裁判官 (国際司法裁判所) アドホック裁判官

裁判官 (国際司法裁判所)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 06:08 UTC 版)

アドホック裁判官

裁判の紛争当事国の国籍を有する裁判官がいない場合には、その国はその裁判にだけ出席する裁判官を指名することができる[5]。これをアドホック(ラテン語:ad hoc)裁判官、または臨時裁判官などという[5]。この制度は、裁判官は自国政府の立場を代弁するものとする誤った考え方が前提とされているといった批判や、裁判官の守秘義務や独立性を害するという批判もあるが、一方でこの制度がなければ当事国の国籍を有する裁判官に対する安易な忌避につながるだとか、歴史的に国際仲裁裁判では自国籍の裁判が選任されるのが一般的であったなどの理由でこの制度を支持する見解も多い[2][4]

現職の裁判官

現職の裁判官(2024年4月現在)[6]
氏名 国籍 地域 役職 着任 任期満了
ナワフ・ソルモン英語版 レバノン アジア 裁判長 2018 2027
ジュリア・セブチンデ英語版 ウガンダ アフリカ 副裁判長 2012 2030
ペーテル・トムカ スロバキア 東欧 判事 2003 2030
ロニー・アブラハム英語版 フランス 北米・西欧 ・他 判事 2005 2027
アブドゥルカウィ・アハメド・ユスフ ソマリア アフリカ 判事 2009 2027
薛捍勤英語版 中華人民共和国 アジア 判事 2010 2030
ダルバー・バンダリ英語版 インド アジア 判事 2012 2027
岩沢雄司 日本 アジア 判事 2018 2030
ゲオルク・ノルテ英語版 ドイツ 北米・西欧 ・他 判事 2021 2030
ヒラリー・チャールズワース英語版 オーストラリア 北米・西欧 ・他 判事 2021 2033
レオナルド・ネメール・カルデイラ・ブラント英語版 ブラジル 中南米 判事 2022 2027
フアン・マヌエル・ゴメス・ロブレロスペイン語版 メキシコ 中南米 判事 2023 2032
サラ・ハル・クリーブランド英語版 アメリカ合衆国 北米・西欧 ・他 判事 2024 2033
ダイア・トラディ英語版 南アフリカ共和国 アフリカ 判事 2024 2033

  1. ^ a b c 「国際司法裁判所裁判官」、『国際法辞典』、105-106頁。
  2. ^ a b c d e f g h i 杉原(2008)、418-420頁。
  3. ^ 「国別裁判官団」、『国際法辞典』、72頁。
  4. ^ a b c d 山本(2003)、692-694頁。
  5. ^ a b 「アドホック裁判官」、『国際法辞典』、2頁。
  6. ^ Current Members”. 国際司法裁判所. 2024年4月6日閲覧。


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