IRTフラッシング線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/16 15:12 UTC 版)
運行とその範囲
経路
フラッシング線を運行する系統はラズベリー色で示されている。以下の系統がフラッシング線の一部または全区間を走行する。
系統 | 時間帯 | |
---|---|---|
ラッシュ時 混雑方向 |
その他の時間帯 | |
各駅停車 | 全線 | |
急行 | 全線 | 運行なし |
フラッシング線は、クイーンズボロ・プラザ駅を境に2つの異なる区間に分かれる。フラッシング-メイン・ストリート駅を出発する時点では、中央に急行用の線路を配置した3線区間である。すぐに地下から出てルーズベルト通りの上に造られた鋼鉄製高架構造に入り、シティ・フィールドとUSTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターを通る。メッツ-ウィレッツ・ポイント駅と111丁目駅の間で、緩行線からコロナ車両基地への連絡線路が立体交差している。サニーサイド地区の48丁目で、クイーンズ・ブールバードに入り、華美な装飾を施したコンクリート製の高架橋が始まる。急行線の線路は33丁目-ローソン・ストリート駅とクイーンズボロ・プラザ駅の間で終わる。
クイーンズボロ・プラザ駅では、東行きの線路が西行きの線路より1階層上にあり、フラッシング線の線路はどちらも島式プラットホームの南側にある。島式プラットホームの北側はBMTアストリア線が使っている。かつては、クイーンズボロ・プラザ駅より東側では、フラッシング線とアストリア線の両方をIRTとBMTの双方が運行していた。プラットホームのすぐ東側で、東行きの線路の間に渡り線がなおも存在しているが、BMT用の車両はIRT用の車両よりも幅が広いため、営業運行に使うことはできない。この渡り線が、フラッシング線と他の地下鉄路線の間にある唯一の線路の接続である。
クイーンズボロ・プラザ駅の西側ではすぐに南側へ向きを変え、23丁目の上の高架橋に入る。アムトラックのサニーサイド車両基地の西側の端へ向けて走り、さらに2か所の地下駅を通って、イースト川の下をスタイン・ウェイトンネルでくぐってマンハッタンに入る。路線は42丁目の下を走り、一部は42丁目シャトルの直下を走って、その後斜めに41丁目に入る。タイムズ・スクエア駅では他の路線との線路の接続はなく、41丁目の直下にある。
タイムズスクエアのすぐ西側では、線路は急激に降下して11番街へと曲がる。線路は24丁目まで続いているが、最後の駅は34丁目にある。この区間はマンハッタンのファー・ウェストサイドに路線を伸ばす、7系統延伸計画の一環として建設された。IND8番街線の42丁目/ポート・オーソリティ・バスターミナル駅の、使われなくなった下層プラットホームがかつては行く手を遮っていた。インディペンデント・サブウェイ・システム (IND) は、IRTがフラッシング線をさらに伸ばすことを阻止するためにこのプラットホームを建設したのだと噂されていたが、当初の設計図すべてが、IRTがそのような延長を計画したことはなかったと示唆している。ニューヨークも立候補していた2012年の夏季オリンピック開催都市にロンドンが選ばれたことから、延伸計画の必要性に疑問を呈する向きもあったが、市はハドソン・ヤード再開発計画の下でウェストサイドの再開発を実現する手段として推進した。
特徴
フラッシング線は、ニューヨーク市地下鉄においてシャトル以外の路線では2本しかない、他の運行系統や路線と線路を共有せず1つの系統だけを運行している路線の1本である。もう1本はL系統だけを運行しているBMTカナーシー線である。このためカナーシー線と同様に、新しい車両を導入してCBTCを利用して自動運転を実現する計画がある。
フラッシング線を運行する7系統は、ニューヨーク市地下鉄の中で連結両数が最大である。7系統の列車は11両編成であるのに対して、他のほとんどの路線は10両または8両編成である。しかし編成長がもっとも長いわけではない。IND/BMTの車両は全長60フィート(約18メートル)で、10両編成の編成長は600フィート(約180メートル)であるのに対し、IRTの車両は全長51.4フィート(約15.7メートル)で、11両編成でも編成長565フィート(約172メートル)であり、IND/BMTの10両編成の方が35フィート(約11メートル)長い。
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