バックプレーン バックプレーンの概要

バックプレーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/14 02:03 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
PICMG 1.3 規格のバックプレーン
VMEバスのカードとバックプレーン(奥)

概要

コンピュータを、CPUを含む各モジュールがバックプレーンバスで接続されている、といった構成で作ることは、パソコン以前の古くから見られる。たとえばDECミニコンUnibusがある。

マイクロコンピュータで、このような形態でコンピュータシステムを構成した古い例としては、S-100バスを使ったシステムがある。Apple IIIBM PC といった初期のパーソナルコンピュータでも拡張カード用のバックプレーンを内蔵していた。

マザーボードは、バックプレーンとしての機能も持つが、通常バックプレーンとは別に扱われる。バックプレーンの場合、その回路基板上には計算能力がなく、CPUはプラグインで提供されるCPUボード上にある。

バックプレーンはケーブル接続よりも信頼性に優れているとされている。ケーブルの場合、カードを挿入・抜去する度にケーブルを動かす必要があり、それによって機械的な障害が発生する可能性がある。バックプレーンの場合、コネクタの寿命が続く限り、高い信頼性を維持する。例えば、VMEバスシステムで使われている DIN 41612 コネクタは50回から500回の挿入/抜去が可能とされている(製品の種類によって差がある)。

バックプレーンは、CPUその他のコンピュータ機能を実装した制御用シングルボードコンピュータ以外の最小限の機能を提供する。PICMG 1.3 規格のシングルボードコンピュータは、PICMG 1.3 バックプレーンと接続可能で、System Host Board と呼ばれる。

シングルボードコンピュータと対応していないバックプレーンは、単にプラグインカード群への電源供給を行う。例えば、プラグインカード製造業者は、そのようなバックプレーンを使って製品上のROMの焼付けを行う。

さらに、コンピュータのバスをケーブルで拡張して外部のバックプレーンに接続する形態もある。この場合、通常そのバックプレーンは別筐体にあり、ホストコンピュータ内にある拡張スロット以上のスロットや仕様の異なるバスのスロットを提供する。接続に際しては、ケーブルだけでなく、本体側の通信回路(基板)と拡張バックプレーン側の拡張基板が必要である。この場合、バックプレーン側にシングルボードコンピュータは不要である。

アクティブ・バックプレーン

パーソナルコンピュータでは、初期の IBM PCISA やS-100バスの場合のように全てのコネクタが共通のバスに接続される形態から、より複雑な形態へと進化している。PCI 規格では駆動できるスロット数などに限界があるため、バックプレーンは「アクティブ」なものと「パッシブ」なものに枝分かれしている。

パッシブ・バックプレーンでは、回路を駆動するようなアクティブなバス要素は持たない。必要な調停回路は全てプラグインされるカード側にある。アクティブ・バックプレーンでは、スロット間の各種信号のバッファリングを行うチップを実装している。

これらの違いはそれほど明確でない場合もあるが、単一故障点(SPOF)がないシステムを構築しようとする場合に重要となる。パッシブ・バックプレーンは、それがシステム内に1つしかない場合でも、SPOFとはみなされない。アクティブ・バックプレーンはもっと複雑であるため、故障の可能性がゼロとは言えない。

インテルのプロセッサを中心としたシングルボードコンピュータでは、PICMG がバックプレーンのインタフェース規格として PICMG 1.0, 1.1, 1.2[2](ISA と PCI をサポート、1.2 はさらに PCIX もサポート)と PICMG 1.3[3] [4]PCI Expressサポート)を提供している。

ストレージにおけるバックプレーン

SCSI規格のHDDを複数個実装するためのバックプレーン

バックプレーンは、複数のハードディスクドライブを単一のディスクアレイ・コントローラに接続する際にもよく使われる。このようなバックプレーンは、ディスクエンクロージャ、ディスクアレイサーバなどによく見受けられる。

SATASASのハードディスクドライブでは、バックプレーンとホストバスアダプタとの通信にSGPIOプロトコルが一般に使われる。




「バックプレーン」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バックプレーン」の関連用語

バックプレーンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バックプレーンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのバックプレーン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS