陰茎 陰茎に関する疾患

陰茎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 10:00 UTC 版)

陰茎に関する疾患

小陰茎・小陰茎症

小陰茎・小陰茎症 又は、マイクロペニス(en:Micropenis)とは遺伝子異常のクラインフェルター症候群[18]やホルモンバランスなどの影響で陰茎の平均サイズより著しく「小さい」又は「小さく」なる病気である。7cm未満の陰茎の場合に小陰茎と呼ばれる。患者の割合は成人男性の約0.6%を占める。マイクロペニスと診断された場合、治療が行われることもある。

勃起不全

ドイツ語でインポテンツ(Impotenz;略してインポ)。近年ではED (Erectile Dysfunction) とも呼ばれる。陰茎の勃起は、副交感神経に依存しており、末梢神経障害、心因性、脊髄損傷などで十分な勃起が起きなくなることがある。この勃起機能の低下を「勃起不全」という。ストレスなどで一時的に陥ることもあり、また糖尿病など特定の病気によってや、年齢を重ねるに従い勃起不全となる率も高くなる。勃起不全は40〜70歳の男性における有病率は50%で、加齢により上昇する[19]

尿路感染症

男性は、女性に比べて陰茎の分だけ尿道が長く(一般的に男性は十数 cmで、女性は4 cm前後である)、また肛門から外尿道口が離れているため、女性に比較して尿路感染症にかかりにくい。しかし、高齢になると、男性も前立腺肥大症になると膀胱に尿が貯留する傾向となるため尿路感染症にかかりやすくなる。一部の日和見感染以外は、起因菌は大腸菌である。反復感染する場合は、尿路系の先天性奇形の存在や、尿路異物の存在を疑う。

陰茎折症(陰茎骨折)

勃起状態の陰茎に無理な力が加わると、海綿体を包んでいる白膜(陰茎海綿体薄膜)などが断裂する事があり、これを陰茎折症という[20]

陰茎癌

尖圭コンジローマ

先天性奇形

半陰陽や、尿道下裂などが知られる。

包茎(真性包茎)

包皮を反転させて亀頭を露出させることが不可能な場合を、「包茎(ほうけい)」あるいは「真性包茎(しんせいほうけい)」と呼ぶ。包皮の一部が亀頭に癒着していることや、亀頭先端を覆う包皮が狭い(包皮輪狭窄が起こっている)ために亀頭を通過させられないことが原因で起こる[21][22]。罹患率は0.6 - 3.7%[16]、または15歳の男性で8.6%[23]

嵌頓包茎

包皮輪狭窄が起こっている包茎には、平常時には包皮を反転させられる場合があるが、その結果、包皮の狭い部分が陰茎を絞扼し、亀頭が鬱血し、包皮を亀頭に被せられなくなることがある。このような症状を、「嵌頓(かんとん)」ないしは「嵌頓包茎(かんとんほうけい)」と呼ぶ場合もある。この場合、鬱血している部分が壊死する恐れがあるため、速やかに医療機関で処置を受ける必要がある。

その他

平常時に亀頭が包皮に覆われているものの、勃起時に自然と亀頭が露出する、または手で容易に包皮を剥いたり亀頭に被せたりすることができる場合は、俗に「仮性包茎」などと美容外科業界などで呼ばれる[21]が医学用語ではなく、英語圏では単に"uncut"(割礼していない状態)と呼ばれる。また公的治療の対象ではない。公的治療対象となるのは病理学上の包茎(真性包茎)のみである。したがって診療上は「包茎」といった場合は「真性包茎」のみをさし、公的医療保険の対象となる。割礼を行わない成人男性の大半はこのような通常時亀頭が包皮に覆われた状態であり、通常、勃起や性交や射精に支障はなく治療の必要はなく、現に日本を始めとした多くの先進国で公的医療保険の対象となっていない。若い頃に包皮に覆われていない場合でも、老齢により陰茎が縮小し包皮が覆われる場合もある。また寒さや水泳後、運動後に陰茎からの血液減少により陰茎が一時的に縮小し、包皮が覆われる場合もある。

包茎治療

包茎治療には外用コルチコステロイドと緩やかな伸長が有効であるが、包皮の環状切除が必要となることもある[22]

包皮の環状切除は、勃起時に余る分の包皮を外科的に切除してしまい、亀頭を覆うことができないようにする包皮切除手術(包茎手術)である。成人型男性器(タナー段階の第5段階)に達しても包皮が反転できるようにならず勃起時に陰茎に痛みを感じる場合、あるいは嵌頓状態になって戻らない場合には、外科的治療の対象となり、健康保険の適用対象となる。

