負担重量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 03:15 UTC 版)
斤量が馬に与える影響
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フランスの凱旋門賞では4歳以上牡馬に59.5キロを背負わせて走らせることになっており、前哨戦で好成績をあげたのにもかかわらず、連覇に臨む馬が惨敗することが多い。ただし、イギリスのG1のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは4歳以上牡騸馬の斤量が約60.3キロ、ナンソープステークスは約62.1キロ、チャンピオンステークスは約59.4キロとなっているなど、凱旋門賞が特別な重量であるとはいえない。
また、斤量差は日本のような走りやすい軽い芝よりも、欧州のように力のいる重い芝の方がより顕著に出るといわれていて、日本の競馬では重馬場のときに斤量の軽い方がより有利になるといわれている[誰?]。
米国のダート競走はハンデキャップ競走をのぞけば日本同様58キロ以上の斤量を背負ってGI競走を走ることはまれであり、こちらは日本の競馬に近いといえる。一方で、ヨーロッパは全般的に60キロ以上を背負うことも多い。
日本では馬によっては59キロのハンデを苦にせずGI競走の前哨戦で背負いながらも勝つことも多く、実際のところは馬の能力によって左右される。ただし、日本では60キロ以上の斤量で出走させることは稀である[注 10]。なお、科学的に斤量の差がどのくらい馬に負担をかけるのかは解明されていない。
障害競走では道中あまりにスピードを出しすぎると飛越の際に危険を伴うので[要出典]日本では60キロ程度の斤量となることが多い。日本以外では国により異なるがより重い斤量となっており、イギリスのGIのチェルトナムゴールドカップでは6歳以上牡騸馬は約74.5キロ[28]と定められている。
注釈
- ^ 馬齢重量戦のグレードワン競走は秋華賞・菊花賞・阪神ジュベナイルフィリーズ・朝日杯フューチュリティステークス・ホープフルステークスで、ほかは定量戦となっている。
- ^ 2000年時点では有馬記念が古馬混合のレースで唯一の馬齢重量戦であった。
- ^ 厳密には平年の第4回東京開催/第4回京都開催が区切りとなるので、年によっては11月の頭までとなる。
- ^ 2008年にアメリカジョッキークラブカップ、中山記念、京都記念が賞金別定からグレード別定に変更。
- ^ 1997年に平安ステークス、プロキオンステークス、武蔵野ステークスが賞金別定からグレード別定に変更。
- ^ 騸馬が出走可能な3歳限定のG1競走はない。
- ^ 重賞では2008年・マーメイドステークス(G3)のトーホウシャイン(騎手:高野容輔)、2022年・CBC賞(G3)のテイエムスパーダ(騎手:今村聖奈)など負担重量48kgで騎乗し、優勝した例がある。
- ^ 負担重量が引き上げられた背景として、2022年4月に免許所得2年目の若手騎手である西谷凜が福島競馬に騎乗する際、負担重量の調整が出来ず、保護ベストのクッションを抜く不正改造の事案が発覚し、3か月の騎乗停止処分を受けた一件が挙げられる。減量苦に苦しみ、たびたび体重調整の件で制裁を受けていた西谷凜は同年10月末限りで騎手を引退し、調教助手に転業する事となった。“デビュー2年目の西谷凜が今月で引退 茶木厩舎の調教助手に転身へ”. 東スポ競馬 (2022年10月22日). 2022年10月22日閲覧。
- ^ 同レースに出走したカスタディーヴァ号は、3歳牝馬の定量52kgに、南半球生産馬の2kg減、さらに騎乗した藤田菜七子が当時、見習騎手であったことから3kg減を適用して47kgとなった。
- ^ とくに、66.5キロの斤量を背負って競走中に故障したテンポイントの事故以降、極端に重い斤量を嫌う傾向が顕著となっている。
出典
- ^ a b 日本中央競馬会競馬施行規程・第71条
- ^ a b c d e f g h i “競馬のルール|負担重量”. 日本中央競馬会. 2020年8月26日閲覧。
- ^ “斤量(競馬用語辞典)”. 日本中央競馬会. 2016年3月13日閲覧。
- ^ “カンカン場(競馬用語辞典)”. 日本中央競馬会. 2016年3月13日閲覧。
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第99条
- ^ “鉛(競馬用語辞典)”. 日本中央競馬会. 2018年9月2日閲覧。
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第100条
- ^ “ばんえい競馬って何?”. ばんえい十勝オフィシャルホームページ. 2016年3月13日閲覧。
- ^ “【船山騎手 100勝達成】重賞制覇へ「本当の勝負」”. 北海道新聞 (2010年6月11日). 2013年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月2日閲覧。
- ^ 2024年度競馬番組等
- ^ “2018年1月~12月 格付け競走一覧(実施日順)”. 地方競馬全国協会 (2017年11月14日). 2018年9月2日閲覧。
- ^ JRA 23年度開催日割と重賞日程発表 4月22日に京都競馬場約2年半ぶりグランドオープン - Sponichi Annex 2022年10月18日
- ^ 日本中央競馬会 競馬番組 昭和64年春季 "勝抜制の改善について" "勝抜制の廃止に伴う負担重量の取扱い"
- ^ 坂本日出男『新競馬読本負けたらあかん』文芸社、2003年10月、154頁。(参考:新競馬読本負けたらあかん - 坂本日出男 - Google ブックス)
- ^ “平成31年度(2019年)競馬番組等について”. 日本中央競馬会 (2018年11月20日). 2021年2月6日閲覧。(I-4-(2)平地競走における最低負担重量の設定について)
- ^ “日本中央競馬会競馬施行規程抜粋”. 日本中央競馬会. 2021年2月6日閲覧。
- ^ 令和5年度(2023年度)開催日割および重賞競走 - JRAニュース(日本中央競馬会)2022年10月17日
- ^ 騎手の負担重量の引上げについて - 競馬実況web(日経ラジオ社)2022年10月17日
- ^ a b “38年ぶりの負担重量47キロ | 競馬実況web | ラジオNIKKEI”. ラジオNIKKEI (2017年9月30日). 2021年2月6日閲覧。
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第120条
- ^ 藤田伸二『競馬番長のぶっちゃけ話』宝島社、2009年9月10日。ISBN 978-4796672368。
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第120条2項
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第120条4項
- ^ 日本中央競馬会競馬施行規程・第123条2項
- ^ 例として「重量オーバー ペリエに過怠金3万円」(競馬ネットmagazine・1998年12月1日号)を参照。また岡部幸雄も2001年の京王杯スプリングカップでスティンガーに騎乗した際、同理由で過怠金の対象となったことがある。
- ^ “競走ルールを変更します”. 日本中央競馬会 (2011年1月4日). 2012年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月17日閲覧。
- ^ “2011年4月から競走ルールを変更します”. 地方競馬情報サイト. 地方競馬全国協会 (2011年3月15日). 2014年2月17日閲覧。
- ^ 正確には11ストーン10ポンド (約74.4kgに相当)
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