コンバットアーマー 第三世代

コンバットアーマー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/14 22:41 UTC 版)

第三世代

ソルティックHT128 “ビッグフット”

諸元
ソルティックHT128 “ビッグフット”
分類 コンバットアーマー
製造 ソルティック社
全高 11.64 m
空虚重量 27.043 t
全備重量 29.261 t
ジェネレータ ロールスロイス N13F
基本出力 毎秒63ポイント
最高走行速度 48 km/h(凍土上)
作戦行動時間 231分
武装 連装ハンドリニアガン
6連装ロケット弾ポッド
連装スモークディスチャージャー×2
乗員人数 2名
基本設定
複座型の寒冷地用2足型CBアーマー。ラウンドフェイサーの後継機として「重装型コンバットアーマー」をコンセプトに開発されたが、当初はラウンドフェイサーを単に重装化しただけという感が否めず、その開発途上における関係者の評価は高いとはいえなかった。また、アビテート社のT10B/Cブロックヘッドでも問題となった複座方式はパイロットの慣熟に時間を多く要する点でやはりマイナス点とみられていた。さらに、先に完成していたアイアンフット社のF4Xヘイスティが連邦と解放軍の両陣営でめざましい活躍を見せたことは、二足歩行型CBアーマー開発のパイオニアを自負するソルティック社開発陣のプライドを著しく傷つけ、開発は一時中断となってしまう。しかし、マッケレルの防水シールド技術を防寒(過冷却による機能低下防止)に応用することで寒冷地用に仕様変更された。このような方便で本機が兎にも角にも日の目を見ることができた背景には、ソルティック社の属するメドール州の発言力の大きさがあるといわれている[3]
完成した機体は、カタログスペックではT10Cにも勝っていた。ロールアウトした生産型は全てデロイアに運ばれ、その数は78機となっている。名前の由来はアメリカの雪男で、実際に氷雪上での安定性向上のために足底には洗濯板状の滑り止めが施されている。デザイン的にはブロックヘッドの風防部分がラウンドフェイサーのように大きくドーム状になったように見える。機体色はブルーグレー。
ソルティック社における社内番号はSV-J322[22]
劇中での描写
ラドルフ少佐の部隊がカルナック山脈で使用する。しかし連邦軍の敗北続きという戦況によって全軍の士気が著しく低下して逃げ腰になっている状況だったため、ダグラムはおろか歩兵の火器にすら次々に撃破されるばかりだった。北極ポートの手前で、不意の戦闘停止によって解放軍が混乱した時にようやく本領を発揮し、解放軍にダメージを与える。
カルナック山脈や北極ポートでの戦いに参戦した機体は、そのままでは防寒が不充分なため、雪中迷彩も兼ねて「服(防寒シールド)」を着用して実戦参加している。
『Get truth 太陽の牙ダグラム』では、ダグラムとの戦闘で負傷し、クリンに復讐心を抱くトラビスとアウラの男女の連邦軍兵士コンビが操縦する左腕に大型高周波ブレードを装備した機体が、整備中で戦闘もままならないダグラムに襲いかかって苦しめるが、敗れ去る。

アイアンフットF4X “ヘイスティ”

