鋳薔薇 鋳薔薇の概要

鋳薔薇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 14:31 UTC 版)

ラインナップは以下の通り

  • 鋳薔薇
  • 鋳薔薇黒 ブラックレーベル
  • ピンクスゥイーツ ~鋳薔薇それから~

鋳薔薇

鋳薔薇
ジャンル シューティング
対応機種 アーケード[AC]
PlayStation 2[PS2]
開発元 AC:ケイブ
PS2:ケイブ(移植、アレンジモード開発)
発売元 AC:AMI
PS2:タイトー
プロデューサー 高野健一
ディレクター 矢川忍
プログラマー 矢川忍
音楽 細江慎治
美術 コタニトモユキ
人数 1〜2人
メディア AC:業務用基板
PS2:DVD-ROM
発売日 AC:2005年6月
PS2:2006年2月23日
対象年齢 CERO:12歳以上
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鋳薔薇』は2005年6月稼働開始。総発売元はエイエムアイ2006年2月23日には、タイトーよりPS2移植版が発売されている。2006年には続編となる『ピンクスゥイーツ ~鋳薔薇それから~』が稼働(後述)。

バトルガレッガ』などを作った旧ライジングのスタッフが、ケイブに移籍して製作した作品。

解説

本作は、ケイブの他シューティングゲームとは異なる方向性の作品である。敵弾が若干少ない分、当たり判定が大きい。加えて、稼ぎと自爆を前提とした攻略法など、ゲーム性が『バトルガレッガ』に類似している。キャッチコピーは「ワタシタチハキレイ」。 また、キャラクター要素が重視されている。

ゲーム中のBGMの作曲は細江慎治が担当。

部分的なメディア展開もされており、公式サイトではローズ・ガーデンのメンバーを掘り下げる動くウェブ漫画が4話まで掲載されていた。これは、2006年7月に発売されたローズ・レース キャラクターフィギュアに同梱された「オフィシャルコミック&イラストレーションブック」(続編であるピンクスゥイーツの資料同梱)で、一部書き下ろしを加えて掲載。

『バトルガレッガ』との類似と差異
『バトルガレッガ』と同じく、「撃つ」「かわす」以外の行動(得点アイテムを取る、無駄アイテムを取らない、無駄行動をしない、特定物を特定タイミングで特定攻撃で破壊する、以上を実行するために敵や敵弾以外の全てにも注意をはらう)がオールクリアに有効という情報が流布されており、初心者はそれらを不用意に試すことで、本来の「撃つ」「かわす」ことへの集中がそらされ、ミスしがちになってしまう。この場合ミスの原因もはっきりせず、対策もたてづらく、挫折しやすい。初心者向けの対策としてはまず敵の攻撃に慣れること、次に明確な方針を持ちそれが混乱しないよう注意してプレイすること。
差異は、ボムより遥かに高い威力を持つ波動ガンの存在など。

システム

自機
1Pと2Pで性能(速度、自機からのショット、ボムの軌道)が異なる。またコイン投入後タイトル画面でボタンを押しっぱなしにしてスタートすることで4通りに性能が変化する(『ブラックレーベル』ではスタート時に自機や性能タイプを選択可能)。パワーアップはバトルガレッガと同じで、小さいパワーアップアイテムを複数個、もしくは大きいパワーアップアイテムを取得することで7段階まで強化される。
オプション
ゲーム中にオプションアイテムを取得することで、3つまで自機とは異なるショットを発射するオプションを装着することが出来る。装着個所は左右と後部。自機が移動することで発射方向が変化する。
種類は7つで、5way、ホーミング(追尾ミサイル)、ナパーム(着弾時に爆発)、バーナー(弾速が可変)、マシンガン、ロケット(横一列斉射の貫通弾)、ガトリング(射撃毎に散らばるショット)が存在する。
ボンバー
バトルガレッガと同じ方式で、小ボムアイテムを40個集めると大ボムが1個ストックされ、残り大ボムが無い場合は、ストックした小ボムを全て消費し、それに応じた性能のボムを発射する。消去した敵弾は薔薇状の得点アイテムに変化する。1Pと2Pでボンバーの挙動が変化する。
波動ガン
大ボムが1個以上ストックされている状態でボンバーボタンを押しっぱなしにすると、射出グリッドが表示されボタンを離すと正面に「波動ガン」を発射できる。着弾時には威力の高い爆発を発する他、貫通した敵や衝撃波に接触した弾をアイテムに変える。
得点システム
バトルガレッガ』と同じ方式で、敵を破壊すると出現する勲章を連続して取得すると最大1万点を入手できる。勲章は背景に隠されている場合もあり、そのポイントにボンバーを使うことで出現する。勲章を落としてしまうとエクステンドが遠のいてしまうので展開は不利になってしまう。
エクステンド
100万点ごとにエクステンドする(出荷時設定)。使える機数は多いが、普通にプレイしてノーミスで全面クリアできるようにはバランス調整はされていない。増やせるのは最大5機までで、それ以上はエクステンドの条件を満たしても増えない。

