貿易 貿易の形態

貿易

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:41 UTC 版)

貿易の形態

直接貿易・間接貿易

直接貿易(直貿)とは、海外の輸入者、輸出者と直接に貿易をすることをいい[2]、間接貿易(間貿)とは商社などの仲介者を経由して貿易を行うことをいう[3]

輸出貿易・輸入貿易・仲介貿易・中継貿易

相手国に物を送り出す貿易形態を輸出貿易(Export Trade)、相手国からモノが送り込まれてくる貿易形態を輸入貿易(Import Trade)という[4]

また、仲介者が契約当事者となって外国相互間で行われる取引を行う貿易形態を仲介貿易または三国間貿易[5](Intermediary Trade または Triangle Business)という[4]

なお、A国からの貨物を、C国に輸入・加工し、B国に再輸出する貿易を中継貿易という[5]

委託加工貿易

委託者が外国の業者(加工者)に原材料の全量または一部を供給し、製品を委託国または第三国に送る貿易形態を委託加工貿易(Improvement Trade)という[4]。外国の業者に加工を委託する逆委託加工貿易と自国の業者が加工を受託する順委託加工貿易がある[5][4]

委託販売貿易

委託者から販売委託を受けた受託者が商品を輸入して販売し、売り上げた代金を送金するとともに、売れ残った商品を委託者または委託者の指示した者に積み戻して販売手数料を受け取る貿易形態[6]

対象による分類

サービス貿易
輸送・旅行・通信・建設・金融・保険・特許権使用料など、モノの動きではなく、サービスの提供によるカネの支払いまたは受け取りのこと。日本の旅行者が海外でホテル代を支払えばサービスの輸入、外国人旅行者が日本でホテル代を支払えばサービスの輸出となる。貿易統計ではなく国際収支統計で把握される。
技術貿易
国際的な技術提供契約によるカネの動きをいう。サービス貿易の一種。

その他の分類

企業内貿易
多国籍企業のA国の拠点からB国の拠点に向けて輸出が行われること。取引価格は企業内で決められるため、節税の目的で恣意的に価格を操作することによる移転価格の問題が起こる可能性がある。
求償貿易
輸入代金を通貨で支払うのではなく、等価値の貨物を輸出することで相殺する物々交換バーター貿易。冷戦時代、ソ連を中心とした社会主義ブロックで盛んに行われた。
個人輸入
消費者が、海外のカタログ販売業者などから国際郵便小包等で商品を直接取り寄せること。円高にもかかわらず円高差益があまり還元されなかった1980年代後半にブームとなる。
国境貿易
人の自由な移動が制限されている国家間において、ハンドキャリーで運ばれた商品を国境付近で取引すること。中越国境、中国・ロシア・北朝鮮国境のものが有名。

注釈

  1. ^ これは生産が生産要素の組合せによりなされるという新古典派生産関数の考えに基づくリカード解釈である。
  2. ^ ピエロ・スラッファが指摘したように、リカード経済は「商品による商品の生産」(スラッファの主著の表題)である。資本は、投入に用いられる商品の集合と理解される。したがって、リカード・モデルが資本投入のない19世紀型理論であるという指摘も間違っている。

