NBAジャム (ゲーム) スピンオフ・シリーズ化

NBAジャム (ゲーム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/20 06:17 UTC 版)

スピンオフ・シリーズ化

NBAジャム
レビュー結果
媒体結果
ファミ通25 / 40 (T.E.) (SNES)[30]
25 / 40 (T.E.) (メガドライブ版)[31]
22 / 40 (T.E.) (ゲームギア版)[32]
受賞
媒体受賞
en:Mega (magazine)MEGA名作ゲームトップ50位中7位[33]

1994年、続編『NBA Jam Tournament Edition』(略称:NBA Jam T.E.)のアーケード版がリリースされた[34]。続編には、より新しいロースターとより多くの新機能、そしてこのソフトとタイアップしたイースター・エッグが付いてきた。また、これらのゲームはパーソナルコンピュータを含む家庭用への移植も行われた。家庭用は多数の隠しキャラクターのおかげもあって大ヒットした。当時のビル・クリントン大統領とそのヒラリー・クリントン、副大統領アル・ゴアも隠しキャラクターとして用意されていた[35]。家庭版のリリースの際、アクレイム・エンタテインメントはプレスリリースで「アクレイムが『NBA Jam』の独占的な権利を有している」と主張した[36]。ミッドウェイがアーケード版を、アクレイムが家庭版をリリースする分業体制には以前から不安が囁かれていたが[37]、この件が決定的となり、ミッドウェイは『NBA Jam』の名前を使うことはなくなった[38]

1996年、アクレイム・エンタテインメントは、カレッジ・リーグを題材としたバスケットボールゲーム『College Slam』をリリースした。このゲームは『NBAジャム』シリーズとして発売されたゲームではないが、大学のチームを扱っているほかはグラフィックスやサウンド、ゲーム感覚に至るまで『NBAジャム』そのままで[39]、「『NBAジャム』の劣化コピー」と各誌で酷評された[40][41]。この年『NBAジャム』からは『NBA Jam Extreme』をリリースした。このゲームは3Dグラフィックスが導入され[42]マーヴ・アルバートが出演するなど[43]、さまざまな改良がなされたが、同年ミッドウェイがリリースしたキャラクター作成機能をもつ『NBAハングタイム英語版』には及ばなかった。

また、ミッドウェイは本作以降も、『NBAハングタイム』や"NBA Showtime: NBA on NBC"(1999年)といったNBAを題材とした作品で人気を出したが、2000年の3対3のミニバスケゲームNBA Hoopzをもってミッドウェイ版NBAジャムを終わらせた。ミッドウェイは本作のアイデアを応用して別のスポーツのゲームを開発するようになり、1995年にはホッケーゲーム『NHL Opwn Ice: 2 On 2 Challenge』を[44]、1997年にはアメリカンフットボールゲーム『NFL Blitz』をリリースした。NFLとの契約は2004年に終了したが、その後も『NFL Blitz』シリーズは続き、2005年には『Blitz: The League』をリリースした[45]

一方でアクレイム・エンタテインメントは、『NBAジャム』の名でバスケットボールゲームを出し続け、2003年にも新作を発売した。しかしバスケットボールゲームは競合他社も多く、売り上げは振るわなかった[44]。2004年7月、アクレイム・エンタテインメントは倒産処理手続きを開始した[46]。ミッドウェイも2009年2月に倒産処理手続きに入った[47]

2010年10月5日、EAスポーツはWii用ソフト『NBAジャム英語版』を出した。同作のPS3版およびXbox 360版は11月に発売されたほか[48]、2012年にはiOS・Androidに向けた配信も行われた[49]。開発の主体はEAバンクーバー英語版だが、第一作のプロデューサーであるマーク・ターメルも監修として参加している[50] [51] 。2010年版NBAジャムは批評面でも商業面でも成功し、2011年にはNBA Jam: On Fire Edition(PSN:10月4日、XBLA:10月5日)が発売された。


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  52. ^ IGN: Breaking into the Industry: Tim Kitzrow





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