ストーリー

時は19世紀。機械技術産業に長けた北欧の国「エーデルワイス」では、蒸気機関の発達により目覚しい発展を遂げていた。だがある日、テレサ・ローズ博士が率いる精鋭部隊「ローズ・ガーデン」が「エーデルワイス」を襲撃。街は壊滅的な被害を受ける。これに対し、国はエーデルワイス政府軍を出動させるが「ローズ・ガーデン」の力はあまりにも凄まじく、事態は悪化の一途を辿った。

悪化していく事態を重く見たエーデルワイス皇宮は、皇宮特殊攻撃部隊「ネゴシエータ」に出撃命令を下す事を決定。部隊に主属する「ボンド」と「ダイン」は密かに用意された「武機」に搭乗し、侵攻を続ける「ローズ・ガーデン」に立ち向かう。首謀者のテレサに浅はかならぬ因縁を持つ二人の、それぞれの思いとともに。

しかしゲーム中にはこれといったストーリーは語られず、エンディングにおいて意味深な会話があるため、ストーリーの真相はwebコミック版を見ない限りは分からない。

キャラクター

声は『ゴシックは魔法乙女〜さっさと契約しなさい!〜』のコラボイベントでの担当声優(ネゴシエーターの二人のみ続投)。

ネゴシエーター
  • ボンド(1Pサイド)声:松本大輔
    スピードが速く、集中型のショットを発射する「シリスター・シミリス」に搭乗する、熱い感情と理性を併せ持つ男性隊員。左目が義眼となっており、常に赤く発光している。Webコミック版では、体の一部が義肢であることを明かしている。
  • ダイン(2Pサイド)声:若林明
    スピードが遅く、広範囲型のショットを発射する「ディオ・スピロッシ」に搭乗する、冷静沈着だが事件に対する様々な感情を募らせている男性隊員。全身ボディスーツな出で立ちで、前頭部と後頭部で頭髪の境目がはっきりしているなど異様な風貌を持つ。エンディングにおいて驚愕の事実が明かされる。
ローズ・ガーデン
本作の敵キャラクター。テレサが率いる精鋭軍団。ローズ・ガーデンのメンバーは全員テレサの娘で姉妹という事になっているが、彼女達はテレサが造った人造人間であり、血縁関係は無い。
  • テレサ・ローズ(STAGE6ボス)声:植田佳奈
    今回の首謀者である女性。かつて皇立機械式義肢研究所の所長を務めていたが、所内の事故により辞任している。ボンデージ風の格好をしており、他の敵キャラクターに比べ肌の露出が極端に激しい。
  • メイディ・ローズ(STAGE1ボス)声:寺田菜七
    「オレンジ・メイアンディナ」に搭乗するテレサの末娘。空挺部隊指揮統括担当。かなりの甘ったれ。薔薇の形をした大きな髪飾りを付けている。なぜか下半身は下着とソックスだけの姿。ちなみに、コスチュームのモチーフはスクール水着だとの事。
  • ミディ・ローズ(STAGE2ボス)声:宮地恋瑚
    「グロワール・ドゥ・ミディ」に搭乗するテレサの四女。陸上部隊指揮統括担当。かなりさっぱりしている。搭乗機のキャタピラを破壊すると移動できなくなり、そのまま素通りする事ができる。
  • カスミ・ローズ(STAGE3ボス)声:小原ゆか
    「ハナ・カスミ」に搭乗するテレサの三女。兵器生産担当。ドレスを着ている。おしとやかだがかなりの頑固者で内にこもってしまう事も。
  • シャスタ・ローズ(STAGE4ボス)声:辻優希乃
    「マウント・シャスタ」に搭乗するテレサの次女。情報統括担当。ショートカットの髪型の女性。背中を大きく開けたレオタードの上にスカートを着けた軽装をしており、ベレー帽を被っている。底抜けに明るい。なんでもこなす天才肌で、攻撃に特化した機体を使いこなす技量も合わせ持つ。
  • レース・ローズ(STAGE5ボス)声:小川祐奈
    「フレンチ・レース」に搭乗するテレサの長女。戦略立案担当。かなり冷淡な性格。テレサそのものに近い性質を持ち、最も信用されている。