出典

  1. ^ a b c d e f g h 石原伸志、小林二三夫、花木正孝、吉永恵一 『改訂 新貿易取引―基礎から最新情報まで 改訂版』経済法令研究会、2019年、3頁。 
  2. ^ 港湾用語の検索 - 直貿・間貿” (日本語). 四日市港管理組合. 2022年1月23日閲覧。
  3. ^ みなと用語辞典 - 直貿・間貿” (日本語). 国土交通省中部地方整備局 港湾空港部. 2022年1月23日閲覧。
  4. ^ a b c d 石原伸志、小林二三夫、花木正孝、吉永恵一 『改訂 新貿易取引―基礎から最新情報まで 改訂版』経済法令研究会、2019年、2頁。 
  5. ^ a b c 吉田, 友之「貿易実務 - 輸出取引の仕組み1 - 貿易取引に関する予備知識」 (pdf) 『OITA Trade & Views』第118巻May-Jun、ジェトロ大分(日本貿易振興機構大分事務所)、2018年、 5頁。
  6. ^ 石原伸志、小林二三夫、花木正孝、吉永恵一 『改訂 新貿易取引―基礎から最新情報まで 改訂版』経済法令研究会、2019年、3-4頁。 
  7. ^ ポール・サミュエルソンは、これを「4つの魔法の数字」(Four magic numbers)と呼んだ。Samuelson, Paul A. 1972 “The Way of an Economist.” Reprinted in The Collected Papers of Paul A. Samuelson. Ed. R. C. Merton. Cambridge: Cambridge MIT Press. "four magic numbers"という表現は、p.378にある。
  8. ^ 『クルーグマン マクロ経済学』第8章
  9. ^ 『スティグリッツ 入門経済学 第三版』p429
  10. ^ リカード『政治経済学と課税の原理』第7章の後半では、多数の財が取引される状況を検討している。小島清は、リカード理論に金(貨幣金属)の生産と貿易が不可欠であるとしている。小島清(1950)「リカァドォの国際均衡論」『一橋論叢』24(1): 25-26。塩沢由典は、リカード貿易理論の「最小モデル」は、2国3財でなければならないと指摘している。塩沢・有賀編(2014)『経済学を再建する』中央大学出版部、第5章第2節。
  11. ^ McKenzie, L. 1954 Specialization and Efficiency in World Production. Review of Economic Studies, 21:147-161.マッケンジーは詳しく説明していないが、塩沢由典(2014)『リカード貿易問題の最終解決』岩波書店には、第3章第3節に解説があり、その厳密な証明がpp.130-131に与えられている。
  12. ^ 池間誠(1993)「国際生産特化パターンの確定 : 多数国多数財ケース」『一橋論叢』110(6): 873-94.
  13. ^ 塩沢由典(2007)「リカード貿易理論の新構成/国際価値論のためにII」『経済学雑誌』(大阪市立大学)85(6): 44-61. Shiozawa, Y. 2007 A New Construction of Ricardian Trade Theory/ A Many-country, Many commodity Case with Intermediate Goods and Choice of Techniques. Evolutionary an Institutional Economics Review, 3(2): 141-187. 簡略な解説が塩沢由典・有賀裕二編(2014)『経済学を再建する』中央大学出版部、第5章にある。
  14. ^ ^ Vanek, Jaroslav 1968. The Factor Proportions Theory: The N-factor case. Kyklos 21(4): 749-756.
  15. ^ E. E. Leamer 1984 Sources of International Comparative Advantage: Theory and Evidence, MIT Press.
  16. ^ Bowen, H.P., E.E. Leamer and L. Sveikauskus 1987 a Multi-Country Multi-Factor Test of the Factor Abundance Theory. American Economic Review 77: 791-809.
  17. ^ Trefler, Daniel 1993 International Factor Price Differences: Leontief Was Right!Journal of Political Economy 101: 961–87. Trefler, Daniel 1995 The Case of the Missing Trade and Other Mysteries. American Economic Review 85: 1029–1046.
  18. ^ Conway, P. J. 2002 The case of the missing trade and other mysteries: Comment. American Economic Review 92(1): 394-404.
  19. ^ Trefler, Daniel 1995 The Case of the Missing Trade and Other Mysteries. American Economic Review 85: 1029–1046.
  20. ^ レオンチェフ以降の実証研究については、竹森俊平『国際経済学』東洋経済新報社、1996年、第5章第4節「レオンチェフ以降の実証研究」および佐藤秀夫『国際経済』ミネルヴァ書房、2007年、第2章第2節「要素賦存理論」を見よ。
  21. ^ Tinbergen, J. 1962 Shaping the World Economy. Suggestions for an International Economic Policy, Twentieth Century Fund, New York. Poyhonen, P. 1963 A Tentative Modle ofTrade between Countries. Weltwirtschaftliches Archive 90: 93-99.
  22. ^ Bergstrand, Jeffrey H. 1985 The Gravity Equation in International Trade: Some Microeconomic Foundations and Empirical Evidence. The Review of Economics and Statistics 67(3): 474-481.
  23. ^ 入門的概説が次の教科書冒頭にある。クルーグマン&オブズフェルト『国際経済学』(上・貿易編)、ビアソン、第2章「世界貿易:概観」の「誰が誰と貿易するのか?」、pp.16-23.
  24. ^ Grubel, Herbert G., and P.J. Lloyd 1975 Intra-industry trade: The theory and measurement of international trade in differentiated products. Macmillan (London).
  25. ^ Krugman, P. R. 1979 Increasing Returns, Monopolistic Competition, and International Trade. Journal of International Economics 9(4): 469-479. Krugman, P. R. 1980 Scale Economies, Product Differentiation, and the Pattern of Trade. The American Economic Review 70(5): 950-959.
  26. ^ Melitz, M. J. 2003 The impact of trade on intra‐industry reallocations and aggregate industry productivity. Econometrica 71(6): 1695-1725. Helpman, Elhanan, Marc J. Melitz, and Stephen R. Yeaple. 2004. "Export Versus FDI with Heterogeneous Firms." American Economic Review, 94(1): 300-316. Baldwin, J. R., & Gu, W. 2003 Export‐market participation and productivity performance in Canadian manufacturing. Canadian Journal of Economics/Revue canadienne d'économique, 36(3): 634-657.
  27. ^ たとえば、Ciuriak, D., Lapham, B., Wolfe, R., Collins-Williams, T., & Curtis, J. M. 2011 New-new trade policy, Queen's Economics Department Working Paper No. 1263 を見よ。
  28. ^ Melitz, Marc J. 2003 The Impact of Trade on Intra-Industry Rreallocations and Aggregate Industry Productivity, Econometrica, 71: 1695–1725.
  29. ^ Helpman, Melitz and Yeaple 2004 Export versus FDI with Heterogeneous Firms, American Economic Review 94: 300-316. Baldwin, J. R., & Gu, W. 2003 Export‐market participation and productivity performance in Canadian manufacturing. Canadian Journal of Economics/Revue canadienne d'économique, 36(3): 634-657.
  30. ^ 若杉隆平・戸同康之 2010 国際化する日本企業の実像/企業レベルデータに基づく分析, RIETI Policy Discussion Paper Series 10-P-027.
  31. ^ a b c d e 石原伸志、小林二三夫、花木正孝、吉永恵一 『改訂 新貿易取引―基礎から最新情報まで 改訂版』経済法令研究会、2019年、4頁。 
  32. ^ a b 石原伸志、小林二三夫、花木正孝、吉永恵一 『改訂 新貿易取引―基礎から最新情報まで 改訂版』経済法令研究会、2019年、5頁。 






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