諸元
アイアンフットF4X “ヘイスティ”
分類 コンバットアーマー
製造 アイアンフット社
全高 8.94 m
空虚重量 29.963 t
全備重量 33.516 t
ジェネレータ ロールスロイス N13-GF
基本出力 毎秒68ポイント
最高走行速度 47 km/h(作戦全備重量時)
作戦行動時間 275分
武装 アームリニアガン
連装アーマーライフル
9連装大型ミサイルポッド
3連装スモークディスチャージャー
乗員人数 1名
基本設定
ラウンドフェイサーに代わる次期主力機を目指して開発された、Xネブラ対応型の高性能CBアーマー。ダグラムのデータをベースに開発されたとも言われ、カラーリングもダグラムに似たダークブルー中心の彩色となっているが[28]、劇中では特に触れられてはいないこともあり真偽は不明。頭部が無く右胸部にトーチカ型のコクピットがあり、重心の低い左右非対称のデザインである。その型番も、二足歩行型ながらアビテート社のガンナータイプと同じく戦車型を意味する「F」ナンバー。
大型の新型アームリニアガンに合わせる形で機体が設計され、上半身が大きく安定性が悪いため、脚を太短くして重心を下げたといわれる[3]
コクピットが右胸部にあるのに対し大型ミサイルポッドは左肩上部に搭載されているため、これが被弾誘爆しても、劇中でラウンドフェイサーが陥ったようなコクピット大破の危険性は減少している。反面、乗員からの直接視界が狭いため、センサーで補っている。また、関節駆動系を全てマッスルシリンダーにしたのも特徴の一つである。上半身のボリュームが大きい外見のため大型の機体に見えるが、他の二足歩行型CBアーマーに比べ全高は4分の3程度の小型の機体で、機体幅はブロックヘッドより狭い。特異な形状のためマベリックでの空輸は不可能で、多脚型CBアーマー同様にボーンフィッシュが用いられる。また、「ヘイスティ(せっかち)」の名の通り、重厚な見かけによらず素早い横移動ができる。
本機は呼称設定が不安定な存在である。書籍、雑誌といった関連メディアやプラモデル商品のパッケージ等に掲載された設定では「アイアンフット」がメーカー名、「ヘイスティ」が機種の愛称となっている。しかし、劇中の脚本では「今後はこのアイアンフットタイプが主流になっていきます」といったセリフに代表されるように、終始一貫「アイアンフット」が機種名として登場人物たちに呼ばれ続け、「ヘイスティ」という名は結局最後まで作中には登場しない。さらに厳密には、「アイアンフット」(Iron foot:鉄の足)という名も第61話で連邦軍兵士から呼ばれるまでは脚本上では語尾が異なり、「アイアンフッド」(Iron hood:鉄なるもの、鉄のごときもの)という音で発音されていた。
劇中での描写
デロイア人脱走兵とそれをかばう太陽の牙に対する追撃に2機が初めて投入され、その機動力と重装甲を存分に発揮、後退戦とはいえダグラムをもってしても腕や脚を破壊して行動不能にするのがやっとであった。その際クリンは本機の大型アームリニアガンの性能に驚愕している。その直後、第8軍ウルナ基地の司令官の横暴に怒ったデロイア人兵士による反乱が勃発、続いて多くの基地で同様の事件が発生し、配備開始直後という時期も重なって、本機のほとんどが解放軍側に奪われ、その主力CBアーマーとなる。
複数の機体による重火器攻撃を主眼に開発された機体であるが、1機でラウンドフェイサー2機を両脇にヘッドロックの状態で抱え込んで動きを封じるなど、機体そのもののパワーも相当高い。
ただし、解放軍で使用されるようになってからは、デロイア人系パイロットの錬度不足もあってか砲撃やラウンドフェイサー、ブロックヘッド等に容易に撃破される描写も多く見られ、必ずしも高性能を発揮できていない部分もある。
スタンレー高原攻防戦ではダグラムが修理中だったため、クリンも使用している。しかし、「慣れない機種の操縦は相当難しいぞ」というザルツェフの指摘の通り、それなりの戦果は挙げたものの結局撃破され、クリン自身は脱出している。
なお、劇中では「アイアンフット」をメーカー名ではなく機体名として語る台詞があり、以降もこの名で呼ばれている。『Get truth 太陽の牙ダグラム』では、デロイヤ解放軍の本機が、TVでのダグラムと同様にハンググライダーを装着して飛翔するシーンがある。

アビテートF35C “ブリザードガンナー”

諸元
アビテートF35C “ブリザードガンナー”
分類 コンバットアーマー
製造 アビテート社
最大高 10.368 m
空虚重量 29.650 t
全備重量 32.543 t
ジェネレータ アラナコフ RM6C
基本出力 毎秒57ポイント
最高走行速度 45 km/h(凍土上)
作戦行動時間 320分
武装 リニアカノン
30ミリ機関砲
7連装ミサイルポッド
3連装スモークディスチャージャー×2
乗員人数 2名
基本設定
第三世代に相当する機種だが、寒冷地の雪上や氷上での戦闘に特化するため、敢えて古い形式の多脚型で設計された高性能CBアーマー。デザートガンナーの発展型ともいえるマルチ可動四脚式。極限まで小型軽量化がはかられ、CBアーマー史上最小の地上高である。これは雪原での潜伏戦術を想定したためで、砲塔を廃したことで機体の最低地上高を低く抑えることに成功しただけではなく、従来のガンナーシリーズではネックだった安定感の無さも重心を低く、広くした事で克服している。砲塔がないため砲身が左右に振れない点については、機体自体の向きを変えることで対応する[29]為、射角を変えることによる各種射撃にも対応出来る。機体上面の雪を溶かす融雪機能を持つ。第1世代のガンナータイプ3機種が戦車に似通っているのに対し、本機は突撃砲に類似するデザインとなっている。機体色はブルーグリーン。
アビテート社における社内番号はA-127とされ[6]、これまでの法則からいけばA-C127辺りが妥当であるが、第三世代CBアーマーの頃には省略された可能性も考えられる。
劇中での描写
第67話でカルナック山脈での解放軍迎撃に投入され、機体の低さを活かして待ち伏せ攻撃を行う。不意討ちでヘイスティを撃破するなどの戦果を挙げるが、ダグラム相手では雪中という地の利を得ても、完全な優位に持ち込むまでには至らず、一進一退の格闘を繰り広げるも結局撃破される。
『Get truth 太陽の牙ダグラム』では、太陽の牙に奪取された機体が、ロッキー・アンドルの操縦で使用され、ダグラムと共にデロイヤ解放軍のCB隊の一角となって、ダグラムをサポートする活躍を見せている。カラーは当初はアニメ同様ブルーグリーンだったが、後にT10Cブロックヘッドに近いブラウンとなり、脚部形状もオリジナルとは若干異なり、機体下部に7連装ミサイルポッドを二基追加している。