隠しモード

ハーダーモード
高難度モードでプレイできる。
プレイするには、タイトル画面で↑+スタート
エクステンデッドモード
1周目をクリアすると、2周目をプレイすることができる。ただし1周目から難度が高くなっている。
プレイするには、タイトル画面で↓+スタート

ステージ構成

ステージ名 ボス
1 破壊とともに始めましょう オレンジ・メイアンディナ
2 イシとホコリの心 グロワール・ドゥ・ミディ
3 黒く深き谷に薔薇が見えて? 花霞
4 大空にも刃羽(ヤイバ)を食い込ませ マウント・シャスタ
5 鋼鉄の家族とともに フレンチ・レース
6 私は薔薇で出来ている アンブリッジ・ローズ、テレサ・ローズ

家庭用への移植

タイトーから販売、移植版の開発はケイブが行った。初回限定特典として「爆裂攻略集」が付属。

後述する『鋳薔薇黒 ブラックレーベル』の前身にあたる、家庭用アレンジモードが収録されている。家庭用に付属するアレンジモードとしては珍しく、ほぼ別物の新作シューティングに近いシステム刷新がなされている。

そのほか、アーケードモード、練習用のプラクティスモード、ギャラリーモード、ランキングモードが実装されている。

詳細については『鋳薔薇黒 ブラックレーベル』または家庭用アレンジモードの項を参照。

家庭用アレンジモード

鋳薔薇のシステムを大幅に変更したものが家庭用アレンジモードである。PS2版鋳薔薇に「アレンジモード」として搭載。

『鋳薔薇黒 ブラックレーベル』のプロトタイプ的な作品にあたり、薔薇DIEすシステム等の特徴は『ブラックレーベル』と共通である。『ブラックレーベル』との大きな差異は以下のとおり。

フォーメーションチェンジ
オプションのフォーメーション(自動で敵を狙う「サーチ」など)は、オプションフォーメーションボタンにより、任意で切り換えができる。このため、『ブラックレーベル』での「ショットボタン押しっぱなしでオプションが敵を自動で狙う」要素は家庭用アレンジモードにはない(手動でサーチフォーメーションに切り替えることで代替)。
SELECTボタンを押すことで、フォーメーション前方固定モードのON/OFF切り換えができる。フォーメーション名が赤く表示されれば固定モード、青く表示されれば通常モード。サーチフォーメーションなどの場合は、固定モードにしてもサーチ動作などが優先される。固定モードはノーマルフォーメーションで前方固定したいときなどに有効。
ショットのフルオート連射ボタンがない
『ブラックレーベル』になって追加された要素であり、家庭用アレンジモードの段階ではまだ搭載されていない。ショットボタンはセミオート連射(少しの連打で連射になる)になっている。
アイテムの自動吸い寄せがない
『ブラックレーベル』になって追加された要素であり、家庭用アレンジモードの段階ではまだ搭載されていない。
コンティニューや途中参加が無い
家庭用アレンジモードは途中参加やコンティニューが出来ない。コンティニューせずに最後までクリアしないとエンディングとスタッフロールを見ることができない。

なお家庭用アレンジの段階ではランクゲージのシステムには名称がない。薔薇DIEすシステムと名付けられたのは『ブラックレーベル』から。


  1. ^ 月刊アルカディア』2010年3月号 51ページ






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