軍刀利神社 (上野原市) 登山口としての役割

軍刀利神社 (上野原市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 04:42 UTC 版)

登山口としての役割

鎌沢尾根分岐(2023年5月)
元社・三国山(笹尾根)からの女坂分岐(2023年7月)

軍刀利神社は三国山、生藤山熊倉山への日帰りハイキングの登山口でもあり、笹尾根縦走のエスケープルートとしても重要である[11]。三国山・生藤山は環境庁が「どんどん登山をし、自然が愛され自然が守られるよう」と願って定めた関東ふれあいの道“富士見のみち”と呼ばれる日帰り登山ルート上に上社が所在する。そのルートは高尾駅から〈美32〉系統「陣馬高原下」行バス[12]西東京バス恩方営業所が運行)から始まる。終点の「陣馬高原下」から、和田峠、醍醐丸、連行峰を経て生藤山。そして熊倉山、浅間峠、「上川乗」[13]に至る。距離14.7 km、所要時間5時間35分である[国 2]

男坂と軍刀利沢

双方とも修験者の好む険しいルートどころか、装備に万全の山岳部の好むルートのようで、誰でも登れるようなハイキングコースではない。

  • 奥の院から男坂を上社。歩行距離は女坂1.5 kmに対して500 m。一気に高度差 - 320 mを稼ぐ男坂。500年以上前に建設された石段が所々残っていると頂上の石碑に刻み込んであるが、頂上直下以外は見当たらない。
  • 五日市側から軍刀利沢を上社。武蔵(現檜原村)の「柏木野」から万六尾根 - 連行峰 - 生藤山(三国山) - 軍刀利神社 - 甲斐(現上野原市)の「井戸」は、三国峠道と呼ばれる幹道である。その谷筋が軍刀利沢である。13 mの大滝が行く手を遮る。
武蔵五日市駅で「数馬」行バス。「南郷」バス停下車。矢沢林道を落合橋 - 軍刀利沢出合まで約1時間歩き入渓。沢登で奥多摩といえば「軍刀利沢遡行と瀬音の湯」なのである[注釈 5]
じっくり灌木や残置支点のオブザベーションと、支流に紛れ込まないように地形図で現在地点を確認のルートファインディングしながら遡行してカタクリ群生地を通過して軍刀利神社元社に至る[注釈 6][14]。下りは軍茶利山の標識を北側の長尾尾根の踏み跡をたどり落合橋に戻る。約5時間。

