CCDイメージセンサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/08 14:56 UTC 版)
歴史
CCDは、1969年、アメリカ電信電話[7]ベル研究所にいたウィラード・ボイルとジョージ・E・スミスによって、磁気バブルメモリの動作原理から着想し、半導体に応用することによって発明された[8]。フェアチャイルドセミコンダクター、RCA、テキサス・インスツルメンツを含むさまざまな会社がその発明を採用し、プログラム開発を始めた。フェアチャイルドが、商用デバイスに利用した最初の会社となった。1974年までに、500セルの一次元素子との100x100セルの二次元デバイスを発売した。岩間和夫によるリーダーシップのもと、ソニーは、注目すべき額の投資を含むCCDへの大きな開発努力を始めた。結局、ソニーは自社のカムコーダー用にCCDを大量生産することが可能になった[9]。
ベル研究所での発明の後、遅延線として、あるいはイメージセンサとしての応用研究が進み、1970年代後半には試作カメラが、1980年代には実用的なカラーテレビカメラが製品化され、半導体加工技術の進歩により撮像管を代替した。1990年代にはデジタルスチルカメラが誕生し、21世紀初めには銀塩カメラを代替しつつある。
2006年1月、ボイルとスミスは、CCDに関する仕事が認められ全米技術アカデミーのチャールズ・スターク・ドレイパー賞を受賞した[10]。2009年、二人はノーベル物理学賞を受賞した[11]。
製造
CCDイメージセンサは、ほかの半導体集積回路と同様にシリコンウェハーから製造する。他の半導体集積回路の製造と基本的には変わらないが、受光面への配慮が求められ通常のモールディングは行なわれず、サブストレートへの実装などで保持される。
応用
- デジタルカメラ
- ビデオカメラ
- カメラ付携帯電話
- 複写機、ファクシミリ
- 自動車用カメラ
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡)
出典
- ^ 神崎 洋治 (著), 西井 美鷹 (著) 「体系的に学ぶデジタルカメラのしくみ 第2版」日経BPソフトプレス; 第2版 (2009/1/29) 第5回 : CCDの電荷バケツリレーのしくみ デジカメの「しくみ」
- ^ 安藤 幸司 (著)「らくらく図解 CCD/CMOSカメラの原理と実践 」らくらく図解 CCD/CMOSカメラの原理と実践 - 安藤幸司 - Google ブックス
- ^ 加藤俊夫 半導体入門講座(Semiconductor JapanのWeb上講義)第16回 イメージセンサ [1]
- ^ CCDカメラとは 株式会社日本ローパー
- ^ 「CCDのアナログ信号処理回路への応用」doi:10.3169/itej1954.30.377
- ^ AF35ML(オートボーイスーパー)/AF35ML(オートボーイスーパー) クオーツデート - キヤノンカメラミュージアムに「CCD(電荷結合素子)ラインセンサーを使用した三角測量方式によるオートフォーカス」とある。2023年9月8日閲覧。
- ^ 現在はAT&Tの子会社。
- ^ 例えば、次の特許を参照のこと。 US3792322A - Buried channel charge coupled devices - Google Patents(アメリカ合衆国特許第3,792,322号)とUS3796927A - Three dimensional charge coupled devices - Google Patents(アメリカ合衆国特許第3,796,927号)また、特許の解説(日本語)として、以下の記事が詳しい CCD: 石くれと砂粒の世界。
- ^ たとえば、US419213A - Feed-water heater - Google Patents(アメリカ合衆国特許第419,213号) US4194213A - Semiconductor image sensor having CCD shift register - Google Patents(アメリカ合衆国特許第4,194,213号)を参照のこと。
- ^ Charles Stark Draper Award
- ^ Nobel Prize website
- ^ 例えば、US5877807A - Optoelectronic colored image converter - Google Patents(アメリカ合衆国特許第5,877,807号)
- ^ Bryce Bayer, Inventor of a Filter to Make Color Digital Pictures, Dies at 83 - The New York Times
注釈
- ^ 米国メイン州ポートランド出身の考案者Bryce Bayerが由来であり、正式な発音は/ˈbaɪər/(カナ表記するならば「バイヤー」もしくは「バイアー」)だが[13]、日本語では英語読みをベースに「ベイヤー」と表記されることが多い。
CCDイメージセンサと同じ種類の言葉
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