軍刀利神社 (上野原市)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 04:42 UTC 版)
行事
- 1月1日 歳旦祭[協 3]
- 4月19日 例大祭
- 10月19日 秋祭
- 11月23日 新嘗祭
- 12月31日 除夜祭
カツラ
(文化財)
山梨県指定天然記念物
奥の院には、山梨県指定の天然記念物(1961年12月7日指定)の樹齢500年のカツラがそびえ立つ。規模は、根廻りは斜面に沿って14.0 m、地面上より1 mの幹囲は9.2 m、樹高33.0 mである[国 1][県 1] [県 2][県 3][上 2][上 3][注釈 4]。社務所に掲示してる子どもの書いた絵地図によれば、「日照りが続いていてもここで雨乞いすると、カツラから水が湧き出て井戸の人々は水に困らなかった」と、言い伝えがあるという。
登山家で民族研究家の岩科小一郎の「軍荼利山縁起」[9]には、古老のいい伝えが書かれている。 「これより下方、約二丁に休み石と称する方形の奇石あり、傍らに泉湧き出る処あり。清澄なるひとつの水溜まりがあり、地廻り三丈五尺、目通り二丈三尺位の大桂の樹あり。一見荘厳霊地の処たるを感ぜしむ。すなわち日本武尊が長途の疲れを癒し、渇きを凌ぐため自ら汲みて用いたる処なりと伝う」
上野原市の指定文化財
参道入口の大鳥居の左脇に所在した樹高18.1 m、幹周3.12 mの井戸のサイカチは、樹齢は300年以上とされ、根元から幹にかけて空洞であった。倒木のため樹勢が著しく衰え、2015年に文化財指定が解除された[上 4]。樹相が口を開いて悲鳴をあげているようにみえる。樹勢は回復し難たいが若芽を出し一の鳥居の左脇に生育している。根元に軍荼利夜叉明王社の石碑が建っていた。
さいかちは豆科の落葉高木で、川沿いなどの原野や河原などに生え[全 1][全 2]。災いに勝つ(災勝)といわれ、荷役の馬が多かった時代には馬の病気の特効薬でもあった[公 4][全 3]。クヌギ、コナラと同様に樹液が出ることからカブトムシやクワガタがよく集る。土地拡大、ジャングルジム型の支柱設置、樹木医など住民の知恵と巨木への熱意による樹勢回復への苦労が偲ばれる[全 4]。
交通
- 鉄道利用
- 自動車利用
- 上野原ICから軍荼利神社駐車場までは直線距離約6.4 km。
- 社務所の横と本殿の階段下に駐車場(15台)がある[公 1][8]。
- 初詣で賑わう正月、新緑のゴールデンウィーク、秋の紅葉シーズンなどの繁忙期などにはさらに混雑し、駐車場が見つからない危険性もある。
- ^ 軍荼利明王は三つの目、八本の手、そして蛇があちこちに巻きつく勇ましい姿で密教の仏様。名前はトグロを表すサンスクリット語のクンダリーニに由来する
- ^ 大正院は不動明王や役行者等を信仰・礼拝する山岳信仰の修験道行者・修験僧の住居を兼ねた草庵のようである。
- ^ 「
荼毘 ()」(火葬)の意味で、「軍荼利明王」という神様に由来している。 - ^ 山梨県からは、他に中巨摩郡若草町の推定樹齢1000年三恵の大ケヤキ、富士吉田市樹齢300年以上の夫婦檜、山梨市の樹齢300年以上の広瀬の大なら、北杜市樹齢2500年の山高の神代桜が登録されている
- ^ 水が岩を削りとったゴルジュ地形。ゴルジュの岩壁のへつり(トラバース)。いくつもの小滝乗り越え
- ^ 大学山岳部やワンダフオーゲル部にして“釜や淵をもった直登できる滝が連続していて飽きない”と言わしめるほど難路で、滑落の危険性がある。遭難しないために懸垂下降と単独で入渓することは厳禁である。ヘルメット着用は絶対必須条件である。
- ^ a b “軍刀利神社のカツラ”. 人里の巨木たち - 上越大学. 2004年2月13日閲覧。
- ^ 『ふじ乃町の古道』
- ^ 蘆田伊人 1985, pp. 353–356, 「新編相模国風土記稿巻之119 村里部 津久井縣巻之4」.
