RD-Style 機能の特徴

RD-Style

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/12 23:01 UTC 版)

機能の特徴

シリーズ全体としての主な特徴(機能的な観点での長所・注意点など)は以下の通り。

長所

  • PCとの連携機能がXS40(後述)に初めて搭載されて以来、一部の廉価版機種を除いてPCでのタイトル名の編集やネット上の電子番組表で番組情報が取得できる。後継機種ではさらに録画番組をPCとやり取りできるようになるなど機能の拡充が図られた。
  • チャプタ方式を最初から編集機能に取り入れて以来、長らく編集機能が豊富である。
    • DVD-Video化の際に弊害となるカット編集時の余分な映像混入を避けるためにGOPシフト機能を導入(XS41以降)。
  • 自機内で出力→入力を折り返した回路を利用したダビング機能(ラインUダビング機能)により、他のレコーダー作成のDVDの映像取り込みや、設定ミスで作成された録画物の再記録に対応。
  • 二重音声放送(主音声+副音声)での録画以外でも、DVD-VRモード再生でステレオ音声のL/R選択切り替えが可能[2]
  • 外部入力の際のライン入力音声を二重音声(主音声+副音声)として録画[3]するよう設定が可能(XS41以降)。この設定を正しく行わない場合は繋いでいる相手の機器の設定に関係なく、ライン入力からの音声は全てステレオ音声となる[4]。なお、一旦ステレオ音声として録画されたものは前述のラインUダビング機能を利用しても自機のみでは二重音声化することは不可能[5]
  • VHSデッキなどからダビングする際に録音レベル調整が可能であり、モノラルVHSなど録音レベルが低いテープからのダビングの際に効果を発揮する。他のメーカーではパイオニアもDVD/BDレコーダーに搭載していた。
  • DVD-RAMの物理フォーマットが可能(XS30以降)。さらにカートリッジDVD-RAMが使用できる機種も多い。
  • DVD-VRフォーマットの録画では、録画レートの設定を0.2Mbps刻みで細かく設定することが可能。デジタル録画においては主に「解像度」と「録画レート」が画質に影響を与えるが、1枚のDVDメディアに収めることができるギリギリの録画レートを指定することができる。
  • 音声の設定にリニアPCMの選択設定が可能[6]
  • 録画タイトルのHDD内管理にフォルダを利用可能(X4EX以降。ただし1段階、最大24フォルダ)。
  • DVD-VRおよび同シリーズ機種作成のDVD-Video(XS41以降)を、無劣化でHDDに取り込み可能。
  • 同機能搭載機で作成の未ファイナライズDVD-Videoディスクの再生と追加書き込み、別途ファイナライズが可能(XS41以降)。
  • S1信号の入出力に対応。
  • ID-1信号の入力に対応(出力はなし)。
  • 再生時のワイド映像出力のサイドカット(詳細は映像のコンバートを参照)に対応。
  • リモコンの操作コードが複数台分装備(XS41以降は3種類。それ以前は2種類)。
  • 「プレイリスト」の概念の採用により、録画タイトルおよびチャプターを用いて新たな仮想タイトルを作成することが可能。

注意点・考慮点

  • 機能が同時期の他社製品に比べて多い傾向があり取扱説明書の分量が多く、初心者にとって他社製品に比べて多少使い難い印象がある(「出来ること」の多さとのトレードオフである)。
  • HDDの断片化(フラグメンテーション)による動作不良を避けるためオリジナルタイトルの編集時にチャプター削除せず、必要なチャプターをプレイリストを作成してダビング後にHDDに残った不要なチャプターのみのタイトルを削除するよう推奨している。なお、断片化を軽減するパソコンのデフラグツールの様な機能が搭載されたレコーダーがパイオニアなどから発売されていた(XD92D以降は自動フラグメンテーション対応機能あり)。
  • DVD-Videoモードに録画・ダビングした場合、編集位置(チャプターの分割位置や削除位置)はフレーム単位の精度ではなくGOP単位の精度の位置に移動する(これはDVD-Videoモードの規格上の制限なので、全機種・全メーカーに共通する。将来的にも不変)。
  • 二重音声放送の番組をDVD-Videoモードで記録することは不可能で、主音声か副音声かのいずれかを選択する仕様である。録画時の設定を誤る(特に外部入力からの録画の場合)と左右から主音声と副音声が同時に再生され音声の切り替えが不可能[7]な2chステレオ音声で記録される[8]
  • デジタル放送のマルチ音声信号の番組[9]をDVD-VRで録画する場合は、録画時或いは予約録画設定時に予め音声信号の選択を設定する必要がある[10]

  1. ^ RDを販売商品として扱ったジャパネットたかたのCFでは、商品名を「RD-Style」と呼称していた。
  2. ^ DVD-Videoモードの再生では規格上の制限によりステレオ音声のL/R選択切り替え不可。VRモード再生でも他社製機種によっては不可能なものもある。
  3. ^ 録画時のみの機能なので視聴時に音声切り替えを行ってもL/R切り替えとしか動作しないが、視聴時は切り替え可能であれば不都合は生じない。
  4. ^ アナログ音声接続の規格仕様により他社のAV機器全てに共通。
  5. ^ DVDに録画したものを他の再生機を利用して外部入力録画することで、二重音声化はできる。
  6. ^ 但し二重音声放送の録画ではリニアPCM音声の指定はできず、必ずステレオ音声で録画される。
  7. ^ DVD-Videoフォーマットでは、同一音声ストリームの左右チャンネルを切り替えて再生できる仕様ではない。音声切り替えが可能なDVD-Videoはマルチ音声で作成されており、別の音声ストリームに記録されている。
  8. ^ 2007年現在、他メーカーも含めてもマルチ音声対応のDVD-Videoディスクの作成に対応する機種は存在しない。技術や規格上では実現することは可能であるが、異なる方式間のコンバート処理の煩雑さを回避することを優先して市販の家庭用レコーダーでは実現されていない。なお、PCで作成可能な機能を持つDVD作成用ソフトウェアは特に珍しくはない。
  9. ^ ステレオ音声による二ヶ国語放送や5.1chサラウンドステレオ放送が行われる場合(通常音声との組み合わせ)などがマルチ音声信号の放送になる。二重音声放送(主音声+副音声:モノラルの二ヶ国語放送や解説放送)そのものはそれ単独ではマルチ信号放送には当たらない。
  10. ^ TSモード録画では全ての音声が自動的に録画されるが、DVD-VRモード録画の場合はマルチ音声の中の一つしか記録できない。これはMPEG2-TSによる放送信号とDVD-VRフォーマット(MPEG2-PSを使用)の規格の違いによるもので、他メーカーでも可能な機種は存在しない(技術的には可能だが変換処理が複雑になることを避けている)。






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