作中に登場しない第三世代機

アビテートT12A“ロッグヘッド”
基本設定
『デュアルマガジン』が出典[30]。後方支援用に開発された機体で、当初はT10E“ブロックヘッドFS(ファイヤーサポート)”として承認されたようだが、根本的な設計変更があったため型式番号と名称が変更された。頭部上方に大型10連装ミサイルランチャー、右手にリニアキャノンを装備しており、アイアンフット社のヘイスティに類似しているが偶然コンセプトが一致したためとされる(このため第三世代に分類した)。
ソルティックHT128C “ビッグフットC型”
基本設定
「大河原オリジナルメカシリーズ」でイラストレートされた機体。デロイア独立戦争後に再設計されたHT128の改良型。総合的に性能が向上しているが基本設計は変更されていないため、従来の工場生産ラインを改修するだけで量産が実施できた。

注釈

  1. ^ 漫画版や『コミックボンボン』などでは「ゴーストフォーメーション」と呼称している。
  2. ^ 撃たれる描写無しでいきなり爆発しているので、損傷のダメージに耐え切れなくなったのかヘイスティに撃たれたのかは不明確。
  3. ^ 実際作中でバランスを崩してしまうのが見られた。リニアカノンは描かれていない[21]

出典

  1. ^ a b 完本 2008, p. 117.
  2. ^ 『デュアルマガジン』第1号、タカラ丸善、1982年6月、[要ページ番号] 
  3. ^ a b c d e f g h i 『デュアルマガジン』連載(丸善) 小田雅弘「ミリタリー・ダグラム/たぶん、モデラーの役に立つかもしれないCBアーマー開発史」による。
  4. ^ 世代の分け方については『デュアルマガジン』(丸善)連載「ダグラムメカニズムワールド」より。
  5. ^ 第19話「包囲網を破れ」より。
  6. ^ a b c d e f g h 『コミックボンボン』1983年5月号、講談社
  7. ^ 完本 2008, p. 29.
  8. ^ 『チョロQダグラム』では、ガルシアの副官オッペが、転倒したダグラムにマシンガンを撃ち込んでいる。
  9. ^ タカラ製プラモデルの説明書より。
  10. ^ 完本 2008, p. 30.
  11. ^ 完本 2008, p. 74.
  12. ^ 第2話劇中のバスクの台詞より。
  13. ^ 第1話の戦闘シーンより。
  14. ^ a b c d 『デュアルマガジン』(丸善)連載「ダグラムメカニズムワールド」
  15. ^ 完本 2008, p. 28.
  16. ^ 第34話「武器が誰がために」より。
  17. ^ 第23話「狙われたゲリラ会議」より。
  18. ^ 第25話「潜入バラフ軍刑務所」より。この時クリンは貫通弾(徹甲弾)の事を「1号弾」、炸裂弾(榴弾)の事を「3号弾」と呼んでいる。
  19. ^ 第60話「デロイアの光と影」より。
  20. ^ このほか、2015年10月5日から2021年3月30日までバンダイナムコエンターテインメントよりサービス配信されていたスマートフォンタブレットシミュレーションRPGソーシャルゲームスーパーロボット大戦X-Ω』では「ヤクト ダグラム」と名付けられた。
  21. ^ 『戦闘メカ ザブングル』徳間書店〈ロマンアルバム・エクストラ(57)〉、1983年、124頁。雑誌コード:61577-75。 
  22. ^ a b c d 『コミックボンボン』1983年7月号、講談社
  23. ^ 『デュアルマガジン』No.3、タカラ、丸善、1982年12月
  24. ^ タカラ『1/48ブッシュマン』解説書。
  25. ^ a b 完本 2008, p. 75.
  26. ^ 完本 2008, p. 32.
  27. ^ 『デュアルマガジン』第6号、タカラ、丸善、1983年、[要ページ番号] 
  28. ^ ダグラムカラーでは「ディープパープル」というやや紫がかった色(タカラ1/144コレクションシリーズの塗装説明図より)。
  29. ^ 完本 2008, p. 35.
  30. ^ 『デュアルマガジン』第5号、タカラ、丸善、1983年6月






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