JR東日本E653系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 14:17 UTC 版)
形式
- モハE653形
- 主変換装置と集電装置を搭載する中間電動車(M1)で、モハE652形とユニットを組む。いわき寄りにデッキを備え、電話室・清涼飲料自動販売機を設置。定員72人。7両編成の2・5号車と4両編成の2号車(付属編成の9号車)に組成される。
- 当初は全て0番台であったが、「いなほ」転用時に7両編成は1000番台、4両編成は1100番台に改められた。
- モハE652形
- 主変換装置と補助電源装置(静止形インバータ)を搭載する中間電動車(M2)で、モハE653形とユニットを組む。いわき寄りにデッキを備え、トイレと洗面所を設置。定員72人。7両編成の3・6号車と4両編成の3号車(付属編成の10号車)に組成される。
- 番台区分に関してはモハE653形と同様。
- クハE653形
- いわき・新潟向きの制御車(Tc)で、空気圧縮機(CP)と蓄電池箱を搭載し、0番台のみ電気連結器を装備。いわき寄りにデッキを備える。定員68人。基本編成の7号車には0番台が、付属編成の11号車には100番台が組成される。
- 「いなほ」転用により1000・1100番台に改められ、それぞれ7・4号車となった。
- クハE652形
- 上野・新井向きの制御車(Tc')で、0番台のみCPと蓄電池箱を搭載し[注 4]、0・100番台は電気連結器を装備。両端にデッキを備え、いわき寄りにトイレ・洗面所を設置。定員56人。基本編成の1号車には0番台が、付属編成の8号車には100番台が組成される。
- 「いなほ」転用により1100番台もしくはクロE652形に改められ、前者は4両編成の1号車(定員54人)となった。
- サハE653形
- 7両編成のみに存在する中間付随車。いわき寄りにデッキを備え、車掌室・車販準備室・トイレ・洗面所などを設置。また客室に車椅子スペースを設置しており、最もいわき寄りとなる列は通路側の座席[注 5]が存在しない。洗面所やトイレは車椅子対応とされ、側引戸も拡幅された。定員54人。4号車に組成される。
- クロE652形
- 全室グリーン車である秋田向きの制御車(Tsc')で、CPと蓄電池箱を搭載する。両端にデッキを備え、いわき寄りにトイレ・洗面所を設置。定員18人。1000番台が7両編成の1号車に組成される。座席配列は1+2の3列式でシートピッチは1,820 mm 、前後の仕切りによって各列が独立しており、リクライニングによる干渉が発生しない。また後位側にはラウンジスペースが設置された。
- 「いなほ」転用に際してグリーン車が必要となったために、クハE652形を改造したものである。
-
クハE653形1000番台
-
サハE653形1000番台
-
モハE653形1000番台
-
モハE652形1000番台
-
クロE652形1000番台
注釈
- ^ 分割民営化後は広域転配をすることがないため、旅客用車両については交流電源は50 Hz(651系など)・60 Hz(681系・683系など)のどちらかだけに対応させているケースが多く、本系列のほかに50 / 60 Hz両対応車の旅客用車両は2017年時点でE655系・E001形(交流25 kV・50 Hzも対応)が存在するが、いずれも一般旅客輸送には対応していない。
- ^ 常磐線特急が発着する上野駅16・17番線ホームにも基本編成となるK301 - K308編成のシンボルマークが描かれた。
- ^ グリーン車連結の「フレッシュひたち」は651系・E657系で運用された。
- ^ 100番台は準備工事
- ^ 14B・14Cにあたる。
- ^ ダイヤ改正以前に運転されていた特急「北越」ならびに快速「くびき野」の運行体制を継承する。
- ^ a b c K308編成のうち、4 - 6号車(サハE653-8・モハE653-15・モハE652-15)
- ^ 正式には「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」
- ^ トイレ・洗面所等の車椅子対応化は未施工。
- ^ 製造時期の違いから、既存の座席とは仕様が異なる。
- ^ 常磐線の全線運行再開後は仙台駅発着の「ひたち」が再設定され、この区間のみを運行する特急列車は設定されなかった。
- ^ 2018年11月7日付で勝田車両センターへ転出[22][21]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『鉄道ファン』1997年11月号 pp. 6-13
- ^ a b 『鉄道ファン』1997年8月号 「JR東日本E653系この秋常磐線にデビュー!」
- ^ 日本機械学会交通・物流部門ニュースレターNo.16 (PDF) - 日本機械学会 1998年9月18日
- ^ a b 日立製作所『日立評論』 1999年3月号「最近の鉄道車両技術 (PDF) 」。
- ^ 日本鉄道サイバネティクス協議会「鉄道サイバネ・シンポジウム論文集」1997年(第34回)「E653系特急形交直流電車の主回路システム」論文番号504。
- ^ 東洋電機製造「東洋電機技報」1998年3月号(第101号)3P。同書ではE653系向けに補助電源装置、駆動装置、パンタグラフを納入したことが記載されている。
- ^ a b 『J-train』通巻39号、p.105
- ^ 『J-train』通巻39号、p.108
- ^ 「JR、特急の省エネ化加速 国鉄時代の車両置換え」『MSN産経ニュース』産業経済新聞社、2012年9月8日。2012年9月8日閲覧。オリジナルの2012年9月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『特急「いなほ」の車両を一新します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道新潟支社、2013年6月26日。 オリジナルの2014年3月21日時点におけるアーカイブ 。2013年6月26日閲覧。
- ^ 「特急「いなほ」一新へ…常磐線のE653系投入」『読売新聞 YOMIURI ONLINE』読売新聞社、2013年6月28日。2018年7月30日閲覧。オリジナルの2013年6月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『北陸新幹線 長野〜金沢間開業に伴う運行計画の概要について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2014年8月27日 。2014年8月27日閲覧。
- ^ 『北陸新幹線 長野〜金沢間開業に伴う運行計画の概要について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2014年8月27日 。2014年8月27日閲覧。
- ^ 『特急「しらゆき」の運転に伴うE653系投入について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道新潟支社、2014年8月27日。 オリジナルの2014年11月27日時点におけるアーカイブ 。2014年8月27日閲覧。
- ^ 「特別付録 新車カタログ2014」『鉄道ファン』通巻641号、交友社、2014年9月。
- ^ 「特別付録 新車カタログ2015」『鉄道ファン』通巻653号、交友社、2015年9月。
- ^ “列車案内>いなほ(E653系(1000番代))”. 東日本旅客鉄道. 2017年5月7日閲覧。
- ^ 「E653系U102編成に小変化」『railf.jp(鉄道ニュース)』交友社、2016年3月28日。2018年7月30日閲覧。
- ^ 名取紀之 (2015年3月4日). “特急「しらゆき」用E653系1100番代公開。”. 鉄道ホビダス(編集長敬白). ネコ・パブリッシング. 2019年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月30日閲覧。
- ^ a b 『鉄道ファン』2015年5月号 pp. 60-61
- ^ a b c 新井 正「JR東日本車両詳報 車両追跡 第14回「2018年冬」」『J-train』Vol.73、イカロス出版、2019年、113 - 115頁。
- ^ a b c 「JR東日本車両のうごき(平成30年11月分)」『鉄道ファン』第59巻、交友社、172頁。
- ^ 『常磐線特急に新型車両を導入!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2010年12月6日 。2012年12月6日閲覧。
- ^ 『春の臨時列車のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2013年1月24日。 オリジナルの2013年8月30日時点におけるアーカイブ 。2014年9月19日閲覧。
- ^ 「国鉄特急色のE653系K70編成が試運転を実施」『railf.jp(鉄道ニュース)』交友社、2018年12月16日。2019年3月5日閲覧。
- ^ 「【JR東】E653系K70編成 試運転」『鉄道ホビダス』ネコ・パブリッシング、2018年12月18日。2022年2月19日閲覧。
- ^ 『新色のE653系電車が運行を開始します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道水戸支社、2023年8月4日 。2023年8月5日閲覧。
- ^ 「E653系1000番台U-101編成が新潟車両センターへ」『railf.jp(鉄道ニュース)』交友社、2013年6月30日。2018年7月30日閲覧。
- ^ “2013年9月ダイヤ改正について”. 東日本旅客鉄道新潟支社 (2013年7月9日). 2014年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月9日閲覧。
- ^ “特急「いなほ」号のエクステリアデザインを変更します!” (PDF). 東日本旅客鉄道新潟支社 (2017年10月13日). 2017年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月14日閲覧。
- ^ 「瑠璃色の特急「いなほ」10月27日デビュー 「初列車」の乗客にプレゼントも JR東日本」『乗りものニュース』、2017年10月24日。2017年11月1日閲覧。
- ^ 「瑠璃色となったE653系U106編成が営業運転を開始」『railf.jp(鉄道ニュース)』交友社、2017年10月28日。2017年11月1日閲覧。
- ^ 「JR東日本E653系、ハマナス色の特急「いなほ」登場! 新潟駅を発車」『マイナビニュース』、2017年12月29日。2018年1月12日閲覧。
- ^ “E653系「上沼垂色」が登場、営業運転は4月21日「いなほ3号」から 前日には撮影会も”. article.yahoo.co.jp (2024年3月16日). 2024年3月16日閲覧。
- ^ 『JR電車編成表 2016冬』、交通新聞社、2015年11月、[要ページ番号]、ISBN 978-4-330-62315-3。
固有名詞の分類
東日本旅客鉄道の電車 |
East i JR東日本E993系電車 JR東日本E653系電車 JR東日本E257系電車 国鉄415系電車 |
- JR東日本E653系電車のページへのリンク