その一方で、勃起の妨げとはならない場合や、成人型男性器に達する前(タナー段階の第1〜4段階の間)の治療や、単なるアンカット(俗に言う仮性包茎)の場合は、美容外科(美容整形)と同様に自由治療となり、健康保険は適用されない。

割礼は地域によって慣習的に行われているが、その意味においては根拠に基づく医療にはよらず、もっぱら宗教などに基づく風習的な面が強く、『スポック博士の育児書』では住んでいる地域で周囲が慣習的に行っている場合にのみ、将来的な子供間の被差別(いわゆるいじめ)などを回避する意味合いから施術を勧めている程度である。特に発展途上国では不衛生な状態での包皮切除により重大な結果を招くことが多くあり、長年問題視されている。[要出典]


注釈

  1. ^ 男性器を指して「ゾウ」「マンモス」とした著名な作品の例としてはクレヨンしんちゃんがある。

出典

  1. ^ 雄猫の発情サイン♂♂” (2013年3月27日). 2023年7月19日閲覧。
  2. ^ 女は男の陰茎骨から生まれた? 陰茎に棘の生えた人がいる? 人類進化の珍説を天才・亜留間次郎が解説(2023年4月25日)|BIGLOBEニュース”. BIGLOBEニュース. 2023年7月21日閲覧。
  3. ^ McLean, Cory Y. (2011年3月). “Human-specific loss of regulatory DNA and the evolution of human-specific traits” (英語). Nature. pp. 216–219. doi:10.1038/nature09774. 2023年7月21日閲覧。
  4. ^ 性別適合手術 性別適合手術(GRS・SRS)の種類”. KAZUKIPRIVATE CLINIC. 2023年10月1日閲覧。
  5. ^ 大山健司「<総説>思春期の発現」(PDF)『山梨大学看護学会誌』第3巻第3号、2004年、3-8頁、NAID 110006184827 
  6. ^ a b c d e f g h 日野原・井村 2008 [要ページ番号]
  7. ^ 日野原・井村 2008, p. 291.
  8. ^ The human penis as a semen displacement device”. The human penis as a semen displacement device, 24, 277-289. Elsevier (2003年7月4日). 2019年10月1日閲覧。
  9. ^ The human penis as a semen displacement device Evolution and Human Behavior, 24, 277-289 (July 2003)
  10. ^ “Penis is a competitive beast”. BBC News (BBC). (2003年8月7日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/3128753.stm 2019年10月1日閲覧。 
  11. ^ ペニスは形も重要、亀頭部分の役割に新説 米”. X51.ORG. 佐藤健寿 (2003年8月7日). 2019年10月1日閲覧。
  12. ^ 後藤景介 「前立腺癌診断時における陰茎長、精巣容積と予後の関係」題72回広島医学会総会 2019年11月24日
  13. ^ Shonfeld & Beebe. 1942, Journal of Urology, 48, 759-777
  14. ^ Feldman KW, Smith DW. Journal of Pediatrics. 1975; 86:395
  15. ^ 中村 1961.
  16. ^ a b 鬼塚 1996, pp. 927.
  17. ^ Ponchietti R, Mondaini N, Bonafè M, Di Loro F, Biscioni S, Masieri L (February 2001). "Penile length and circumference: a study on 3,300 young Italian males". European Urology 39 (2): 183–6.
  18. ^ 野田泰照、岡大三、鄭則秀 ほか、再発性下腿潰瘍をきたした48XXYY Klinefelter症候群の1例 泌尿器科紀要 2002年 48巻 1号 p.17-19, hdl:2433/114682
  19. ^ Mark H. Beers, メルクマニュアル 第18版 日本語版. “勃起機能不全”. Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.. 2012年7月29日閲覧。
  20. ^ 田中・盛岡 2001, p. 59.
  21. ^ a b 小野江他 1984, pp. 480–481.
  22. ^ a b 包茎と嵌頓包茎、メルクマニュアル、第18版、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.
  23. ^ 松野他 2007, p. 1150.
  24. ^ 参考サイト[リンク切れ]
  25. ^ 国学院 2003, p. 41.
  26. ^ The Icelandic Phallological Museum”. official website. The Icelandic Phallological Museum. 2019年10月1日閲覧。






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