- ^ 守屋二郎 & 守屋益男 2017、及び国土地理院の地図
- ^ “軍荼利夜叉(ぐんだりやしゃ)明王立像 創建以来1200年以上”. 仏日山吉祥林 東光院 萩の寺. 2023年7月20日閲覧。
- ^ 社務所-神社めぐり
- ^ a b 上野原町誌編纂委員会 1975, p. 1002.
- ^ a b “軍刀利神社”. JAFナビ (2022年3月29日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ (『山麓滞在』所収)
- ^ “上野原駅発井戸行バス時刻表” (pdf). 富士急山梨バス (2023年5月17日). 2023年5月17日閲覧。
- ^ 昭文社 2013.
- ^ “高尾駅北口発陣馬高原下行バス時刻表”. NAVITIME (2023年5月17日). 2023年5月17日閲覧。
- ^ “上川乗発武蔵五日市駅行バス時刻表”. NAVITIME (2023年5月17日). 2023年5月27日閲覧。
- ^ 宗像兵一 2020, 「矢沢軍刀利沢(やざわぐんだりさわ)」の記事。.
- ^ 飯能市史編集委員会 1982, p. 87.
- ^ 飯能市史編集委員会 1982, p. 35.
- ^ “発見うえのはら - 軍刀利神社のカツラ”. 上野原市観光協会 (2016年4月4日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ “山梨県指定天然記念物「軍刀利神社のカツラ」”. 上野原市 (2016年4月4日). 2023年6月15日閲覧。
- ^ “軍刀利神社のカツラ」”. 上野原市教育委員会 (2023年1月23日). 2023年7月2日閲覧。
- ^ “発見うえのはら - 文化財コース”. 上野原市観光協会. 2023年6月14日閲覧。
- ^ “軍刀利神社のカツラ ー 山梨の文化財ガイド(データベース)”. 山梨県観光文化・スポーツ部文化振興・文化財課 (2023年2月17日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ “県指定天然記念物”. 山梨県 (2022年4月17日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ “山梨県上野原市のご紹介(上野原市のふるさと納税のご紹介)”. ふるなび (2018年2月8日). 2023年7月2日閲覧。
- ^ a b c d “軍刀利(ぐんだり)神社のカツラ【山梨県】”. 環境省自然環境局生物多様性センター (2022年3月29日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ “コース紹介 03.富士見のみち”. 環境庁 (2018-0108). 2023年5月26日閲覧。
- ^ a b c d e “軍刀利神社 (ぐんだりじんじゃ)”. 公益社団法人やまなし観光推進機構 (2023年5月22日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ “コース NO.34軍刀利神社から三国峠を越え万六尾根、柏木野/日本武尊ゆかりの茅丸を越え、万六ノ頭へ/”. 公益社団法人 日本山岳会・東京多摩支部 (2016年4月4日). 2023年7月10日閲覧。
- ^ 軍刀利神社元社の立派な鳥居と小さな祠がある軍刀利山に、建てられた神社の由来を書いた石碑に記載あり-公益財団法人 日本山岳会 東京多摩支部 コースNO.33報告記事 2021年12月30日
- ^ “中之条のサイカチ”. 公益社団法人 群馬県緑化推進委員 (2020年3月11日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “白簱史朗写真館(岩殿山ふれあいの館)”. 一般社団法人白簱史朗保存会. 2023年7月9日閲覧。
- ^ “軍刀利神社鳥居と元社鳥居が白銀に輝く鳥居に生まれ変わった”. NPO北丹沢山岳センター北丹沢合同会社 (2011年3月20日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ “飛騨屋の皀(サイカチ)”. 南砺市ブランド戦略部 文化・世界遺産課 文化振興係 (2019年2月13日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “サイカチ」”. 岐阜県養老町 (2009年8月6日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “栃木県塩谷町の「荻野目のさいかち」”. 巨樹探訪 (2009年8月6日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ “六軒町のサイカチの木”. 館山市 (2020年3月19日). 2023年6月29日閲覧。
- ^ a b “軍刀利神社(旧指定村社)”. 山梨県神社庁 (2022年3月29日). 2023年6月6日閲覧。
- ^ “薬の休憩室(第22回):〜軍刀利神社のミステリー”. 協同組合 藤沢薬業協会. 2023年6月25日閲覧。
- ^ “軍刀利(ぐんだり)神社”. 国際教養振興協会 ICPA. 2023年6月14日閲覧。
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