鹿の王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 09:21 UTC 版)
生き物
- ピュイカ(飛鹿)
- 鹿。断崖を下るなど山では馬よりも行動しやすい。
- 山犬(オッサム)
- 謎の獣。山犬の牙にかかった人間は謎の病にかかり死んでしまう。
- 土葬した動物の死骸を掘り起こして食べる習性がある。
黒狼熱について
- 元々の黒狼熱
- 病素はアカファ王国やその近辺に生息するダニが持っており、飛鹿、火馬、トナカイなどは生息地に生える地衣類を食べていたことから、体内に黒狼熱への免疫を持っていた。また、アカファ王国民や各山地民は飛鹿、火馬、トナカイなどの乳製品を普段から口にしていたことから、黒狼熱への免疫をもっていた。オタワル王国にはそのダニが生息しておらず、東乎瑠帝国は宗教上の理由で乳製品を口にしないため、免疫を持っていなかった。
- 東乎瑠帝国の侵略と毒麦事件
- 東乎瑠人の入植により、各地で東乎瑠人が口にする黒麦が栽培され始めた。東乎瑠人が持ち込んだ黒麦と、古くからその土地で〈火馬の民〉が栽培しているアカファ麦が自然交配された結果、新しいアカファ麦は毒穂がつきやすい毒麦となった。毒麦とは知らずに毒麦を食べた火馬が死んだうえ、これが毒麦事件に発展するが、その中には毒麦を食べても死なない火馬や羊がいた。
- 〈火馬の民〉の風習と〈キンマの犬〉
- 山犬と黒狼をつがわせ、半仔である〈キンマの犬〉が生まれた。〈火馬の民〉は火馬や羊が病んで死んだとき、塚に埋めてその肉を掘り出して母犬に食べさせる(獣の体内に生じた抗体や病素を接種させ、強い子犬を産ませるため)。火馬は黒狼熱への免疫を持っており、その肉を食べた母犬から産まれた子犬もまた免疫を持っている。毒麦を食べても死ななかった火馬や羊が他の病で死んだときも同様に母犬に食べさせ、このときに生まれた子犬は黒狼熱と免疫、毒麦の毒と免疫の両方を得た。また、この子犬は賢く育ちが早く、新しい〈キンマの犬〉となった。
- アカファ人の食生活の変化
- 東乎瑠帝国の入植によってトナカイの乳を入手しにくくなった結果、アカファ人の黒狼熱への免疫が薄くなってきている。
- 新しい黒狼熱
- 新しい〈キンマの犬〉によって元々の黒狼熱と毒麦の毒が合わさり、新しい黒狼熱が生まれた。元々免疫をもっていたヴァンたちに変化が訪れたのは、新しい黒狼熱による影響である。アカファ人は黒狼熱に罹らないはずであったが、免疫が弱まり黒狼熱も強力化したことから、アカファ人にも感染するようになった。
既刊一覧
小説
単行本
- 上橋菜穂子、KADOKAWA、全3巻
- 『鹿の王 上 生き残った者』2014年9月25日初版発行(同日発売[5])、ISBN 978-4-04-101888-0
- 『鹿の王 下 還って行く者』2014年9月25日初版発行(同日発売[6])、ISBN 978-4-04-101889-7
- 『鹿の王 水底の橋』2019年3月27日発売[7]、ISBN 978-4-04-107118-2
角川文庫
- 上橋菜穂子、KADOKAWA〈角川文庫〉、全5巻
- 『鹿の王 1』2017年6月17日発売[8]、ISBN 978-4-04-105489-5
- 『鹿の王 2』2017年6月17日発売[9]、ISBN 978-4-04-105508-3
- 『鹿の王 3』2017年7月25日発売[10]、ISBN 978-4-04-105509-0
- 『鹿の王 4』2017年7月25日発売[11]、ISBN 978-4-04-105510-6
- 『鹿の王 水底の橋』2020年6月12日発売[12]、ISBN 978-4-04-109292-7
角川つばさ文庫
- 上橋菜穂子(著) / HACCAN(イラスト)、KADOKAWA〈角川つばさ文庫〉、既刊4巻(2020年8月7日現在)
- 『鹿の王 1』2018年12月15日発売[13]、ISBN 978-4-04-631833-6
- 『鹿の王 2』2019年2月15日発売[14]、ISBN 978-4-04-631834-3
- 『鹿の王 3』2020年5月13日発売[15]、ISBN 978-4-04-631835-0
- 『鹿の王 4』2020年8月7日発売[16]、ISBN 978-4-04-631836-7
漫画
- 上橋菜穂子(原作) / 関口太郎(作画) 『鹿の王 ユナと約束の旅』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、全2巻
- 「上」2021年9月10日発売[17]、ISBN 978-4-04-111811-5
- 「下」2022年3月10日発売[18]、ISBN 978-4-04-111812-2
注釈
出典
- ^ 「【期間限定】映画オフィシャルガイド付き!原作・上橋菜穂子『鹿の王 1』超ロング試し読みを電子書籍ストアにて無料配信!!」『PR TIMES』、KADOKAWA、2022年2月1日 。2022年12月13日閲覧。
- ^ a b “上橋菜穂子原作、安藤雅司初監督の「鹿の王」21年に公開延期”. 映画ニュース. 株式会社エイガ・ドット・コム (カカクコムグループ) (2020年8月6日). 2021年8月10日閲覧。
- ^ “アニメ映画『鹿の王 ユナと約束の旅』が「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」長編部門コンペティションに選出!”. animate Times. アニメイト (2021年5月21日). 2021年8月10日閲覧。
- ^ a b c “劇場アニメ「鹿の王」メインキャストとして堤真一、竹内涼真、杏が出演!特報も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年4月1日) 2021年4月1日閲覧。
- ^ “鹿の王 上 生き残った者”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 下 還って行く者”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 水底の橋”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 1(角川文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 2(角川文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 3(角川文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 4(角川文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
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- ^ “鹿の王 1(角川つばさ文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
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- ^ “鹿の王 4(角川つばさ文庫版)”. KADOKAWA. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 ユナと約束の旅 上”. KADOKAWA. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “鹿の王 ユナと約束の旅 下”. KADOKAWA. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “【2015年本屋大賞】上橋菜穂子氏の『鹿の王』に決定”. ORICON NEWS (oricon ME). (2015年4月7日) 2019年3月28日閲覧。
- ^ 『第4回「日本医療小説大賞」受賞作決定のお知らせ』(プレスリリース)公益社団法人日本医師会・株式会社新潮社、2015年3月26日 。2019年3月28日閲覧。
- ^ “鹿の王(上)‐‐生き残った者‐‐”. 新刊JP. 新刊ラジオ第1737回. 株式会社オトバンク (2014年9月25日). 2021年5月9日閲覧。
- ^ “アニメ映画「鹿の王」公開が9月から2021年へ延期に”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年8月6日) 2020年8月6日閲覧。
- ^ “劇場アニメ「鹿の王 ユナと約束の旅」公開が再延期”. 映画.com (株式会社エイガ・ドット・コム). (2021年8月26日) 2022年2月1日閲覧。
- ^ “トップアニメーター・安藤雅司初監督作品『鹿の王』2022年2月4日公開決定”. ORICON NEWS (oricon ME). (2021年12月6日) 2022年2月1日閲覧。
- ^ “堤真一×竹内涼真×杏『鹿の王』の声優に!新映像&新公開日も発表”. シネマトゥデイ. 株式会社シネマトゥデイ (2021年4月1日). 2021年4月1日閲覧。
- ^ 関口太郎による2017年7月20日11:37の発言
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