  1. ^ 軍荼利明王は三つの目、八本の手、そして蛇があちこちに巻きつく勇ましい姿で密教の仏様。名前はトグロを表すサンスクリット語のクンダリーニに由来する
  2. ^ 大正院は不動明王や役行者等を信仰・礼拝する山岳信仰の修験道行者・修験僧の住居を兼ねた草庵のようである。
  3. ^ 荼毘だび」(火葬)の意味で、「軍荼利明王」という神様に由来している。
  4. ^ 山梨県からは、他に中巨摩郡若草町の推定樹齢1000年三恵の大ケヤキ、富士吉田市樹齢300年以上の夫婦檜、山梨市の樹齢300年以上の広瀬の大なら、北杜市樹齢2500年の山高の神代桜が登録されている
  5. ^ 水が岩を削りとったゴルジュ地形。ゴルジュの岩壁のへつり(トラバース)。いくつもの小滝乗り越え
  6. ^ 大学山岳部やワンダフオーゲル部にして“釜や淵をもった直登できる滝が連続していて飽きない”と言わしめるほど難路で、滑落の危険性がある。遭難しないために懸垂下降と単独で入渓することは厳禁である。ヘルメット着用は絶対必須条件である。
  1. ^ a b 軍刀利神社のカツラ”. 人里の巨木たち - 上越大学. 2004年2月13日閲覧。
  2. ^ 『ふじ乃町の古道』
  3. ^ 蘆田伊人 1985, pp. 353–356, 「新編相模国風土記稿巻之119 村里部 津久井縣巻之4」.
  4. ^ 守屋二郎 & 守屋益男 2017、及び国土地理院の地図
  5. ^ 軍荼利夜叉(ぐんだりやしゃ)明王立像 創建以来1200年以上”. 仏日山吉祥林 東光院 萩の寺. 2023年7月20日閲覧。
  6. ^ 社務所-神社めぐり
  7. ^ a b 上野原町誌編纂委員会 1975, p. 1002.
  8. ^ a b 軍刀利神社”. JAFナビ (2022年3月29日). 2023年6月6日閲覧。
  9. ^ (『山麓滞在』所収)
  10. ^ 上野原駅発井戸行バス時刻表” (pdf). 富士急山梨バス (2023年5月17日). 2023年5月17日閲覧。
  11. ^ 昭文社 2013.
  12. ^ 高尾駅北口発陣馬高原下行バス時刻表”. NAVITIME (2023年5月17日). 2023年5月17日閲覧。
  13. ^ 上川乗発武蔵五日市駅行バス時刻表”. NAVITIME (2023年5月17日). 2023年5月27日閲覧。
  14. ^ 宗像兵一 2020, 「矢沢軍刀利沢(やざわぐんだりさわ)」の記事。.
  15. ^ 飯能市史編集委員会 1982, p. 87.
  16. ^ 飯能市史編集委員会 1982, p. 35.
  1. ^ 発見うえのはら - 軍刀利神社のカツラ”. 上野原市観光協会 (2016年4月4日). 2023年6月14日閲覧。
  2. ^ 山梨県指定天然記念物「軍刀利神社のカツラ」”. 上野原市 (2016年4月4日). 2023年6月15日閲覧。
  3. ^ 軍刀利神社のカツラ」”. 上野原市教育委員会 (2023年1月23日). 2023年7月2日閲覧。
  4. ^ 発見うえのはら - 文化財コース”. 上野原市観光協会. 2023年6月14日閲覧。
  1. ^ 軍刀利神社のカツラ ー 山梨の文化財ガイド(データベース)”. 山梨県観光文化・スポーツ部文化振興・文化財課 (2023年2月17日). 2023年6月4日閲覧。
  2. ^ 県指定天然記念物”. 山梨県 (2022年4月17日). 2023年6月14日閲覧。
  3. ^ 山梨県上野原市のご紹介(上野原市のふるさと納税のご紹介)”. ふるなび (2018年2月8日). 2023年7月2日閲覧。
  1. ^ a b c d 軍刀利(ぐんだり)神社のカツラ【山梨県】”. 環境省自然環境局生物多様性センター (2022年3月29日). 2023年6月4日閲覧。
  2. ^ コース紹介 03.富士見のみち”. 環境庁 (2018-0108). 2023年5月26日閲覧。
  1. ^ a b c d e 軍刀利神社 (ぐんだりじんじゃ)”. 公益社団法人やまなし観光推進機構 (2023年5月22日). 2023年6月4日閲覧。
  2. ^ コース NO.34軍刀利神社から三国峠を越え万六尾根、柏木野/日本武尊ゆかりの茅丸を越え、万六ノ頭へ/”. 公益社団法人 日本山岳会・東京多摩支部 (2016年4月4日). 2023年7月10日閲覧。
  3. ^ 軍刀利神社元社の立派な鳥居と小さな祠がある軍刀利山に、建てられた神社の由来を書いた石碑に記載あり-公益財団法人 日本山岳会 東京多摩支部 コースNO.33報告記事 2021年12月30日
  4. ^ 中之条のサイカチ”. 公益社団法人 群馬県緑化推進委員 (2020年3月11日). 2023年6月29日閲覧。
  1. ^ 白簱史朗写真館(岩殿山ふれあいの館)”. 一般社団法人白簱史朗保存会. 2023年7月9日閲覧。
  1. ^ 軍刀利神社鳥居と元社鳥居が白銀に輝く鳥居に生まれ変わった”. NPO北丹沢山岳センター北丹沢合同会社 (2011年3月20日). 2023年6月14日閲覧。
  1. ^ 飛騨屋の皀(サイカチ)”. 南砺市ブランド戦略部 文化・世界遺産課 文化振興係 (2019年2月13日). 2023年6月29日閲覧。
  2. ^ サイカチ」”. 岐阜県養老町 (2009年8月6日). 2023年6月29日閲覧。
  3. ^ 栃木県塩谷町の「荻野目のさいかち」”. 巨樹探訪 (2009年8月6日). 2023年6月29日閲覧。
  4. ^ 六軒町のサイカチの木”. 館山市 (2020年3月19日). 2023年6月29日閲覧。
  1. ^ a b 軍刀利神社(旧指定村社)”. 山梨県神社庁 (2022年3月29日). 2023年6月6日閲覧。
  2. ^ 薬の休憩室(第22回):〜軍刀利神社のミステリー”. 協同組合 藤沢薬業協会. 2023年6月25日閲覧。
  3. ^ 軍刀利(ぐんだり)神社”. 国際教養振興協会 ICPA. 2023年6月14日閲覧。





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