- 撮影監督:田沢二郎
- 編集:瀬山武司
- 音楽:石川智久
- 音響監督:鶴岡陽太
注釈
出典
- ^ a b c “映画「SHORT PEACE」特集、大友克洋1万字インタビュー”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ (2013年12月18日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e f 真狩祐志 (2013年3月2日). “「SHORT PEACE」7月20日公開決定 大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ、4監督が競演”. アニメ!アニメ!. イード. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “INTRODUCTION”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c “大友克洋最新アニメ「SHORT PEACE」劇中写真を一挙20点独占公開”. 映画.com. 株式会社エイガ・ドット・コム (2013年3月19日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “PRODUCTION NOTE”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ “STAFF&CAST”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. オープニング. 2021年2月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g “九十九”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c “STAFF&CAST”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 九十九. 2021年2月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “火要鎮”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c “第16回 (2012年) アニメーション部門受賞作品 大賞 - 火要鎮”. 文化庁メディア芸術祭 (2022年1月29日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b “大友克洋監督に「SHORT PEACE 火要鎮」の映像表現の凄さを語ってもらった”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2013年7月20日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b “STAFF&CAST”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 火要鎮. 2021年2月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g “GAMBO”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b “STAFF&CAST”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. GAMBO. 2021年2月13日閲覧。
- ^ a b c d “武器よさらば”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 2022年12月1日閲覧。
- ^ a b c d e “STAFF&CAST”. 映画『SHORT PEACE』オフィシャルサイト. 武器よさらば. 2021年2月13日閲覧。
- ^ “『SHORT PEACE 月極蘭子のいちばん長い日』映画とゲームがワンパッケージになって登場決定”. ファミ通. KADOKAWA (2013年9月19日). 2022年11月29日閲覧。
- ^ a b c “大友克洋監督らが「日本」をテーマに作ったオムニバス映画「SHORT PEACE」製作発表会見”. GIGAZINE. 株式会社OSA (2013年3月22日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ “宮崎駿監督『風立ちぬ』が今年最高のオープニング! 順風満帆の1位スタート!”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ (2013年7月23日). 2022年12月1日閲覧。
- ^ “アニメーション部門|大賞”. 第16回文化庁メディア芸術祭. 2013年3月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “毎日映画コンクール:大友克洋監督と「おおかみこども」の細田守監督ら受賞者が喜びの声”. MANTANWEB. 2021年7月17日閲覧。
- ^ “アニメーション部門|審査委員会推薦作品”. 第16回文化庁メディア芸術祭. 2013年3月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “アカデミー賞短編アニメ賞に森田修平監督『九十九』がノミネート!【第86回アカデミー賞】”. シネマトゥデイ. 2015年5月6日閲覧。
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