茶 名称

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名称

漢字

漢字の「茶」は中唐以後に成立した字で、それまでは「」または「𣘻」(木偏に荼の字)を使用していた。「荼(ト)」は本来は苦い味のする植物であるニガナを指す字である[30]。また、仏典では ḍa の音写に「荼」字をあてた(軍荼利曼荼羅鳩槃荼など)。茶が原産地の雲南方面から四川・江南へと長江流域に広まるにつれ、ダのような発音の語に荼字を当てて使うようになったと推定されている。陸羽が『茶経』を著して、「荼」を1画減らして区別することが広まったと言われる。『茶経』には「茶」「檟(カ)」「蔎(セツ)」「茗(メイ)」「荈(セン)」の5種の名が揚げられているが、他に当て字もあって、それらも合わせると10種以上の字が使われていた。「茗」に関しては、現代中国語でも茶を総称する「茗茶」という言い方が残っている。

各国語における茶を意味する語

世界で茶を意味するの起源は、「チャ」系統のものと「テー」系統のものがある[31][32]

中国語の北京語広東語では、茶は「チャ(cha)」と呼ばれている[33]モンゴル語ウイグル語ヒンディー語トルコ語ペルシャ語ロシア語などでは「チャイ」系統の音で呼ばれ、これらは中国から伝播したものと考えられるが、「イ」がどのようにして加わったのかは不明。ペルシア語辞典やヒンディ語辞典にはチャー(chā)とチャーイ(chāi)の両項目が挙げられている[34][注釈 2]。「チャ」に由来する呼び名を持つ言語としては以下のような例がある。

これに対して西欧の多くの国では「テー」系統の発音が用いられている[33]。これは、福建省で用いられている廈門語のテー()に由来するとみられる[33]。17世紀に茶を中国からヨーロッパに持ち込んだオランダ人経由でヨーロッパに広まった[33]陳舜臣は、代中期から貿易を認められていた広州の特許貿易商である広東十三行は、福建省廈門(アモイ)出身者が多く、彼らが自らの母語でテーと呼んだことによるとするが[35]、通常は福建語からマレー語にはいり、オランダ語はマレー語から借用したと考えられている[36]。この系統の言語としては次のようなものがある。

他方、ポルトガル広東省マカオから直接茶を輸入していたことから、広東省での呼び名に従い、西欧では例外的にcháと呼んでいる[33](現在のポルトガル語では「シャ」と発音されるが、かつての発音は「チャ」であった)。

日本語の茶の字音は呉音「ダ」、漢音「タ」、唐音「サ」である。「チャ」という音は院政時代の『色葉字類抄』に見られ、漢音と唐音の間の時期に流入したと考えられる。なお、「チ・ツ」は古くは破擦音ではなく[37]、「チャ」と書いて「テャ」のように発音していた。朝鮮語の「」に対する漢字音も「タ」( / da)と「チャ」( / cha)があるが、植物・飲料の茶だけを指す場合、「チャ」を用いる。ベトナム語でも tràchè の2形がある。

「チャ」系統と「テー」系統以外で呼ばれる言語もごくわずかあり、ほとんどは中国雲南省からミャンマーにかける地域に住んでいる東南アジア諸民族の言語である。例えば、ビルマ語ではလက်ဖက်(lakphak、ラペ)と、パラウン語では「miang」(ミアン)と呼ばれる。ただし、これらの民族の習俗上において茶葉はもともと飲用ではなく、ラペソーなどの漬物の原料である[38]。なお、「ミアン」は中国語における茶の別名「茗(ming)」の語源であるという説もある[39]


注釈

  1. ^ 風味の違いなどから日本茶中国茶紅茶などは別の植物の葉であると誤解されることもあるが、種の違いを除き、分類学上は全て同一(ツバキ目ツバキ科ツバキ属に分類される常緑樹)である。
  2. ^ インドからアラビアを経て北アフリカにかけての地域では、日常的な飲用物としての紅茶を「チャイ」と称している。
  3. ^ (岩間眞知子 2009, p. 3-17, 201-216)。なお、岩間は『神農本草経』において、苦菜が含まれている上薬を「無毒で長期服用が可能な養命のための薬」と定義していることを指摘し、茶が上薬に該当しかつ苦菜の特徴と共通すると主張して苦菜を茶とした陶弘景の説を肯定している。
  4. ^ 紅茶は、高温の沸騰した水で抽出し、かつ硬水だと渋くならない。
  5. ^ 喫茶の話を記した7首の作者は藤原明衡(2首)、中原広俊、源経信藤原実範藤原基俊、藤原周光(編者)の6名でいずれも遣唐使の停止から100年から250年も後の人物である。
  6. ^ この二つの資料は制作年代にも疑問があり、法的な拘束力はなかったとされる。しかし、当時の支配者層は農民が茶を嗜むことは贅沢で怠惰なイメージを持っていたと思われる。[92]
  7. ^ 静岡県出身のため「茶ばたけ」というユニット名でのデビューも考えられていた。『夜のヒットスタジオ』などでの烏龍茶発言で静岡茶の売り上げにはマイナスになったが、静岡県発祥の伊藤園の業績が伸びた。
  8. ^ Ramusio, Giovanni Battista (1574). Secundo volume delle navigationi et viaggi (2nd ed.). Venetia. https://archive.org/stream/secundovolumedel00ramu#page/n37/mode/2up 
  9. ^ 詳細は「老化#糖化反応説」「サポニン」を参照。
  10. ^ タイ語で เมี่ยง [mîaŋ] と呼び、言語学者の冨田竹二郎はこの語が中国語の「茗」(茶葉の別称、あるいは茶の若葉のこと)から来たのではないかとしている。[143]

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  146. ^ 日本茶インストラクター協会 編 『日本茶のすべてがわかる本―日本茶検定公式テキスト』2008年12月、[要ページ番号]頁。ISBN 9784540081873 
  147. ^ ビアトリス・ホーネガー 2020, ティーバッグ――偶然の発明.






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