風呂敷 近年の再評価

風呂敷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/08 07:47 UTC 版)

近年の再評価

環境問題への効果

西洋渡来のなどに比べ、包むものの大小・形状にとらわれることなく変幻自在に包むことができること、包むものがないときには畳んでかなり小さくすることができて軽量であることなど、その融通性・自在性が、環境問題への貢献とともに、「風呂敷」が近年見直されている点であると考えられる。

レジ袋1枚を約8g~10gとすると、製造過程で小さな猪口1杯分(約16~18ml)の原油を使うとされている。また、製造過程で30g、焼却過程で31gの二酸化炭素を排出するため、1枚のレジ袋を使用しないと約61gの二酸化炭素の排出抑制ができる。環境省によると、現在日本で年間に使われるレジ袋は約300億枚で、原油換算すると約60万キロリットルに達し、ごみとして出される量は約60万トンにもなるという。このため、買物に際してレジ袋の利用を止めて風呂敷へと転換するごとに二酸化炭素とごみの削減効果に個人レベルで日常的に貢献でき、ひいては地球温暖化防止に貢献することにつながるといえる[2][3]

こうした動きにより風呂敷が再評価され、「織り」や「染め」等の特殊手法を施した風呂敷や浮世絵アニメ等をモチーフとした柄など、多様な風呂敷が近年発売されている[注 1]。また、近年では日本風呂敷協会によるデザインコンペ等も開催されている。

2011年に開催された野外音楽イベント「フェスティバルFUKUSHIMA!」では、会場で表面被爆を防止するために風呂敷が採用された。全国から寄せられた風呂敷を使い、合計6000平方メートルを超える大風呂敷が制作された。イベント後も大風呂敷は多数の参加者によるアート作品として定着していった[4]


注釈

  1. ^ ドラえもん、富嶽百景等がある。

出典

  1. ^ 『日常礼法の心得』 徳川義親、1941年、贈答(127頁-140頁)。
  2. ^ Minister Koike created the "Mottainai Furoshiki" as a symbol of Japanese culture to reduce wastes
  3. ^ 環境省、循環型社会・3R関連、もったいないふろしきについて(小池元環境大臣)、2016年3月9日閲覧。
  4. ^ 磯部涼『プロジェクトFUKUSHIMA! 2011/3.11-8.15 いま文化に何ができるか』K&Bパブリッシャーズ、2011。pp.70-79


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